
バンダイは、携帯型デジタルペット「たまごっち」の累計出荷数が2025年8月に1億個を突破したことを発表した。「たまごっち」は、1996年の発売から赤外線通信(2004年)、カラー液晶(2008年)、タッチ液晶(2021年)、Wi-Fi機能(2023年)の搭載など、時代に合わせた全38種類の機種を販売し、現在では50カ国以上の国と地域で展開されている。特に、1997年に海外で販売されていた「TAMAGOTCHI」を逆輸入した「Original Tamagotchi」や、2025年7月に発売したばかりの最新機種「Tamagotchi Paradise」の販売が好調に推移したことが、今回の1億個突破に大きく貢献した。
■初代たまごっちブーム:わずか8ヶ月で1000万個販売の快挙
1996年に日本で販売が開始した「たまごっち」は、翌年5月にはアメリカで英語版「TAMAGOTCHI」が発売され、瞬く間にカナダ、ヨーロッパ、日本を除くアジアなどへと広がり、世界的なブームを巻き起こした。日本では「購入できない」という問い合わせが1日に1万件を超えるほどの人気ぶりで、海外でも同様に大きなブームとなった。ニューヨーク最大の老舗玩具店「FAOシュワルツ」のフラッグシップストアでは、発売から24時間で1万個を販売。発売からわずか8ヶ月で国内外累計1000万個を販売するという、玩具業界の常識を覆す大ヒットを記録した。
■海外比率50%以上!世代・国境を超えて愛されるIPへ
たまごっちの国内外累計出荷数1億個のうち、海外への出荷数が50%以上を占めており、日本の49%に続き、アメリカが33%、ヨーロッパが16%、日本以外のアジアが2%と、海外からも強い支持を得ている。現在のたまごっちブームは日本だけでなく海外でも同様に、初代たまごっちブームを経験した層の「懐かし需要」を捉え、さらには親子2世代で楽しむ姿も見られるなど、ワールドワイドで愛されるIP(知的財産)として定着している。
■たまごっち1億個突破の軌跡
たまごっちは1996年の発売当時、2年半で4000万個を販売したが、ブームの収束により一時販売を休止していた期間もあった。しかし数年後、小学生たちが初代たまごっちで遊んでいるという話を聞き、"ペット育成遊びは普遍的な面白さがある"と確信。2004年には赤外線通信機能を搭載した「かえってきた!たまごっちプラス」と「祝ケータイかいツー!たまごっちプラス」を発売した。通信機能によりユーザー同士のコミュニケーションが活性化し、小学生を中心に流行。1年間で約500万個を販売する再ヒットとなった。
その後も時代の流れに合わせ様々な機能を搭載した機種を販売してきたが、国内外累計出荷数1億個突破へさらに出荷数を押し上げることになったのが、2018年より販売を開始した「Original Tamagotchi」。有名なファッションブランドとも多数コラボし、豊富なデザインバリエーションで展開したことが若年層を中心に受け入れられ、昨今の"平成レトロブーム"も追い風となり、シリーズ累計1152万個を販売している(2025年7月末時点)。最近では、推し活アイテムとして推しのカラーのたまごっちを服やカバンにつけるZ世代も多く見られ、玩具の枠を超えた広がりを見せている。
■CTO 辻 太郎氏(バンダイ常務取締役)のコメント
バンダイナムコグループ全体でたまごっち本体から関連商品を含めたキャラクター戦略を担当するCTO(チーフたまごっちオフィサー)の辻太郎氏(バンダイ常務取締役)は、「これまで、世界中の方々にお迎えいただき、1億個以上のたまごっち本体をお届けすることができました。それぞれ大切にお世話頂き、日々愛情を受けながら成長しているたまごっちたちのことを思うと、大変うれしく、また、大変ありがたく感じています。たまごっちシリーズは来年30周年を迎えます。これからも『人々の心に寄り添うペット』として、たまごっちたちと過ごす毎日で、たくさんの笑いとよろこびを皆さまに届けられるとうれしいです」とコメントしている。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイ
- 設立
- 1950年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 竹中 一博
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1491億5500万円、営業利益122億4100万円、経常利益134億4600万円、最終利益99億4700万円(2023年3月期)