カプコン、第3四半期決算は大型新作タイミングの違いで減収減益も計画達成に向けて「順調」と強調 カギ握る『モンハンワイルズ』の予約は「大変好調」

カプコン<9697>は、2025年3月期第3四半期の決算記者会見を配信し、代表取締役 副社長 執行役員 最高人事責任者(CHO)の宮崎 智史副社長は、第3四半期の決算は新作の発売時期の違いで減収減益となったものの、2025年3月通期は12期連続の営業増益、10期連続の2桁の営業増益の計画達成に向けて順調に推移していると報告した。

執行役員 財経・広報統括の嶋内 義和氏は、『モンスターハンター』や『バイオハザード』シリーズのリピート販売が好調で、デジタルコンテンツ事業では3053万本の販売を達成したと説明。アミューズメント事業も客単価の上昇や新筐体の導入で増益を達成した。来月発売予定の『モンスターハンターワイルズ』については予約状況は非常に好調で、前評判も非常に高いと自信を示した。

※読みやすくするため、一部表現を変更しております。

 

【宮崎副社長】

本日は大変お忙しい中ご参加いただきまして本当にありがとうございます。 株式会社カプコンの2025年3月期第3四半期の決算を発表させていただきます。 2025年3月期第3四半期におきましては、今期通期で12期連続の営業増益、それから10期連続の2桁営業増益を計画しておりますが、これに対して順調に推移した決算だったと思っております。

事業別に見ますと、主力のデジタルコンテンツ事業は、リピート販売を中心に第3四半期まで3053万本という販売本数になっております。そのうちリピートタイトルが前年比増の2861万本ということで、全世界マーケットへの販売拡大ということに関しては、この第3四半期までも順調に進捗したと考えております。 特に当社の、主力シリーズであります『モンスターハンターワールド:アイスボーン』あるいは『BIOHAZARD RE:4』といった主力シリーズのリピート販売が引っ張っております。

他の事業におきましては、アミューズメント施設事業は、客単価が上昇しておりますし、それからアミューズメント機器事業もスマート機器の導入あるいは主力人気タイトルの利用で、それぞれ堅調、増益推移となっておりまして、この決算を支えております。

第3四半期ということで考えると、今期も前期と比べると新作タイトルの販売時期の違いで、減益となっておりますが、皆様ご存じの通り、第4四半期に私どもの自信作である『モンスターハンターワイルズ』が出てまいります。ユーザーの期待も非常に大きいですし、開発陣もクオリティについて自信を持って出してまいりますので、今期の計画はこれを踏まえて計画を立てておりまして、非常に順調に進展しております。今期も12期連続の営業増益、それから10期連続の2桁増益を計画しておりますが、これに対しては非常に視界良好な位置に立ったと考えております。

 

【島内統括】

2025年3月期第3四半期決算短信に基づきまして説明いたします。 まず連結経営成績です。 売上高は888億5300万円、前年同期で16.3%のマイナス、 営業利益は310億2000万円、同じく35%のマイナス、 経常利益は314億1700万円、同じく36.5%のマイナス、 親会社株主に帰属する四半期純利益は230億6600万円、同じく33.4%のマイナスでございます。

上半期の決算発表時にご説明した通り、下期偏重ということで来月の『モンスターハンターワイルズ』の発売に向けて、社内計画では計画通りの結果となっておりまして、通期の目標達成に向けて順調でございます。

 

連結財政状況です。 総資産2514億43000万円で前期比79億6700円万の増加、 純資産が2030億7100万円、79億9000万円の増加ということで、総資産の増加分がほぼ純資産に乗ってきている状況でございまして、自己資本比率は80.8%という状況でございます。 配当の状況と連結の業績予想につきましては、前回から変更がございません。

PLとBSのところで1点だけございます。営業外費用の中で、社会貢献関連費用ということで10億5300万円を計上しておりますが、このうちの10億2000万円が、この4月から始まります大阪関西万博への出展資金、協賛資金として計上しております。

 

セグメント別で少し細かく説明いたします。まず、主力のデジタルコンテンツ事業は、 売上高585億3400万円、セグメント損益が292億4700万円です。昨年の前半に『ストリートファイター6』という大型タイトルを出し、今期は年度後半である2月に『モンスターハンターワイルズ』を発売するなど、新作の発売タイミングが異なるため、減益となっておりますが、リピートタイトルを中心に伸長してまいりました。

 

ゲームソフトの販売本数は3053万1000本で、そのうち私どものビジネスの柱になるリピートタイトルは2861万9000本と前年同期でも107%です。 内容的にはモンスターハンターシリーズ、あるいはバイオハザードREシリーズを中心にしっかり伸びてきております。

 

第4四半期の『モンスターハンターワイルズ』については、当社としては、過去最大のタイトルということで、通年の本数目標でございます、リピート本数3700万本、新作本数1300万本、合計5000万本を達成すべく、発売を迎えるのを待っております。

 

アミューズメント施設は、 売上高が165億5200万円で前期比120%、 セグメント損益は22億5800万円、146%となりました。 夏の猛暑の影響でも大変好調でしたが、この第3四半期に入ってもプライズゲームの大変好調な状況が続いております。 お客様のニーズに沿った景品の提供をすることでお客様1人当たりの単価が上昇し、既存店の売上高は前年同期比113%と伸びました。第3四半期は、11月に「カプコンストア アネックス マリンピア神戸店」を出店しており、12月末の段階では52店舗で展開をしております。

 

アミューズメント機器は、売上高が102億4200万円、 セグメント損益が50億8300万円でした。 売上高128%、損益の方は112%と増収増益となっております。 この11月に導入しました新筐体の『モンスターハンターライズ』が大変好調に販売が推移しており、1万9000台を販売しております。 上半期に発売した『ストリートファイター5』と『鬼武者3』を合わせて、第3四半期累計では3万6400台を販売しております。 スマートスロットに変わってから、部材の共通化で全体的な生産効率を上げるという取り組みも行い、増収増益という結果になりました。

 

その他の事業では、映像事業とeスポーツ事業、キャラクターライセンス事業、コンテンツ事業がございますが、その中でも、今回はキャラクターライセンス事業とコンテンツ事業で人気IPを活用した案件が大変好調に推移し前年同期比では増収増益となりました。

全体では繰り返しになりますが、2月28日発売の『モンスターハンターワイルズ』の販売につきましては、プレオーダーも大変好調でございますし、前評判も大変高いということで、私どもも期待しておりますし、この結果を踏まえまして、12期連続の営業増益、10期連続の営業利益2桁成長を計画している状況でございます。

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1696億400万円、営業利益657億7700万円、経常利益656億3500万円、最終利益484億5300万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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