カプコン、3Q(4~12月)決算は売上高16%減、営業益35%減に 通期業績予想は据え置き…2月に新作『モンスターハンターワイルズ』の発売控える

  • カプコン<9697>は、1月29日、2025年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表、デジタルコンテンツ事業の販売本数が3053万本と『ストリートファイター6』などを発売した前年同期の3260万本に比べ減少したこともあり、減収減益となった。

    売上高888億5300万円(前年同期比16.3%減)
    営業利益310億2000万円(同35.0%減)
    経常利益314億1700万円(同36.5%減)
    最終利益230億6600万円(同33.4%減)

    各セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①デジタルコンテンツ事業 売上高585億3400万円(前年同期比28.1%減)、営業利益292億4700万円(同38.2%減)
    昨年9月発売の『デッドライジング デラックスリマスター』および『MARVEL vs. CAPCOM ファイティングコレクション:アーケードクラシックス』のパッケージ版を11月に発売したほか、12月にApple端末向け「バイオハザード」シリーズの新作『バイオハザード RE:2』を発売し、引き続きシリーズファンを中心とした根強い支持を集めた。

    また、リピートタイトルは、今年2月発売予定のシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』への期待感の高まりが後押しとなり、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』および『モンスターハンターライズ』が続伸した。加えて、「モンスターハンター」シリーズの全世界での累計販売本数が1億本を突破するなど、シリーズタイトルのブランド価値向上に寄与した。

    そのほか、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図る施策などを行い、『バイオハザード RE:4』などシリーズタイトルを中心に販売した。加えて、前期発売の主力シリーズの大型新作タイトル『ストリートファイター6』について、引き続きeスポーツ展開との連携強化によるブランド認知とユーザー数の拡大を推し進めた。

    以上により、第3四半期累計期間の販売本数は、『ストリートファイター6』などを発売した前年同期と比較し減少したが、リピートタイトルの販売本数が前年同期を上回ったことにより収益を押し上げ、年間計画達成に向け、計画どおりの進捗となった。

    モバイルコンテンツは、前期に配信を開始した『モンスターハンターNow』が累計1500万ダウンロードを突破するなど、引き続き多くのユーザーの人気を集め、ブランド浸透と価値向上に寄与した。加えて、昨年6月にグローバルで配信開始した『モンスターハンターパズル アイルーアイランド』が100万ダウンロードを達成した。

    ②アミューズメント施設事業 売上高165億5200万円(同19.5%増)、営業利益22億5800万円(同45.9%増)
    コロナ禍からのインバウンド需要や外出型消費の回復に加え、ユーザーの消費行動に変化が生じつつある状況下、引き続き既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより来店客数が増加し、収益拡大に貢献した。また、リアル店舗におけるイベント実施などによる魅力の最大化と他事業とのシナジーの創出を推進した。

    第3四半期累計期間において、昨年4月に「プラサカプコン 小矢部店」(富山県)、5月に「プラサカプコン 池袋店」(東京都)の新区画をオープンしたことに加え、11月に同社人気キャラクターグッズの物販店「カプコンストア アネックス マリンピア神戸店」(兵庫県)をオープンし、施設数は52店舗となった。

    ③アミューズメント機器事業 売上高102億4200万円(同27.7%増)、営業利益50億8300万円(同11.5%増)
    スマートパチスロのけん引によりパチスロ市場は堅調に推移している環境下で、昨年6月稼働の「ストリートファイターV 挑戦者の道」を5000台販売するとともに、10月稼働の「鬼武者3」を1万1000台販売した。加えて、11月稼働の「モンスターハンターライズ」を1万9000台販売し、新機種が収益に貢献した。また、昨年3月発売の「ストライク・ザ・ブラッド」も続伸した。

    ④その他事業 売上高35億2400万円(同22.6%増)、営業利益12億5000万円(同94.8%増)
    昨年4月の社内組織統合によりeスポーツとライセンスビジネスの連携を加速し、同社タイトルのブランド価値向上に向け体制強化を図った。このような体制のもと、eスポーツにおいては、人気タイトル『ストリートファイター6』を用いた「CAPCOM Pro Tour 2024」を6月から世界各地域で開催した。

    加えて、国内でのチームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」を8月、米国でのチームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-US 2024」を10月から開催するなど、各大会において熱戦が繰り広げられた。また、「CAPCOM Pro Tour 2024」の決勝大会「CAPCOM CUP 11」は昨季に続き優勝賞金100万ドルに決定したほか、2024年シーズンの各決勝大会は両国国技館での開催を決定するなど、各大会のさらなる振興を図った。

    加えて、Amazonプライムビデオのアニメシリーズ「シークレット・レベル」において「ロックマン ~始まりの物語~」が12月に全世界で配信された。また、「モンスターハンター」シリーズ20周年にあわせた各種イベントやコラボレーション展開の推進など、人気IPを活用した映像化や人気タイトルなどのキャラクターグッズ展開などに注力した。

  • ■通期業績予想は据え置き

  • 2025年3月期通期の連結業績予想は、従来予想から変更なく、以下のとおり。

    なお、同社は当期は主力シリーズの大型新作タイトル『モンスターハンターワイルズ』を2月28日に発売する予定だ。

    売上高1650億円(前期比8.3%増)
    営業利益640億円(同12.1%増)
    経常利益630億円(同6.0%増)
    最終利益460億円(同6.1%増)

※過去12四半期分の四半期業績推移のグラフを追加しました。

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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