松竹、第1四半期決算は営業益214%増の10億9100万円、最終15億0700万円と大幅営業増益・最終黒字転換

松竹<9601>は、7月15日、2026年2月期 第1四半期の連結決算を発表し、売上高216億5700万円(前年同期比11.2%増)、営業利益10億9100万円(同214.7%増)、経常利益8億7200万円(同2万1700.0%増)、最終利益15億0700万円(前年同期は8800万円の損失計上)だった。

・売上高:216億5700万円(同11.2%増)
・営業利益:10億9100万円(同214.7%増)
・経常利益:8億7200万円(同2万1700.0%増)
・最終利益:15億0700万円(同8800万円の損失計上)

主力の映像事業で映画配給・興行ともに好調に推移したほか、演劇事業も黒字転換した。

 

■映像関連事業

売上高は114億5600万円(同14.5%増)、セグメント利益は4億1600万円(同58.5%増)となった。

配給は、邦画4作品、洋画1作品、アニメ3作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマ等、多様な作品を公開した。12月公開の「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」が引き続き高稼働を維持した。また、「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX」が好調に推移した。ライブビューイングでは、国立競技場での公演「Snow Man1st Stadium Live Snow World」を、全国の映画館へ生中継した。

興行は、「名探偵コナン 隻眼の残像」が興行収入100億円を超える大ヒットとなった。邦画では「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」、洋画では「マインクラフト/ザ・ムービー」等が大ヒットした。また、MOVIX広島駅が3月にオープンし、収益に貢献した。

テレビ制作は、BS放送で「I,KILL」「社畜人ヤブー」「弁護士 六角心平 京都殺人事件簿」を制作した。

DVD・ブルーレイディスク販売は、「うちの弟どもがすみません」「魔法使いの約束」等を販売した。

配信は、U-NEXTで「366日」「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」の独占先行レンタル配信が開始され、好評を博した。テレビ放映権販売では、BS放送で「男はつらいよ」シリーズの4K版が放送した。

CS放送事業の松竹ブロードキャスティングは、編成を強化することにより、新規加入者の獲得に努めた。

 

■演劇事業

売上高は59億9600万円(同8.5%増)、セグメント利益は7400万円(同セグメント損失5億1400万円)となった。

歌舞伎座は、5月の襲名披露興行「尾上菊之助改め 八代目尾上菊五郎襲名披露 尾上丑之助改め 六代目 尾上菊之助襲名披露 團菊祭五月大歌舞伎」が盛況となった。また、3月「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」、4月の「四月大歌舞伎」等、話題に富んだ公演が揃い、好評を博した。

新橋演舞場は、3月の「浪人街」が好成績を収め、4月の「思い出の松竹銀幕セレクション in 新橋演舞場」「『劇場版忍たま乱太郎』シリーズ3作品一挙上映 in 新橋演舞場」、5月の「反乱のボヤージュ」も好評を博した。

大阪松竹座は、3月の「関西ジュニア原石まつり キラキラしとんの気のせいちゃうでぇ~!」、4月の「大阪松竹座 ステージ体験ツアー2025」「春だ!笑いだ!松竹新喜劇 陽春公演」、5月のOSK日本歌劇団OG公演「Forever Dream」「薫風歌舞伎特別公演」等の公演を行った。

南座は、3月の「三月花形歌舞伎」、4月の「浪人街」「南座 春の舞台体験ツアー」、OSK日本歌劇団「レビューin Kyoto」、5月の「舟木一夫シアターコンサート in 南座」「南座 歌舞伎鑑賞教室」等の公演を行った。

その他の公演は、5月に日生劇場で上演した「ミュージカル『ビートルジュース』」が好成績を収めた。巡業は、4月に「四国こんぴら歌舞伎大芝居」、5月に「IMPACT」の公演を行った。また、大阪・関西万博で、「超歌舞伎 〈CHO-KABUKI〉Powered by IOWN『今昔饗宴千本桜 Expo2025ver.』」の公演を行った。

20周年を迎えたシネマ歌舞伎は、シネマ歌舞伎第1作目の『野田版 鼠小僧』から「月イチ歌舞伎2025」の上映がスタートした。

 

■不動産事業

売上高は36億6200万円(同6.5%増)、セグメント利益は14億2800万円(同8.0%減)となった。

不動産賃貸は、安心で安全な環境を提供すると共に、入居テナントとの綿密なコミュニケーションと良好な関係構築に努めることで、歌舞伎座タワーや銀座松竹スクエア、銀座2丁目松竹ビル・同ANNEX等の主要物件が高稼働し、安定収益を確保した。

中長期戦略である東銀座エリアマネジメント活動においては、とまちづくり推進協議会に賛同・入会する企業も新たに加わり、街の賑わい創出イベントを開催する等、地域貢献とエリアの価値向上のための取り組みを一層強化した。

 

■その他

売上高は5億4100万円(同4.6%増)、セグメント損失は300万円(同セグメント損失1億7400万円)となった。

プログラム・キャラクター商品販売は、「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」「裏社員。-スパイやらせてもろてます-」等の作品を中心に収益に貢献した。

イベント・オンライン配信は、TAKANAWA GATEWAY CITYまちびらきを記念し、100年先に繋げたい日本の芸と美をコンセプトとした「高輪松竹亭」を企画・制作した。ゲーム事業では、「MiSide -ミサイド-」「進撃の巨人VR:Unbreakable」等のタイトルが好評を博した。

 

■2026年2月期の見通し

2026年2月期の業績は、売上高950億円(前期比13.1%増)、営業利益31億円(同86.2%増)、経常利益30億円(前期は25億円の損失計上)、最終利益29億円(同6億6400万円の損失計上)、EPS211.08円を見込む。株価収益率は62.3倍となる。

・売上高:950億円(同13.1%増)
・営業利益:31億円(同86.2%増)
・経常利益:30億円(同25億円の損失計上)
・最終利益:29億円(同6億6400万円の損失計上)
・EPS:211.08円

【通期計画に対する進捗率】
・売上高:22.8%
・営業利益:35.2%
・経常利益:29.1%
・最終利益:52.0%

松竹株式会社
https://www.shochiku.co.jp/

会社情報

会社名
松竹株式会社
設立
1920年11月
代表者
代表取締役会長 会長執行役員 迫本 淳一/代表取締役社長 社長執行役員 髙𣘺 敏弘/代表取締役 副社長執行役員 武中 雅人
決算期
2月
上場区分
東証プライム
証券コード
9601
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