【決算まとめ】家庭用ゲーム大手、第3四半期はバンナムHDが力強い成長を実現 コナミGも最高業績 カプコンとコーエーテクモは第4四半期の新作がカギ

家庭用ゲーム大手6社の第3四半期決算が出揃い、本業の儲けを示す営業利益が増益だったのは6社中2社にとどまった。バンダイナムコホールディングス<7832>とコナミグループ<9766>が増益となり、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、コーエーテクモホールディングス<3635>、セガサミーホールディングス<6460>、カプコン<9697>が減益だった。

 

 

最も目立ったのは、バンダイナムコHDで、前年同期比129%増という大幅増益を達成した。事業の構成の違いや、新作ゲームの投入時期の違いなどを十分考慮にいれる必要があるものの、営業利益の絶対額をみると1792億円と2位以下に2倍以上の差を付けている。

バンダイナムコHDは、デジタル事業とトイホビー事業で利益率の高いヒット商品が出たほか、IPプロデュースとアミューズメントも増収増益を達成し、過去最高業績になったという。ゲームでは、『ELDEN RING』の大型DLCと『ドラゴンボール Sparking! ZERO』が大ヒットし、『ELDEN RING』本編のリピート販売、『学園アイドルマスター』も好調だった。

同じ増益組であるコナミグループは、売上高、事業利益、営業利益、最終利益が過去最高を更新した。デジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツが引き続き好調に推移し全体をけん引したほか、メダルゲームやプライズゲーム、遊技機を展開するアミューズメント事業も2ケタ増益を達成して収益を押し上げた。

他方、カプコンとコーエーテクモHDは、新作の発売時期の違いが主な減益要因だった。前年は第3四半期までに新作をリリースしていたが、今期は第4四半期に集中するという。

カプコンは、超大型タイトル『モンスターハンターワイルズ』の2月28日に発売する予定だ。コーエーテクモも同様に『真・三國無双ORIGINS』など5タイトル以上を投入し、計画達成を目指している。

セガサミーHDは、前期に大ヒットした『スマスロ北斗の拳』の反動減があったことが主な減益要因。セガやトムス・エンタテインメントを中心に展開するエンタメコンテンツ事業は好調だった。『ソニック✕シャドウジェネレーションズ』や『メタファー:リファンタジオ』がヒットしたほか、ソニックの映像化作品や『名探偵コナン』が大きく貢献したという。

第4四半期に新作を集中的に投入する計画のカプコンとコーエーテクモを除くと、バンダイナムコ、コナミグループ、セガサミーはいずれもゲーム事業が好調だった。スクエニのみスマホゲームの不調で減益となったものの、HDゲームとMMOは増益だった。

様々な見方があるだろうが、新作投入を控えている2社の状況を見極める必要があるが、全体的には良好な状況にあるように見える。

大手6社に限らず家庭用ゲームの会社は、これまで主流ハードの端境期に赤字になるなど業績を一時的に悪化させるケースが散見された。開発力強化への投資や自社ゲームのIP展開といった経営努力に加え、近年、SteamやEpic Games StoreなどグローバルなPCゲームプラットフォームの台頭もあり、従来に比べて安定的な収益獲得が可能となっている。

任天堂の新ハード『Nintendo Switch2』の登場で今後の業績成長に拍車がかかっていくのか。ゲーム大手に対する株式マーケットにおける評価の高さを見ると、その期待の大きさが伺える。

以下、各社のゲーム事業の概況を見ていこう。

■コーエーテクモ
・売上高:487億9400万円(同15.0%減)
・セグメント利益:148億6700万円(同26.0%減)
パッケージ3タイトル、モバイル3タイトルの新作をリリースした前年同期に対し、今期はパッケージ2本の新作発売で既存タイトル中心の展開となっており、減収減益だった。これは当初の計画通り。第4四半期に大型タイトル『真・三國無双ORIGINS』を中心に5タイトル以上を投入し、計画達成を目指している。『真・三國無双ORIGINS』はすでに100万本を達成した。

■セガサミーHD
・売上高:2390億5000万円(同8.2%増)
・セグメント利益:375億6400万円(同88.8%増)
第2四半期に引き続きコンシューマー分野、映像分野が好調に推移し増収増益となった。期初想定も大幅に上回った。コンシューマ分野においては、『ソニック✕シャドウジェネレーションズ』は1月に全世界累計販売本数200万本を突破し、『メタファー:リファンタジオ』についても期初の想定を上回った。リピートは『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』や『ユニコーンオーバーロード』などのタイトルに加え、ソニックシリーズの過去作が好調だった。

■バンダイナムコHD
・売上高:3570億2300万円(同35.7%増)
・セグメント利益:705億9700万円(同4271.2%増)
セグメント利益が同4271.2%増の705億9700万円と大幅な増益だった。『DRAGON BALL』シリーズや『ONE PIECE』など主力スマホゲームや『学園アイドルマスター』のほか、『ELDEN RING』の大型ダウンロードコンテンツ『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』や新作タイトル『ドラゴンボール Sparking! ZERO』がワールドワイドでヒットした。

ちなみに、増益率の大きさが注目されるが、前年同期の利益水準が大きく落ち込んでいたことが大きい。前年同期である23年4~12月の決算では、『ELDEN RING』の反動減が出ていたことに加えて、この期に投入した新作オンラインゲームの評価損の計上、開発中のタイトルの処分損を計上し、前年同期比で96.5%減の16億1500万円と大きく落ち込んでいた。

■スクエニHD
・売上高:1603億8600万円(同10.7%減)
・営業利益:276億8900万円(同9.9%減)
主力のゲーム事業は、HDゲームとMMOが増益だったものの、スマホゲーム関連が減収減益となったことが響いて減益となった。HDゲームは、24年11月に発売した『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の販売が当初の想定を上回ったほか、開発費の償却費負担や広告宣伝費が減少し増益になった。MMOは『ファイナルファンタジーXIV』の最新拡張パッケージ『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』が貢献した。

■カプコン
・売上高:585億3400万円(同28.1%減)
・営業利益:292億4700万円(同38.2%減)
大型タイトル『ストリートファイター6』を発売した前年同期と比較して減収減益となったものの、リピートタイトルの販売本数が前年同期を上回ったことにより収益を押し上げ、年間計画達成に向け、計画どおりの進捗となった。超大型タイトル『モンスターハンターワイルズ』の予約状況については『本数は開示していないが、前評判も良く、プレオーダーは社内計画比で好調に推移している』とのこと。

■コナミグループ
・売上高:2288億8200万円(同32.0%増)
・事業利益:808億1700万円(同44.6%増)
世界中で人気を博したサイコロジカルホラーゲーム『SILENT HILL 2』のリメイク版を発売し、世界累計出荷本数が100万本を突破し、引き続き出荷本数を伸ばしている(1月時点では200万本を突破)。新作として『プロ野球スピリッツ2024-2025』や『eBaseball: MLB PRO SPIRIT』をリリースしたほか、『eFootball』が世界累計8億ダウンロードを突破するなど好調に推移した。

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
企業データを見る
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
企業データを見る
コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
企業データを見る
コーエーテクモホールディングス株式会社
http://www.koeitecmo.co.jp/

会社情報

会社名
コーエーテクモホールディングス株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
決算期
3月
直近業績
売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3635
企業データを見る
株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 浅古 有寿
決算期
3月
直近業績
売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
企業データを見る
セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
企業データを見る