ボルテージ<3639>は、9月18日、資本コスト・収益力・市場評価の改善目標と取組方針を決定した。事業ポートフォリオを「アプリ中心」から「電子コミック・コンシューマーゲームを含む三本柱」へ転換するなか、業績回復を最優先課題と位置づけているという。黒字転換したものの、収益性不足が市場の評価を抑えていると分析しているとのこと。業績回復を達成したうえで安定配当の実現を目指す、とした。
■成長戦略の前提と資本コストの位置づけ
事業ポートフォリオを「アプリ中心」から「電子コミック・コンシューマーゲームを含む三本柱」へ転換しており、今後の大型投資には市場からの資金調達が必要となるため、投資家が期待する資本コスト(7~8%)を意識し、持続的なリターン確保と株主価値向上を目指す。
■ 目標、及び改善に向けた方針
当面はROIC・ROE5%、PBR1倍以上を目標とし、中長期的にはさらなる資本効率向上を目指す。最優先課題は、新事業ポートフォリオの推進による業績回復と考えている。
■現状評価・分析(2025年6月末基準)
営業利益の黒字化によりROIC・ROEはプラスに転じたものの、依然として低水準。PBRも0.88倍(2025年8月末時点)と改善は見られるものの、1.0倍未満であり、収益性不足が市場評価の制約要因と認識している。
■改善に向けた具体的な取組みと進捗
【ファンダム戦略】
アプリ事業の採算性向上により2025年6月期は黒字転換を達成。今後は売上拡大を優先しつつ、新分野への投資とアプリの再成長を図る。
【ヒットIP戦略】
コンシューマ分野でのヒットIP創出が進展し、2025年6月期の新分野売上比率は10.2%に上昇し、成長ドライバーとなっている。
【財務戦略】
自己資本率は78.3%と適正水準を維持し、資本効率向上に努めている。投下資本を適切に管理し、収益性の高いプロジェクトへの集中投資を進めている。2025年1月には役員を対象にストックオプションを発行した。
【人的資本への投資】
新分野への人的リソース再配分を加速し、リスキリングを推進している。
【株主還元の推進】
配当性向20%以上を目標としているが、今期は最終利益が僅少のため無配とした。業績回復とともに安定配当の再開を目指す。新コンテンツデザインの金券による株主優待を継続している。
【IR、PR活動の強化】
決算説明会の継続実施や情報更新、個人投資家への積極的な情報開示と対話促進に努めている。個人投資家が魅力的な投資対象として認知・評価できるよう、PR活動を強化している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ボルテージ
- 設立
- 1999年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 津谷 祐司
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高28億1800万円、営業利益1400万円、経常利益1700万円、最終利益1300万円(2025年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3639