
ブシロード<7803> が7月17日に発売された、Nintendo Switch/PlayStation5/Steam向けタイトル『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』。本作は、TVアニメ『HUNTER×HUNTER』を題材に、3対3の熱いタッグマッチが楽しめるシリーズ初の本格2D対戦格闘ゲームである。純粋な力関係のみに留まらない読み合いや駆け引きなど、奥深い“念”でのバトル・世界観がどのようにゲームで表現されているのか、実際のプレイ体験をもとに本作の魅力を深掘りし、開発の方向性や演出面にまで迫ってみたい。
『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』を彩る7つのモードを紹介!
まず本作には、以下の7つのモードが用意されている。
・オンライン:ネットワークに接続して、全世界のプレイヤーと対戦できる。
・フリーバトル:プレイヤー同士での対戦や、CPUとの対戦を行える。
・トレーニング:指定した状況下での練習を通してバトルの腕を磨くモード。
・シングル:CPUとの対戦や、コンボの習得など1人用のモードが用意されている。
・リプレイ:過去に行った対戦のリプレイを閲覧/管理できる。
・コレクション:プロフィールを編集したり、特典を閲覧するモード。
・ストーリー:チュートリアルや、CPUとの対戦を通して原作を追体験するモード。
メインになるのは、やはり「オンライン」でのランクマッチであるため、普段から格闘ゲームに慣れ親しんでいる方は、いきなりここに飛び込んでしまっても良い。
しかし、筆者のように『HUNTER×HUNTER』は大好きだけど、格闘ゲームはちょっと苦手という方はまず「ストーリー」から始めることをオススメする。ここでは、TVアニメ『HUNTER×HUNTER』のシナリオを追体験しながら、基本的なゲームの操作方法を学ぶことができる。各ステージにはミッションも用意されており、クリアすることで報酬を得られるので遊び応えも抜群だ!
▲攻撃やガードなど、基本的な動き方から学ぶことができるので格闘ゲームが初めてという方にもオススメ。
一方、物語の内容はダイジェストになっているため、あくまでもTVアニメを見た人向けに感じた。知らない人向けにも導入としては興味をそそる内容となっているので、まだ『HUNTER×HUNTER』を観たことがないという人は、これを機にぜひアニメもチェックしてほしい。
▲シナリオは要所を掻い摘んだものとなっている。ゴンとヒソカが対峙するハンター試験に始まり、クラピカvs幻影旅団、ネテロvsメルエムなど、人気シーンのキャラクターを実際に自分で操作できるのは非常に感慨深い。
そのほか、「シングル」には全31ステージを勝ち抜く「天空闘技場」や決められたお題に沿って1回のコンボで相手を撃破する「コンボトライアル」など、さらに細かく多彩なモードが用意されている。一方、「トレーニング」では対戦相手の動きや各種ゲージを自由に操作しながら練習ができるため、ここで自分なりのコンボを研究してみるのも良いだろう。
▲「シングル」や「トレーニング」は、オンライン対戦の前に実戦で操作に慣れておきたいという人にオススメだ。
また、「コレクション」では獲得した称号やアイコンをプロフィールにセットすることが可能。G.I.(グリードアイランド)に登場するカードをバインダーに集められるのもファンにとっては嬉しい収集要素となっている。
▲カード化限度枚数まで再現されているのは芸が細かい。全てのカードを集めたとき何が起きるのか……。ぜひ自身の目で確かめてほしい。
原作の“芯”を突いた再解釈──ファンの心を掴む演出力
さて、ここからは実際のバトルもチェックしていこう。先に述べた通り、本作は3対3のチーム戦となっている。控えのキャラクターはアシストアタックやスイッチ(交代)で登場し、先に相手チームの全てのキャラクターの体力を削り切った方が勝ちとなる。
▲リリース時に使用可能なのは16キャラ。ここにDLCで今後、続々とキャラクターが追加されていく。既に、第1弾としてキメラアント編に登場した王直属護衛軍「ネフェルピトー」が発表されており、2025年秋の配信を予定している。

▲モラウ、ゲンスルー、フェイタンのチームなど、TVアニメでは見られないトリオで組めるのもゲームならではの要素となっている。

▲ピンチの際や追い打ちを掛けたいときに控えのキャラをアシストアタックで呼び出すことが可能。もう一度ボタンを押せば、そのままスイッチ(交代)することもできる。ただし、アシストアタック中のキャラクターは受けるダメージが1.5倍となってしまう点に注意しよう。
バトルでは、格闘ゲームではお馴染みの弱・中・強攻撃のほか、キャラクター固有の技が放てる「アーツ」や、相手の攻撃を跳ね返す「ネンスタンス」といった要素がある。「アーツ」では、オーラを集中させた後、他のボタンとの組み合わせによってさまざまな技へ派生する。
各キャラクターには、ファンなら思わず唸るようなアニメーション演出が随所に盛り込まれており、スキル発動時の一瞬に“原作の熱”が凝縮されているような印象を受ける。これは単なるエフェクト演出の話ではなく、キャラクターの性格・背景・念の成長段階までもが考慮されている点で再現度が素晴らしい。
▲「アーツ」によってゴンの「ジャジャン拳」やキルアの「落雷(ナルカミ)」など原作でも人気の技が使用可能となっている。
さらに、「ネンスタンス」と「アーツ」ボタンを組み合わせることで、ゲージを消費して放つ強力な必殺技「オーラアーツ」も使用できる。ネテロの「百式観音・零の掌」や、ウボォーギンの「超破壊拳(ビッグバン・インパクト)」など、特大の一発をお見舞いするチャンスだ!
▲「オーラアーツ」発動時には、各キャラクターに豪華な演出が加わっているのも嬉しいポイント。
TVアニメで活躍した超強力な技をボタン一つで発動できるのは嬉しいが、格闘ゲームにはコンボが付き物。激しいアクションゲームに慣れていない人からすると、ちゃんと技を当てられるのか不安にもなる人もいるだろう。しかし、本作ではそういった心配も無用!「ラッシュボタン」を押しながらボタンを連打するだけで自然とコンボが繋がってくれるという仕組みが導入されている。これにより、細かいコマンドやボタンの組み合わせも必要なく、強力なコンボを繰り出すことができる。連打するボタンによって3通りのコンボが用意されているが、ゲームに慣れてきたら「ラッシュコンボ」にこだわらず自分なりのコンボを探すのも楽しみのひとつとなっている。
▲ラッシュコンボ完走時にゲージに応じた「オーラアーツ」を発動できる。コンボはいつでも中断可能なため、「オーラアーツ」は温存する、などの選択肢も取れるようになっている。
多彩な要素により、単純なアクションだけでなく、各キャラクターの特性を活かした戦い方ができるのは正にTVアニメさながら。冒頭に述べた読み合いや駆け引きが重要な“念”バトルが見事にゲームに落とし込まれていることが伺えた。
総評──“キャラゲー”の枠を超えた本格2D対戦格闘ゲーム
『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』は、キャラクターが魅力的であることはもちろん、そのゲーム性にも注目したい点がたくさんある。3体3による対戦形式のため、苦手な相手を一手に引き受けない押し引き、“念”でのバトルを軸にした戦略性、作品愛に溢れた演出など、『HUNTER×HUNTER』好きならワクワクすること間違いなしだろう。
今後のアップデートでは、さらなるキャラクターの追加も予想されており、「長く遊べるキャラゲー」としての地位を確立する可能性を大いに秘めている。今後の展開からも目が離せない。
(文 編集部:山岡広樹)
■『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』
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会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高561億7500万円、営業利益48億6800万円、経常利益48億4400万円、最終利益34億1800万円(2025年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803







