バンダイナムコHD、香港子会社BANDAI LOGIPALで不正行為…元従業員が取引先と共謀して5億円を不正詐取

バンダイナムコホールディングス<7832>は、この日(7月25日)、香港子会社であるBANDAI LOGIPALの元従業員による約5億円の不正詐取行為が判明したと公表した。この不正行為は、2021年から2023年にかけて元従業員が取引先などと共謀して行われたもので、2023年9月の内部監査で発覚した。現在、刑事・民事双方で法的措置が進められているという。

同社によると、不正行為の発覚後、BANDAI LOGIPALは現地捜査当局に通報し、2024年1月16日に当該元従業員は逮捕された。現在も捜査が継続されており、さらに、2024年3月18日には当該元従業員に対する民事訴訟も提起されている。

この件を受けて、当該元従業員を2024年1月16日付で懲戒解雇した。また、不正行為に対する管理監督責任を明確にするため、BANDAI LOGIPALの取締役3名が社内規程に基づき処分した。さらに、同子会社の親会社であるバンダイロジパルにおいても、代表取締役を含む常勤取締役4名の報酬が2024年4月より3か月間30%減額、常勤取締役2名の報酬が同期間15%減額となる処分が実施した。

再発防止策として、バンダイナムコグループは、グループ行動規範の遵守とeラーニングなどを通じたコンプライアンス意識のさらなる徹底を図るとともに、BANDAI LOGIPALにおける業務フローの見直しとチェック体制の強化を行っている。加えて、当該子会社の親会社であるバンダイロジパルには、海外子会社を管理する新たな部門が設置され、再発防止に向けた取り組みが進められている。

この不正行為がバンダイナムコグループの2026年3月期の業績に与える影響は軽微であるとされている。

なお、参考情報として、不正行為が行われたBANDAI LOGIPALは、バンダイロジパルが100%出資する香港子会社で、玩具などのフォワーディング業務や物流管理事業を行っている。また、その親会社であるバンダイロジパルは、バンダイナムコホールディングスが100%出資する子会社であり、物流事業や通関業などを手掛けている。