【先行体験】東宝&ブシロードの新作・進攻/撃退型カードゲーム『ゴジラ カードゲーム』メディア体験会をレポート! “ゴジラ”の脅威をカードや盤面で見事に再現!
ブシロード<7803>は、4月21日、『ゴジラ カードゲーム』のメディア体験会を開催した。本稿では、その模様をレポートしていく。
▲会場には実際のカードを拡大したものや、4月26日から開催されているゴジラ・THE・アート展のポスターなどが飾られていた。
●ゴジラ カードゲームとは
7月5日に発売予定の『ゴジラ カードゲーム』は、「ゴジラ」シリーズの生誕70周年を記念して作られた“進攻/撃退型カードゲーム”。ゴジラがスクリーンから盤上へと舞台を移し、まるで映画の1シーンを想起させるような新しいプレイ体験が可能となっている。
■東宝・山崎氏とブシロード・木谷氏が『ゴジラ カードゲーム』への想いを語る
当日は、東宝<9602>で『ゴジラ カードゲーム』の企画・販売を担当する山崎倫明氏が登壇。『ゴジラ カードゲーム』は、「ゴジラ」シリーズ70周年を記念した作品で、東宝が企画を、ブシロードが開発を、遊宝洞が開発協力を担当して生まれたと経緯を説明した。
▲東宝・ライツ事業部ゴジラルームの山崎倫明氏。
また、本ゲームには「怪獣カード」「交戦カード」「戦略カード」「怒りカード」という4種類のカードが登場する。それぞれのカードには、これまでのゴジラ映画に登場したさまざまな怪獣や名場面が採用されている 。
▲各カードの特徴については後述。
これらのカードを駆使して勝利を目指すことになるわけだが、本ゲームの勝利条件は2つ(内1つ達成で勝利)。この点も『ゴジラ カードゲーム』の大きな特徴となっている。
【勝利条件】
・自分の怪獣カードを相手陣地に進攻させる“進攻勝利”
・相手の怪獣カードを計4回撃退する“撃退勝利”
▲ゲームの詳細な流れについても、この後のプレイレポートにて記載する。
最後に、今後の展開について発表した。発売日となる7月5日には、スタートデッキ『ゴジラ-1.0』と『平成・VSシリーズ』、さらにブースターパック第1弾『ゴジラVSゴジラ』を販売。その後は10月にブースターパック第2弾、以降、第3・4弾をファーストシーズンとして約1年間かけて展開していくという。
▲スタートデッキ『ゴジラ-1.0』(写真左)とスタートデッキ『平成・VSシリーズ』(写真右)。
▲ブースターパック第1弾『ゴジラVSゴジラ』。
そのほか、5月にブシロード主催の「カードゲーム祭2025」、アナログゲームのイベント「ゲームマーケット2025春」、7月にはアメリカで開催される「Anime Expo」に出展することが明かされた。
▲今後のロードマップ。4月より店舗での体験会も実施しており、既に250名以上が参加。アンケートでも「ゴジラの世界観が再現されている」と好評を得ている。
続いて、ブシロード代表取締役の木谷高明氏が登壇。同氏が初めて映画を観に行ったのが1964年に公開された「三大怪獣 地球最大の決戦」だったとの思い出が語られたことからも、本作に並々ならぬ想いが掛けられていることが伺えた。
▲ブシロード代表取締役の木谷高明氏。
また、『ゴジラ カードゲーム』では映画で感じられるウキウキやドキドキ、ハラハラといった感情を如何にカードゲームで再現できるかがテーマとなっているとコメント。日本だけでなく、世界中の人に楽しんでもらいたいとの想いを述べて挨拶の締めとした。
■ティーチングで『ゴジラ カードゲーム』のルールを紹介!
本ゲームに登場するカードの種類は、先ほど述べた通り4種類となる。メインデッキは50枚で構築され、その中には「怪獣カード」「交戦カード」「戦略カード」を入れることができる。なお、今回の体験会で使用したカードは特別なもので商品のものとは内容が異なるとのこと。
先に簡単に説明しておくと、「怪獣カード」は本ゲームの主役となるゴジラのカード。懐かしいものから最近見たものまでさまざまな年代のゴジラが幅広く用意されている。
▲「怪獣カード」には、カード上部に名称が書かれている。また、ゲームスタート時には盤面の左下に4枚の怪獣カードからなる怪獣デッキを用意。
自分のメインフェイズに盤面に出すことができる「交戦カード」は、相手のゴジラを撃退するためのカードとなっている。最後に、映画の有名なシーンが描かれている「戦略カード」は、いわゆるイベントカードのようなもので使い切りの効果を持っている。
▲「交戦カード」は、カード下部に名称が書かれており、撃退力を持っている。「戦略カード」は横向きにテキストが書かれているので分かりやすい。
また、このほかゴジラの脅威度を上げることができる「怒りカード」があるが、これは別デッキとして盤外に用意しておくものとなっている。
▲怒りカードは全て同じ効果を持っているが、さまざまなデザインのものが用意されている。これはコレクションしがいがありそうだ。
ここからはゲームの準備へ。まずは、お互いに4枚用意された怪獣デッキ(※メインデッキとは別)から、左上に「I」と書かれたゴジラをボードに書かれたエリア1に配置する。さらに、ゲーム開始時に手札が5枚になるようにドローする。これで準備は完了だ。
じゃんけんで先攻・後攻を決めたら、まずは先攻プレイヤーの「スタートフェイズ」へ。相手の怪獣カードを見て、等級(※左上のローマ数字)と同じ枚数だけカードを引くことができる。ゲーム開始時はお互いIのため、1枚ドローとなる。なお、前のターンに自身が使用した戦略カードや怒りカードは、この時点(スタートフェイズ)でリフレッシュされることも覚えておこう。
次にメインフェイズへ。このフェイズにできることは大きく分けて次の5つ。これを好きな順番で行うことができる。行動によっては回数が定められているものもあるため、オーバーしないよう気を付けよう。
・交戦カードの出現(1ターンに何回でもOK)
・戦略カードの使用(1ターンに2回まで)
・ゴジラの進攻(1ターンに1回まで)
・怪獣カードの出現(1ターンに1回まで)
・怒りを得る(1ターンに何回でもOK)
「交戦カード」の出現は、相手のゴジラがいるエリア以下の等級のカードのみ使用可能となっている。先攻1ターン目であれば、相手のゴジラはエリア1にいるため等級1以下のカードのみ使用可能となる。次ターン以降は相手のゴジラの進攻具合によって使えるカードが変化するので、間違えないように注意。なお、出現させるエリアは自身が自由に選んで良いことになっている。
▲最初のターンは、ちょうど手札にあった等級1の「新生丸」をエリア3に配置。これでこちらは撃退力1000を得たことになるが、相手の脅威度6000のゴジラを倒すにはまだまだ交戦カードが必要だ。
次に、「戦略カードの使用」について。こちらは、自分のゴジラがいるエリアの等級以下のカードが使える。使用した戦略カードは戦略カード置き場①、②に配置され、次の自身のスタートフェイズまで効果を発揮する。
▲自身の怪獣カードと同じ縦列にいる相手の交戦カードを破壊できる「放射熱線」など、非常に強力な効果を持ったものが多い。
相手のゴジラに進攻されるほど交戦カードが使いやすく、自身のゴジラが進攻しているほど戦略カードが使いやすくなると覚えておこう。
「ゴジラの進攻」は、宣言と共にいずれかのカードを捨て札にすることで行える。これにより、カードの下側に書かれた足跡マークの数字だけ怪獣カードを進めることができる。この際、進攻するエリアに交戦カードが置かれていた場合、破壊され捨て札となってしまうので注意。まさに敵味方関係なく全てを踏みつぶしていくゴジラらしい表現となっている。
▲今回の体験会では、足跡1~2のカードが確認できた。なお、ゴジラの進攻は1ターンに1度のみとなっている点に注意。
「怪獣カード」の出現は、自分のゴジラに同じ等級の怪獣カードを重ねる行為。怪獣カードを出現させることで、登場時の効果を発動したり、特殊な効果を持ったゴジラにすることができる。また、ゴジラには脅威度が設定されており、これを上げる目的で出現させることもあるだろう。
▲怪獣カードの出現も1ターンに1回のみとなっている。
最後に、「怒りを得る」について。怪獣カードを捨てた枚数分、怒りカードを獲得できる。怒りは1枚で脅威度+5000となっており、次の自身のスタートフェイズまで有効となる。
▲例えば、このターンこちらは怒りカードを4枚得ているので脅威度+20000となる。
これらの行動を思う存分に行ったら次の「撃退フェイズ」へ。ここでは、相手の怪獣カードの“脅威度”と、こちらの交戦カードの“撃退力”を比較し、相手の怪獣の脅威度以上になっていれば撃退成功となる。
しかし、流石はゴジラ。1度撃退されただけでは倒れず、より強力になって帰ってくる。怪獣カードが撃退された側は、怪獣デッキから次のローマ数字が書かれた怪獣カード(※1度目ならII)を重ねて出現させる。こうしてIVのゴジラを撃退することに成功すれば、勝利条件のひとつである「撃退勝利」の達成となる。しかし、倒せば倒すほど相手のゴジラの脅威度は上がっていくので、簡単には撃退できなくなるだろう。
▲ゲームが進むほどお互いに怪獣カードや交戦カードをたくさん出せるので盤面も溢れるほどに。しかし、カードが破壊される凄まじいので出しては破壊されの応酬となる。
また、この際に撃退された側のゴジラがエリア6以降にいる場合は矢印の向きに従って怪獣カードが後退する。3回までは撃退されても負けないが、自身の進攻には影響があるので撃退されるエリアによっては不利になってしまうことを覚えておこう。
逆に、撃退が失敗した際にはここでは何も起こらず「エンドフェイズ」へ。
エンドフェイズではまず、自身の怪獣カードが自動で1エリア前進する。この際にも、交戦カードが置かれていたら破棄されるので注意。その後、手札が5枚になるように補充し、相手のターンとなる。
これをお互いに繰り返していき、先に勝利条件を満たした方の勝ちとなる。
撃退勝利については先に説明した通りだが、ここでもうひとつの勝利条件である「進攻勝利」について詳しく説明していこう。
進攻勝利は、「ゴジラの進攻」で自身の怪獣カードをエリア8 の先へ進めることで達成できる(※例として、足跡2のカードを捨てればエリア7から一気に進攻勝利を狙うことができる)。この際、相手のエリア8に交戦カードが置かれている場合は、先に何らかの方法で破壊してからでないと進めない。また、エリア8で怪獣カード同士が睨み合いの形となった際にはこれを無視して進攻撃勝利することができる。なお、エンドフェイズ時の自動進攻ではこの条件は達成されない点にも注意が必要だ。
この『ゴジラ カードゲーム』、撃退勝利と進攻勝利のどちらで勝ちを目指すのか、どのタイミングで自身のゴジラを進攻、相手のゴジラを撃退するのか、怒りを得て脅威度を上げる回数など、さまざまなポイントに分岐があるため、戦略性があり非常に面白い!
エンドフェイズにカードを5枚引けるため、基本的には手札をガンガン使ってデッキを回す方が良いと感じたが、次のターンに確実に怒りを得たいのであれば怪獣カードは数枚温存しておくなどの選択も迫られる。また、相手のゴジラを早く撃退するほどターン開始時に引けるカードの枚数は増えるが、大きく後退させられないとまたすぐに進攻されてしまうというジレンマもある。自身のエリア8が空いてしまえば相手に進攻勝利を許してしまうため、ただただ撃退すれば良いというものでもない。勝ち方にさまざまなルートが用意されているという点は、どこかボードゲーム的な楽しさがあるようにも感じられた。この先、カードの種類が増えることで戦略にも幅が広がっていくのが楽しみに思えた体験会だった。
■遊んだうえで『ゴジラ カードゲーム』の気になるところを質疑応答
最後に、質疑応答のコーナーについてもお届けしていく。
Q.『ゴジラ カードゲーム』の企画が立ち上がった経緯について教えてください。
A.元々は東宝が2019年に、映画だけでなくIPにも力を入れていこうという意図で「ゴジラルーム」が立ち上がりました。そこでは、フィギュアやアパレルを中心に商品展開しているのですが、70周年を迎えた際に「さらに大きなことを仕掛けたい」ということで検討し、その中から実現可能性を加味した際にカードゲーム化の案が挙がりました。
Q.4月に開催された体験会での客層はいかがでしたか?
A.会場がカードゲームショップだったこともあり、20~30代の男性が中心でした。また、新宿マルイ アネックスには「ゴジラ・ストア Tokyo」があるので、そこで『ゴジラ カードゲーム』の体験会を開催していると聞いたお客様がいらっしゃることもありました。その際はお子様の姿も数多く見られましたね。
Q.ゲーム性については、どういった方向性で開発されたのでしょうか?
A.開発の段階で遊宝洞様から何パターンか案をいただいており、大きく分けると「簡単でとっつきやすいもの」と「やや難しく遊び応えがあるもの」がありました。今、カードゲーム業界がレッドオーシャンであることも考え、簡単に遊べるものではそれほど心に残らないのではないかと思い、遊び応えがある方に舵を切って開発を進めました。
Q.ゴジラをTCGにする際に大切にしたポイントを教えてください。
A.映画の中でも、やはり「ゴジラ」には特別感があるということで、その特別感を如何にカードゲームで表現できるかということを大事にしました。いろんな種類のカードやレアリティがある中で、どうやってゴジラだけを特別なものにするのかに関してはブシロード様と遊宝洞様にご協力いただき、現在の形に落ち着きました。
Q.デッキ構築の際に何か制限はありますか?
A.カードにはそれぞれ色が定められており、リリース時には赤・青の2色がございます。デッキはこの色によって制限されており、混ぜられないようになっております。また、ブースターパック第1弾には、どのデッキにも使える白の汎用カードも存在します。
(取材・文 編集部:山岡広樹)
TM & © TOHO CO., LTD.
©Bushiroad
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803
会社情報
- 会社名
- 東宝株式会社
- 設立
- 1932年8月
- 代表者
- 取締役会長 島谷 能成 / 取締役社長 松岡 宏泰
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 営業収入3131億7100万円、営業利益646億8400万円、経常利益644億5500万円、最終利益433億5700万円(2025年2月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9602