Eガーディアン、28年9月期に売上高200億円、EBITDA25億円を目指す中期経営計画…「AIx人」モデルを高度化し高収益体制への転換を加速

 

イー・ガーディアン<6050>は、2026年9月期から2028年9月期までの3カ年を対象とする中期経営計画を策定した。最終年度となる2028年9月期には、売上高200億円、EBITDA25億円を目標に掲げる。2026年9月期の売上高120億円、EBITDA17.5億円の予想数字から3年間で大幅な成長を目指す構えだ。

・2026年9月期:売上高 120億円、EBITDA 17.5億円
・2027年9月期:売上高 150億円、EBITDA 20億円
・2028年9月期:売上高 200億円、EBITDA 25億円

 

同社は本計画を「第二創業期のスタート」と位置付けており、従来の労働集約型ビジネスから脱却し、AIと人の知見を融合した新たな事業モデルへの転換を鮮明にしている。

 

■収益構造改革の柱は「システム・プロダクト化」

成長戦略の中核をなすのが、これまで人手に依存してきたノウハウやデータを、AIシステム・プロダクトとして提供するモデルへの転換だ。現在は売上の約3割にとどまるプロダクト・システム比率を、計画期間中に50%まで引き上げることで、収益性の飛躍的な向上を狙う。

AI開発への投資を積極化し、自社に蓄積された教師データや運用ノウハウを活用。これにより、業務の自動化を進めると同時に、人的リソースをより付加価値の高い領域へと再配置していく。

 

 

■「AI×人」の高度化で差別化

イー・ガーディアンが強調するのが、「AI×人」の進化だ。AIによる自動処理を拡張する一方で、最終判断や感情・文脈の読み取りなど、人でなければ対応が難しい領域は引き続き人材が担う。

この役割を担うのが「BPOコンシェルジュ」と呼ばれるプロフェッショナル集団だ。教師データの収集やAI精度の向上、運用レベルの高度化を担い、AIの処理カバレッジを拡大する「AIチューニング」と組み合わせることで、競争力のあるサービス基盤を構築する。

 

 

■サイバーセキュリティを次の成長エンジンに

中期計画では、サイバーセキュリティ領域を重要な成長分野として位置付ける。法整備の進展やサイバー脅威の高度化を背景に、同市場は拡大が見込まれている。

同社はセキュリティ教育コンテンツの拡充を進めるとともに、グループ会社や提携先との連携を強化。教育コンテンツと新規サービスのクロスセルによる収益化を図るほか、自社開発や業務提携、M&Aを通じた新事業創出にも注力する方針だ。

 

 

■M&Aと積極投資で成長基盤を拡張

成長を下支えするのが、積極的な投資戦略である。BPO、サイバーセキュリティ、テスト、AI関連領域を中心にM&Aを検討し、取得企業に自社のAIノウハウを投入することで収益性改善とシナジー創出を狙う。

キャッシュアロケーションでは、営業キャッシュフロー40億円に加え、110億円の現預金を活用する。M&AやAI開発投資に加え、株主還元も重視し、機動的な資本政策を行う構えだ。

 

 

■「ソーシャル・セーフティ総合プラットフォーム企業」へ

イー・ガーディアンが目指すのは、単なるBPO企業ではない。AIと人の力を融合させ、社会課題の解決に貢献する「ソーシャル・セーフティ総合プラットフォーム企業」への進化だ。

中期経営計画は、その実現に向けた具体的なロードマップとなる。収益構造の転換と成長投資を両立させ、3年後にどこまで存在感を高められるか。第二創業期を掲げる同社の取り組みに注目が集まりそうだ。

イー・ガーディアン株式会社
https://www.e-guardian.co.jp/

会社情報

会社名
イー・ガーディアン株式会社
設立
1998年5月
代表者
代表取締役社長 高谷 康久
決算期
9月
上場区分
東証プライム
証券コード
6050
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