テレビ朝日HD、ABEMAとTELASA、TVerを軸にインターネット事業が急成長…IP領域に並ぶ成長領域に

テレビ朝日ホールディングス<9409>のインターネット事業が大きく成長している。2026年3月期のインターネット事業の売上高は360億8700万円(前の比13.3%増)、営業利益は53億1000万円(同43.6%増)となり、高い利益成長を実現した。TVer関連広告や動画配信事業の拡大が業績を押し上げた。

同社は近年、放送広告依存からの脱却を進めており、ABEMA、TELASA、TVerを軸にインターネット領域を新たな成長エンジンとして育成している。決算資料でも、「コンテンツ開発・展開によりマネタイズ機会を創出し、大きく増収」と説明している。

中でも、ABEMAは収益化フェーズへの移行が鮮明になってきた。サイバーエージェントとの共同事業として展開する同サービスは、ドラマやバラエティ、アニメなどのオリジナル番組が支持を集め、WAU(週間アクティブユーザー)は2200万〜2300万人規模で推移。有料の「プレミアム会員」も増加しており、収益基盤が拡大している。

特にニュース領域では、「ABEMA NEWS」が存在感を強めている。注目度の高いニュースや記者会見、災害情報などをリアルタイム配信しており、会社側は“ライフライン的メディア"として支持が拡大していると説明した。2026年4月には開局10周年を迎え、特別番組や記念キャンペーンも展開している。

定額制動画配信サービスのTELASAも好調だ。KDDIとの共同事業として展開しており、テレビ朝日の番組と連動したオリジナルコンテンツや、“推し活"ニーズに対応したライブ配信などを強化。他社動画配信プラットフォームとの連携も進め、TELASAチャンネル展開などを行った結果、会員数は240万人規模まで拡大した。

無料見逃し配信サービスのTVerも成長が続く。2026年1月には月間ユーザー数4470万人を突破し、2カ月連続で過去最高を更新。コネクテッドTVでの視聴も大幅に増加しており、再生数・視聴時間の拡大に伴ってデジタル広告収入も大きく伸長している。テレビ朝日のTVer関連デジタル広告収入は、2022年度の45億円から2025年度には117億円へ急拡大した。

YouTube領域も拡大している。テレビ朝日が運営するニュースチャンネル「ANNnewsCH」は登録者数490万人を突破。ライブ配信や複数プラットフォーム展開を強化し、ニュースコンテンツのデジタル展開を加速している。

加えて、コアファン向けサブスクリプション事業も好調だ。新日本プロレスの「NJPW WORLD」が堅調に推移するほか、「アメトーークCLUB」「東映特撮ファンクラブ」は過去最高会員数を更新。さらに、「ドラえもんTV」「クレヨンしんちゃんぶりぶりCLUB」など、人気IPを活用した月額動画配信サービスも伸長している。

テレビ朝日HDは、新中期経営計画「START UP テレ朝!!」において、インターネット領域をIP戦略と並ぶ成長の柱に位置付けている。放送局として培ったコンテンツ制作力を武器に、

・ 無料配信(TVer)
・ 定額配信(TELASA)
・ ライブ配信・ニュース(ABEMA)
・ コアファンサービス
・ YouTube
・ IPサブスク

まで多層的な展開を進めており、“テレビ局のデジタル化"を超えた総合コンテンツプラットフォーム化を加速しているようだ。

 

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