
Cygamesは、本日(11月6日)、研究部門であるCygames Researchと国立大学法人東京藝術大学(以下、東京藝術大学)の2者によるゲーム制作およびゲームAI開発ツールに関する共同研究を開始したことを発表した。
■研究概要
本件は、ゲームにおいて仮想空間全体を表現するための映像表現と、その空間内で自律的に行動するNPC(Non-Player Characters)を制御するゲームAIという2つの要素に着目した共同研究となる。
具体的には、Cygamesが東京藝術大学の学生によるゲーム制作やパブリッシングについて専門的知見を提供する一方で、東京藝術大学は映像表現やゲームAIに関する専門的知見をCygamesに提供する。また、NPCの制御に関するツールとして、生成AIの一種であるLLMを活用したライブ・プログラミング環境の共同開発を行う。
これらの取り組みを通して、独創的で芸術性の高いゲーム作品を世界に届けるとともに、将来的に芸術分野のアーティストがゲーム開発に取り組みやすい環境の構築を目指していく。
※LLM(Large Language Model)…大規模言語モデル。テキストデータの生成など自然言語処理に特化したAIモデルの一種。
▼東京藝術大学 大学院映像研究科長 桐山 孝司氏コメント
2026年4月の大学院映像研究科ゲーム・インタラクティブアート専攻の開設に先立ち、このたびサイゲームスと共同研究を開始することには大きな意義があります。現在、芸術においてもAIは不可欠な存在になっています。特にゲームに代表されるデジタルアートの分野では、AIが組み込まれることで作品自体が新たな段階のインタラクティブ性を持つ可能性があります。また生成AIは制作プロセスにも大きな影響を与えています。 従来は小規模のチームでは全ての面をカバーできなかったのに対して、生成AIが制作自体を変えることで、一人や少人数でも大きな力を発揮することが考えられます。このような時期において、AIをはじめ先進的な情報技術を用いて何を表現するかはますます重要になります。サイゲームスとの共同研究により、ゲームの諸分野においてもまだ探索されていない領域を開拓することで、新たな表現を展開していくことを目指します。
▼Cygames Research 所長 倉林 修一氏コメント
このたび、東京藝術大学大学院映像研究科と、ゲーム制作およびゲームAI開発ツールに関する共同研究を開始しました。学生・卒業生の皆さまによる作品制作とパブリケーションの「実践」、そして表現者の創造活動を支えるゲームAI/生成AIの「研究」を両輪に、ゲームというメディアの新たな可能性を探求してまいります。Cygames Researchではこれまで、ゲーム表現やインタラクションに関する計算機科学の研究を通じて、創造を支える技術の開発に取り組んできました。今回の共同研究は、生成AI時代におけるコンテンツ制作を支援する技術を、アートとテクノロジーの対話から生み出すための新たな研究体制の構築を目的としています。本取り組みを通じて、クリエイターが自由に発想し、プレイヤー体験をより豊かにするためのAIツール群の研究開発を推進します。「最高のコンテンツを作る会社」として、東京藝術大学の皆さまとともに、世界に新しい体験を届ける挑戦を進めてまいります。
