Ubisoft、26年3月期期決算は売上高21%減の13億9570万ユーロ、IFRS営業損失13億2230万ユーロと減収・大幅な損失計上

Ubisoftは5月20日、2026年3月期通期決算を発表した。売上高は13億9570万ユーロ(前期比21.8%減)、ネットブッキングは15億2510万ユーロ(同17.4%減)となった。新作ラインアップの弱さが響いた一方で、『レインボーシックス シージ』や『アサシン クリード』シリーズなど既存タイトル群は底堅く推移した。
一方で、損益面は大幅な赤字となった。IFRSベースの営業損失は13億2230万ユーロ、Non-IFRS営業損失は10億4470万ユーロを計上。大規模な事業再編や開発計画見直しの影響が表面化した形だ。
同社は今回の決算を「戦略的リセットの開始」と位置づけており、組織改革とポートフォリオ整理を急速に進めている。Tencentとの戦略的取引完了により11億6000万ユーロの資金を確保し、財務負担を大幅に軽減したほか、7本の開発プロジェクト中止、6本の延期を実施。固定費削減も進めており、2022年度以降の累計削減額は3億2500万ユーロに達した。2028年3月までに累計5億ユーロ規模の削減を目指す。
人員面でも構造改革を進めており、2026年3月末時点の従業員数は1万6590人と前年から約1200人減少した。もっとも、同社は「シニア人材の離職率は低水準を維持している」と説明している。
主力ライブサービスは引き続き堅調だった。『Tom Clancy’s Rainbow Six Siege』はMAUが1000万人を超え、年間アクティブユーザー数は3000万人超に拡大。3月のピークDAUは2020年以来2番目の水準となった。『The Division 2』も10周年施策やロードマップ更新が奏功し、通期ネットブッキングは前年の2倍超に成長した。
『アサシン クリード』シリーズも年間3000万人超のユニークアクティブユーザーを維持したほか、『Avatar: Frontiers of Pandora』は映画公開効果やアップデート施策を背景に大幅成長を記録。『The Crew Motorfest』『For Honor』など長期運営型タイトルも好調を維持している。
モバイル分野では『Rainbow Six Mobile』『The Division Resurgence』を投入。ただし、会社側は「立ち上がりは緩やか」としており、今後はユーザー層拡大に注力する方針を示した。
また、AI活用も加速させる。生成AIを活用した「Teammates」への投資を進めるほか、品質管理向けボットや、プレイヤー行動に応じて変化するNPC・ゲーム世界など、開発効率化とゲーム体験向上の両面でAI導入を進めているという。
2027年3月期は引き続き厳しい見通しとなる。ネットブッキングは「前年比で1ケタ台後半の減少」、Non-IFRS営業利益率は「1ケタ台後半の赤字」を予想。フリーキャッシュフローも最大5億ユーロの流出を見込む。
もっとも、同社はこれを「底打ち局面」と位置づけている。2028年3月期以降は『Assassin’s Creed』『Far Cry』『Ghost Recon』など大型IPの投入を計画しており、ライブサービス拡大も合わせて収益反転を狙う。2028年3月期にはフリーキャッシュフロー黒字化、2029年3月期には「力強いFCF創出」を見込んでいる。
2027年3月期の注目タイトルとしては、『Assassin’s Creed IV Black Flag』のリメイク作『Assassin’s Creed Black Flag Resynced』を7月9日に投入予定。中国市場を中心に予約は好調に推移しているという。
ユービーアイソフトはここ数年、大型開発費の増加や新作不振、ライブサービス戦略の混乱などで収益性が悪化していた。今回の決算では、その問題を認めたうえで、開発本数の絞り込みや固定費削減を進める「選択と集中」路線を鮮明にした格好だ。短期的には痛みを伴うが、同社は2028年以降の大型IP投入による再成長に賭けている。
会社情報
- 会社名
- Ubisoft Entertainment
- 代表者
- Yves Guillemot
- 上場区分
- パリ証券取引所




