カプコン、第1四半期のゲーム事業は営業益87%増の375億円 『プラグマタ』250万本超と大ヒット 『バイオ』貢献でリピート過去最高 映像との相乗効果も

 

カプコン<9697>は7月28日、2027年3月期第1四半期の連結決算を発表した。ゲーム事業を展開するデジタルコンテンツ事業は、売上高が前年同期比83.0%増の546億4800万円、営業利益が同87.5%増の375億9700万円と、大幅な増収増益となった。

 

 

業績を牽引したのは、4月に発売した完全新規IP『プラグマタ』と、「バイオハザード」シリーズを中心とするリピート販売だ。

『プラグマタ』は第1四半期だけで251万本を販売。新作タイトルの販売本数は前年同期比222.8%増の255万本に拡大した。また、リピート販売も同59.1%増の2126万本と四半期ベースで過去最高を記録した。

販売本数上位を見ると、『プラグマタ』に加え、『バイオハザード RE:4』が243万本、『バイオハザード RE:2』が142万本、『デビル メイ クライ 5』が129万本、『バイオハザード RE:3』が115万本、『バイオハザード レクイエム』が114万本、『バイオハザード7 レジデント イービル』が101万本、『バイオハザード ヴィレッジ』が93万本、『モンスターハンター:ワールド』が78万本など、旧作を中心に幅広いタイトルが販売を伸ばしている。

 

■新作が過去作を動かす「バイオハザード」の好循環

今回の決算で興味深いのは、「バイオハザード」シリーズにおける新作と過去作の相乗効果だ。

決算説明会の質疑応答で同社は、「バイオハザード」シリーズの好調について、『バイオハザード レクイエム』への関心の高まりを背景にシリーズ作品の販売が伸長したと説明した。

さらに、新たにシリーズに触れたユーザーが過去作品を購入する動きも出ており、「新作とシリーズ作品の販売が相互に伸びる好循環」が生まれているという。

つまり、新作を発売してその販売本数を伸ばすだけでなく、新作を入口としてシリーズ全体の販売を活性化させる構造ができつつある。

実際、第1四半期のリピート販売では「バイオハザード」シリーズが大きく貢献。地域別でも欧米・南米だけでなく、アジア地域でも販売が伸長したという。

カプコンは今後、『バイオハザード RE:ベロニカ』についても、同様にシリーズ全体の販売拡大につなげていく考えを示している。

 

■映像展開もゲーム販売を押し上げる

もう一つ注目したいのが、ゲームと映像の相乗効果だ。

「デビル メイ クライ」では、オリジナルアニメシリーズ『Devil May Cry』シーズン2が好評を博したことを受け、ゲームシリーズの販売も好調に推移。特にアジアを中心に販売が伸長したという。

同社は、こうした動きから「デビル メイ クライ」シリーズの高いブランド力を確認したとしている。

また、映像ビジネスについては、単独で収益を得るだけではなく、IPの認知拡大を通じてゲーム販売に貢献する施策として位置付けている。ゲームと映像の双方でシリーズ展開を進めながら、相乗効果の創出を目指す考えだ。

「バイオハザード」で新作から過去作へ、「デビル メイ クライ」では映像からゲームへ――。今回の第1四半期決算では、カプコンが保有するIPを単発のタイトルとしてではなく、複数の作品やメディアを横断して収益化する姿が改めて浮き彫りになった。

 

■第2四半期以降もリピート販売を重視

第1四半期の販売本数が突出したことで、今後もこの水準を維持できるのかという点について、同社は新作タイトルの発売に加えて、価格施策や映像展開と連動したリピート販売の拡大を図る方針を示した。

実写映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』についても、プロモーション映像に対するユーザーの反応が良好であるとしており、ゲーム販売への影響を注視しているという。最終的には年間販売本数6500万本の達成を目指す。

また、『モンスターハンターワイルズ』については、技術的課題への対応を進めたことで販売が改善傾向にあると説明。超大型拡張コンテンツ『モンスターハンターワイルズ:アセンダンス』の発表や、それに伴う価格施策にも反応が見られたとしている。中長期的には『モンスターハンター:ワールド』を上回る販売本数を目指す。

 

■若年層の取り込みも継続

今回の質疑応答では、若年層の獲得についても説明があった。

カプコンによると、『プラグマタ』や『バイオハザード レクイエム』では20代がユーザーの約半数を占めているという。同社は『プラグマタ』に限らず若年層の獲得に注力している。

具体的には、タイトルごとの特性に応じてゲーム設計やプロモーションを展開。『ストリートファイター6』では、複雑なコマンド入力を必要としない「モダンタイプ」を導入することで若年層の獲得につなげたほか、各国の市場環境に応じたプロモーションや、若手開発者の視点も取り入れながら新たなファン層の開拓を進めている。

単に既存IPの販売本数を積み上げるだけでなく、若いユーザーを新たに取り込み、そのユーザーをシリーズの過去作品や関連コンテンツへと広げていくことも、中長期的なIP価値を高めるうえで重要になりそうだ。

 

■通期計画に対して営業利益47.2%まで進捗

2027年3月期通期については、売上高1522億円(前期比5.5%増)、営業利益795億円(同12.6%増)を計画している。第1四半期時点での通期計画に対する進捗率は、売上高35.9%、営業利益47.2%に達した。

 

同社は第1四半期の実績について、「バイオハザード」シリーズを中心としたリピート販売が好調だったことに加え、『プラグマタ』の販売も想定を上回ったと評価。通期についても、継続的な10%の営業増益を目標としており、年度計画の達成に向けて順調な進捗との認識を示している。

第1四半期だけを見ると、営業利益の進捗率が約半分に達しており、かなり強いスタートとなった。ただし、今後は新作の発売スケジュールに加え、リピート販売をどこまで維持・拡大できるかが通期業績を左右することになる。

その意味では、カプコンが今回示した「新作によって過去作を動かす」「映像によってゲームを動かす」「価格施策によってリピート販売を伸ばす」というIP展開の循環が、第2四半期以降もどこまで機能するかがポイントになりそうだ。  

 

 

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株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1953億6500万円、営業利益752億9500万円、経常利益741億3400万円、最終利益545億8700万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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