マーベラス<7844>は、2025年3月期第3四半期の決算を発表し、佐藤 澄宣社長が決算概要を説明した。売上高は前年同期比4.8%減の207億2000万円、営業利益は同12.6%増の15億6600万円だった。コンシューマ向け基幹タイトルの新作発売数の減少や、新作の販売不振が売上減の要因となったが、売上原価の減少により営業利益は増加した。「新作・旧作ゲームが売れて増益になりました」というものではないため、マーケットの評価も厳しいものになりそうだ。
同時に通期業績予想についても売上高270億円、営業利益15億円、経常利益15億円、最終利益9億円に修正した。売上高と最終利益はレンジ予想を下回り、営業利益と経常利益はレンジ下限となる。コンシューマ新作タイトルの発売延期や既存タイトルの不振などにより、売上高は当初予想を下回る。「ルーンファクトリー」シリーズ最新作の発売を来期に延期し、当期は既存タイトルの販売促進と来期以降の新作タイトルの開発に取り組むなど来期以降の挽回に注力する。
本日は、お忙しい中、株式会社マーベラス2025年3月期 第3四半期 決算説明動画をご視聴いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長の佐藤でございます。本日は、第3四半期の決算概要、セグメント別の状況と今後の展開、通期業績予想の順にご説明させていただきます。それでは、早速、第3四半期の決算概要からご説明させていただきます。
第3四半期の決算サマリーとなります。売上高は、前年同期比95.2%の207億2,000万円、営業利益は、同112.6%の15億6,600万円となりました。
コンシューマの基幹タイトルの新作発売が前期と比べて少なかったことや、新作タイトルの販売不振、販売計画の未達などにより売上は減少いたしました。
一方で、前期末における会計見積もりの変更に伴い研究開発費が9億9,600万円増加したものの、売上原価は22億5,000万円減となり、営業増益となりました。
また、為替の影響で前期と比べて営業外収支が減少し、経常利益は、16億5,600万円、四半期純利益は、10億2,900万円となりました。
続いて、セグメント別の概況についてご説明いたします。
当第3四半期のデジタルコンテンツ事業は、売上高が、前年同期比82.3%の99億8,500万円、セグメント利益は、10億1,600万円増の7億1,500万円となりました。
アミューズメント事業は、売上高が、前年同期比112.6%の74億3,500万円、セグメント利益は、同78.6%の19億7,600万円となりました。
音楽映像事業は、売上高が、前年同期比109.3%の33億円、セグメント利益は、同44.3%の1億9,300万円という結果となりました。
ここからは、各セグメント別にご説明させていただきます。まずは、デジタルコンテンツ事業です。
コンシューマの基幹タイトルの新作発売が前期と比べて少なかったことや、11月に発売した『FARMAGIA(ファーマギア)』が計画を大きく下回る販売推移となったため、売上は減少となりました。
一方で、前期末における会計見積もりの変更に伴い、研究開発費増も売上原価は大きく減少し、利益は改善いたしました。
タイトルの状況といたしましては、第3四半期においては、オンラインゲームの周年が集中しており、今期の新作『ビックリマン・ワンダーコレクション』のハーフアニバーサリーをはじめ、『ドルフィンウェーブ』や『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』の各タイトルにおいて、周年イベント等を実施し、堅調に推移いたしました。
コンシューマでは、先ほどの『FARMAGIA(ファーマギア)』のほかでは、12月に発売した『牧場物語 再会のミネラルタウン』の BEST PRICE 版や、旧作リピートが好調に推移いたしました。
また、子会社ジー・モードより人気シリーズ「みんなで空気読み。」の最新作となる『みんなで空気読み。4』をNintendo Switch™、Steam®向けに11月19日に配信開始いたしました。
今後のラインナップといたしましては、今春予定としていた「ルーンファクトリー」シリーズの最新作『龍の国 ルーンファクトリー』の発売が来期となることが正式に決定いたしました。
当期においては、引き続き、既存タイトルの販売促進と来期以降の新作タイトルの開発に鋭意取り組んでまいります。
続いて、アミューズメント事業です。
昨年7月より稼動を開始したポケモンキッズアミューズメントマシンの『ポケモンフレンダ』につきましては、11月21日に新弾「ポケモンフレンダ3だん」がスタートいたしました。
また、『ポケモンガオーレ』の海外展開につきましては、引き続き堅調に推移いたしました。
11月からは、当社オリジナルの新たなプライズマシン『TRY CATCH™』が順次稼動開始いたしました。
これらの結果、海外展開の拡大や新規プライズマシンの発売等で増収となったものの、先行費用の増加は補いきれずセグメント利益は減少しました。
続いて、音楽映像事業です。
舞台公演や関連パッケージ商品の売上が増加したこと等により増収となったものの、利益率の高い配信収入の減少や前期に取得した IP の育成に伴う費用増により減益となりました。
第3四半期の主なタイトルといたしましては、『新テニスの王子様』の新作テレビアニメを10月から12月まで放送したほか、『わんだふるぷりきゅあ!』の LIVE 公演を10月に開催いたしました。
舞台公演では、『ワールドトリガー the Stage』の新作公演や今期の新作『演劇【推しの子】』、「舞台『アオペラ』」の公演を実施いたしました。
第4四半期以降のラインナップといたしましては、当社が製作委員会に参画している新作アニメ『悪役令嬢転生おじさん』や『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~』に加え、11月に発売したゲーム『ファーマギア』のテレビアニメをいずれも1月より放送開始いたしました。
また来月からは、プリキュアシリーズ最新作となる『キミとアイドルプリキュア♪』が放送開始となります。
舞台公演では、「ミュージカル『テニスの王子様』」の新作公演を1月11日から2月15日までの予定で現在公演を行っております。
2月からは、「舞台『刀剣乱舞』」、『Dancing☆Star プリキュア』の新作公演を予定しているほか、3月からは、中国のファンタジー小説が原作の「舞台『魔道祖師』邂逅編」の公演を予定しております。
以上が、各セグメントの概況となります。
最後に、今期の通期業績予想につきまして、お話しさせていただきます。
この度、第3四半期までの進捗状況や第4四半期の見込みを精査した結果を踏まえ、これまでレンジ形式での開示としておりました業績予想を特定値として修正いたしました。
当社グループの2025年3月期における通期連結業績予想は、売上高270億円、営業利益15億円、経常利益15億円、当期純利益は9億円とさせていただきます。
当期においては、コンシューマの新作タイトルの発売時期に不確実性があったことから、当初より収支改善対策に努め、その影響の低減に努めてまいりました。
しかしながら、当該タイトルの発売が翌期となったことに加え、第3四半期までにおける新作タイトルの不振や計画未達があったほか、第4四半期においても当該新作タイトルの貢献が限定的となっております。
利益率の高い旧作タイトルの販売促進やコストコントロールにより営業利益、経常利益につきましては、当初のレンジ予想値に収まる見込みですが、以上の結果により、売上面では当初のレンジ予想の下限値を下回る見込みとなりました。また、当期純利益につきましては、グループ会社の利益構成の変化によりレンジ予想の下限値を下回る見通しとなりました。
また、配当予想につきましても、これまで未定としておりましたが、この度、一株当たり10円とさせていただきました。
これまで長年にわたり一株当たり33円の配当を維持してまいりましたが、株主の皆様に対する配当方針、当社の財務状況などを総合的に勘案した結果でございます。何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
今後につきましては、企業価値の向上を伴って、高配当につなげていきたいと考えております。
最後に、わたくしごとではございますが、本日発表させていただきましたとおり、3月31日をもって代表取締役社長としての職を辞することにいたしました。近年の業績不振に対する責任を明確にするためのものでございます。
後任には現在、ゲーム事業本部長も務めます照井が就任予定となっております。
皆様におかれましては、変わらぬご支援、ご指導をくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
以上をもちまして、決算説明を終了させていただきます。最後までご視聴いただきまして、誠にありがとうございました。
以 上
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844