-
![]()
カプコン<9697>は、5月13日、2025年3月期の連結決算を発表、大型新作タイトル『モンスターハンターワイルズ』の投入で第4四半期に大きく業績を伸ばし、2ケタ超の増収増益を達成した。
売上高1696億400万円(前々期比11.3%増)
営業利益657億7700万円(同15.2%増)
経常利益656億3500万円(同10.5%増)
最終利益484億5300万円(同33.4%増)各セグメントごとの状況は以下のとおり。
①デジタルコンテンツ事業 売上高1251億2800万円(前々期比4.4%増)、営業利益651億7200万円(同8.9%増)
今年2月発売のシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』(PS5、Xbox Series X|S、PC用)が、ユーザーからの熱烈な期待に応えるとともに、各種イベントなどによる認知度向上の施策が奏功した結果、全世界で販売本数1000万本を突破し、業績に貢献した。また、リピートタイトルは、『モンスターハンターワイルズ』への期待感の高まりが後押しとなり、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』および『モンスターハンターライズ』が続伸した。これらにより、「モンスターハンター」シリーズの全世界での累計販売本数が1億本を突破するなど、シリーズタイトルのブランド価値向上に寄与した。
そのほか、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図る施策などを行い、『バイオハザード RE:4』などシリーズタイトルを中心に販売した。加えて、前期発売の主力シリーズの大型新作タイトル『ストリートファイター6』について、引き続きeスポーツ展開との連携強化によるブランド認知とユーザー数の拡大を推し進めた。
モバイルコンテンツは、前期に配信を開始した『モンスターハンターNow』が累計1500万ダウンロードを突破するなど、引き続き多くのユーザーの人気を集め、ブランド浸透と価値向上に寄与した。また、昨年6月にグローバルで配信開始した『モンスターハンターパズル アイルーアイランド』が100万ダウンロードを達成した。
②アミューズメント施設事業 売上高227億5000万円(同17.6%増)、営業利益24億3200万円(同30.2%増)
コロナ禍からのインバウンド需要や外出型消費の回復に加え、ユーザーの消費行動に変化が生じつつある状況下、引き続き既存店の堅実な店舗運営や新業態での出店効果などにより来店客数が増加し、収益拡大に貢献した。また、各店舗におけるイベント実施などにより、リアル店舗の魅力の最大化と他事業とのシナジー効果の創出を推進した。当期において、昨年4月に「プラサカプコン 小矢部店」(富山県)、5月に「プラサカプコン 池袋店」(東京都)の新区画をオープンした。加えて、11月に同社人気キャラクターグッズの物販店「カプコンストア アネックス マリンピア神戸店」(兵庫県)や今年2月にカプセルトイ専門店「カプセルラボ 神戸南京町店」(兵庫県)など、合計5店舗を出店するとともに1店舗を閉鎖しで、施設数は53店舗となった。
③アミューズメント機器事業 売上高156億1300万円(同73.1%増)、営業利益67億100万円(同62.8%増)
スマートパチスロのけん引によりパチスロ市場は堅調に推移している環境下、昨年6月稼働の「ストリートファイターV 挑戦者の道」を5000台販売するとともに、10月稼働の「鬼武者3」を1万1000台販売した。加えて、11月稼働の「モンスターハンターライズ」が市場からの高評価を受け、2万1000台販売した。さらに、今年3月稼働の「バイオハザード5」を1万2000台販売し、新機種が収益に貢献した。また、昨年3月発売の「ストライク・ザ・ブラッド」も続伸した。④その他事業 売上高61億1100万円(同45.4%増)、営業利益24億8400万円(同181.2%増)
昨年4月の社内組織統合によりeスポーツとキャラクタービジネスの連携を加速し、同社タイトルのブランド価値向上に向け体制強化を図った。このような体制のもと、eスポーツにおいては、人気タイトル『ストリートファイター6』を用いた「CAPCOM Pro Tour 2024」を6月から世界各地域で開催した。加えて、国内でのチームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」の8月開催を皮切りに、米国、欧州でも同リーグ戦を開催するなど、熱戦が繰り広げられた。さらに、決勝大会である「CAPCOM CUP 11」および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024」を今年3月に両国国技館で開催し、両大会は日本での初開催により耳目を集め、計1万4千人の来場者に加え、オンライン配信においても総視聴数1000万回以上を記録するなど、活況を呈した。これらの施策により、グローバル規模でのeスポーツのさらなる振興を図った。
また、Amazonプライムビデオのアニメシリーズ「シークレット・レベル」において「ロックマン ~始まりの物語~」が昨年12月に全世界で配信された。加えて、「モンスターハンター」シリーズ20周年にあわせた各種イベントやコラボレーション展開の推進など、人気タイトルなどのキャラクターグッズ展開などに注力し、好調に推移した。
さらに、同社ゲーム開発のプロセスなどを展示した「大カプコン展 -世界を魅了するゲームクリエイション」が今年3月から開催されるなど、コーポレートブランドの価値向上に向けた施策を講じた。
-
■今期も2ケタ増収・営業増益を見込む
-
2026年3月期通期の連結業績予想は、以下のとおりで2ケタ増収・営業増益を見込んでいる。
デジタルコンテンツ事業では、5月に『カプコンファイティングコレクション 2』と『鬼武者2』を投入するほか、 Nintendo Switch 2向けに『ストリートファイター6』と『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』を6月に投入する。加えて、『モンスターハンターワイルズ』などのリピートタイトルについても、デジタル販売の強化と販売施策の推進により、収益の最大化と総販売本数の継続的な増加に努めていくとしている。
売上高1900億円(前期比12.0%増)
営業利益730億円(同11.0%増)
経常利益700億円(同6.6%増)
最終利益510億円(同5.3%増) - ※過去12四半期分の四半期業績推移のグラフを追加しました。


会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1696億400万円、営業利益657億7700万円、経常利益656億3500万円、最終利益484億5300万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
