HEROZ、物流システムエンジニアリングを手掛けるAPTと業務提携 AIを活用した次世代倉庫オートメーションシステム「WXS」の開発に着手

HEROZ<4382>は、物流システムエンジニアリングを手掛けるAPTと業務提携したことを発表した。

同社が将棋AIなどで培ってきた独自のAI技術と、APTが持つ物流現場の知見を融合させることで、人手不足やオペレーションの複雑化といった物流業界に存在する課題の解決を目指す。

業務提携の一環として、AIを活用した次世代倉庫オートメーションシステム「WXS(Warehouse Cross System)」の開発に着手する。「WXS」とは、従来分断されていた倉庫システムを一気通貫で統合し、物流現場における生産性向上や柔軟性の強化、TCO(総保有コスト)の削減を実現する全体最適型のソリューションとなる。

■業務提携概要

APTの倉庫ソリューションとHEROZのAI解析技術を組み合わせることで、搬送経路や作業動線の最適化を実現し、顧客企業の業務改善に貢献するとともに、物流領域における新たなAIの社会実装を目的としている。

物流領域ではDX・AI活用が加速しているが、APTはマルチメーカー対応や制御・更新までを柔軟かつ一貫して支援できる点が強み。これにHEROZの最適化AIを組み合わせることで、差別化された物流倉庫運営における「全体最適AIソリューション」の提供が可能となり、顧客に対して競争力の高い提案を行っていく。

■「WXS」の開発背景

「WXS」とは、従来のWMS(倉庫管理システム)、WCS(倉庫制御システム)、WES(倉庫実行システム)が個別に担っていた機能を統合し、倉庫全体のオペレーションをAIが一元的に管理・最適化を目指す次世代の倉庫オートメーションシステム。物流業界では、人手不足やオペレーションの複雑化、総保有コスト(TCO)削減といった課題が顕在化している。従来の倉庫管理システムでは、WMS(倉庫管理システム)、WCS(倉庫制御システム)、WES(倉庫実行システム)が個別に運用されることが多く、全体最適化が困難な状況にあった。

このような課題に対し、物流システムエンジニアリングに強みを持つAPTと、AI技術を様々な産業に展開してきたHEROZが協業。両社の技術と知見を組み合わせることで、倉庫運営の新たなソリューション開発に取り組んだ。

■「WXS」の目指す役割

・全体最適化
HEROZのAI技術を活用し、倉庫全体の生産性が最大化されるような人やロボットの動き、作業の割り当てを計画・指示

・自律的な判断支援
固定的なルールに基づく運用から脱却し、AIが日々の実績データを学習することで、変化する状況に応じた最適な判断の支援

・生産性向上
システム間の連携ロスをゼロにする「一気通貫」構造により、倉庫全体のスループットを最大化

・柔軟性の強化
新しいマテハンの追加や業務プロセス変更に迅速かつ低コストで対応可

・TCO(総保有コスト)の削減
システム運用・保守のコストを一本化し、サイロ化による無駄な改修費用を削減

■今後の展望

HEROZとAPTは、倉庫内で発生するあらゆるオペレーションデータ(在庫量・人員配置・作業進捗・設備稼働・エラー発生・異常傾向)を、リアルタイムに収集・統合・解析し、意思決定が自律的に行える倉庫の実現を目指す。また、倉庫内にとどまらず、仕入・配送・販売チャネルとの接続を進め、エンド・ツー・エンドでの最適化を実現する。

HEROZ株式会社
http://heroz.co.jp/

会社情報

会社名
HEROZ株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役Co-CEO 林 隆弘/代表取締役Co-CEO 髙橋 知裕
決算期
4月
直近業績
売上高59億2900万円、営業利益3億600万円、経常利益2億2800万円、最終損益1億7700万円の赤字(2025年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4382
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