
テレビ朝日ホールディングス<9409>は、新経営計画「START UP テレ朝!! 経営計画 2026-2029」を発表し、その中の施策として「アニメIP倍増計画」を打ち出した。放送局モデルから脱却し、IPを軸にグローバルで戦えるプロフェッショナル集団への移行を目指す方針だ。
■アニメIP展開数を2倍、事業収支は1.5倍へ
同計画では、アニメIPの展開数を現状の2倍に拡大するとともに、アニメ事業の収支を1.5倍に引き上げる目標を掲げた。単なる作品数の増加ではなく、企画・開発から出資、制作、展開までを一気通貫で手掛ける「IP垂直統合型」の体制構築を進める。
■企画から展開まで垂直統合へ
【企画・開発】
テレ朝の強みであるスポーツ、音楽、ライブイベントなどのアセットを活用し、オリジナルIPの開発を推進する。加えて、大手出版社など強力なパートナーとの連携を強化し、原作開発段階から深く関与する体制を整える。
【出資戦略の強化】
製作委員会における事業幹事比率を高め、IPの二次展開を主体的に実施できる立場を確保する。グローバル展開や商品化の窓口を押さえることで、IP価値の最大化を図る。
【制作体制の強化】
制作面では、東映アニメーションやシンエイ動画などとの連携をさらに深化。CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)なども活用し、単なる発注者と制作会社という関係を超えた戦略的パートナーシップを構築する。
【IP展開力の底上げ】
組織再編も視野に入れながらプロデュース機能を強化。製作力、事業力、グローバル展開力、宣伝力を横断的に高めるとともに、グループ会社を含めたアニメ人材の育成にも取り組む。

■「アフタープライム大作戦」との連動
今回のIP戦略は、深夜帯改革「アフタープライム大作戦」とも連動する。深夜アニメ枠を拡大し、ショートアニメを含めた編成強化を進める。制作予算については、グローバル展開や新規事業につながる作品へ優先的に配分。その他の枠では、企画力やアイディア、クリエイター育成に重点を置く。
また、深夜帯コンテンツの評価指標を大きく転換する。従来の「プライム2視聴率」を軸とした評価は2025年度で終了し、今後は配信再生数、番組収支、そして独自指標である「IP力」を重視する。放送視聴率中心の評価から、配信・収益・IP価値を総合的に測る指標へと舵を切る形だ。

■放送局モデルからIPホルダーへ
今回の計画は、放送枠を提供する立場から、IPを主体的に創出・保有し、グローバルに展開する“IPホルダー”への転換を鮮明にするものと言える。
国内アニメ市場が成熟する一方で、海外配信や商品化、ライブイベントなど周辺ビジネスの拡大が進む中、テレ朝HDがどこまで垂直統合モデルを確立できるか。今後4年間の取り組みが、同社の収益構造を大きく左右しそうだ。
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