ガンホー、ストラテジックキャピタルが臨時株主総会を請求…森下一喜社長を批判、解任を求める

  • ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、7月23日、アクティビスト(物言う株主)ファンドとして知られるストラテジックキャピタルから臨時株主総会招集請求に関する書面を受領したことを発表した。臨時株主総会の目的は、 定款一部変更(取締役解任決議要件を加重する条項の削除)と代表取締役社長の森下一喜氏の解任だという。ガンホーはこの請求に対する対応方針について、請求の内容を慎重に検討の上、決定次第開示するとしている。

    なお、ストラテジックキャピタルは、臨時株主総会の書面を公開した。ガンホーの株価パフォーマンスは、ゲーム大手を下回っており、業績についても営業利益が凋落を示唆しているとし、森下氏に経営者として責任を負うように求めた。そして「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」に続くヒット作を生み出せていない状況についても、経営者である森下氏が他のゲームクリエイターではない「一発屋」のゲームクリエイター、つまり森下氏自らにゲーム開発の全権を与えたことに起因するとも指摘した。

    また、市場からの期待も失っているとも述べている。ガンホーの時価総額は、2025年6月末時点で1496億円であるのに対して、同年3月末時点でガンホーが保有する現預金は1366億円と時価総額の約9割に相当する。ガンホーの時価総額のほとんどは、現在保有する現預金の価値に過ぎないとし、森下氏は、ガンホーに対する市場の期待を失わせ、株主価値を毀損してきた責任があると批判した。

    続けて森下氏は取締役として不適格であり代表取締役社長としても自覚に欠けることもあげた。

    ・この10年間で森下氏の報酬は2億1100万円から3億2900万円に増額されていること
    ・業績貢献に乏しく株主価値向上に寄与していないタイトルについて採算やユーザー獲得の観点からヒット作であると主張していること
    ・開発に専念するため、との理由で第2位の株主であるストラテジックキャピタルとの面談を拒否し続けていること
    ・「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について、具体的な対応方針を開示していないこと

    最後に社外取締役についても、独立性のある社外取締役の数(2名)を全取締役数(10名)の3分の1未満とした取締役会構成に対して責任があるとも指摘した。そして社外取締役の独立性に関しても疑義を呈した。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
http://www.gungho.co.jp/

会社情報

会社名
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
設立
1998年7月
代表者
代表取締役社長CEO 森下 一喜
決算期
12月
直近業績
売上高1036億円、営業利益174億9100万円、経常利益200億1300万円、最終利益111億7100万円(2024年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3765
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