【レポート】『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』発売PRイベントで⽥村淳さんが世界チャンピオンに挑戦! 勝つのはヴィランかヒーローか!?


ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、6月16日、都内・時事通信ホールにて『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』発売PRイベントを開催した。

本イベントは、6⽉26⽇に発売される「マジック:ザ・ギャザリング (以下、マジック)」の新セット『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』の発売PRを兼ねたもの。





▲会場には、『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』に登場する象徴的なカードが描かれたパネルや、マーベルのヒーローたちの等身大オブジェと共に撮影できるスポットも用意されていた。

当日は、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの本社から開発担当者が来⽇し、マジックとマーベルの両ブランドによる取り組みについて、開発にかけた思いやエピソードについて話を展開した。

またゲストに、マジック好きで知られるタレントの⽥村淳さんを迎え、昨年⽶国ラスベガスで開催されたプロツアーで優勝したマジックプロプレイヤーの⾏弘賢さんとともに新セットの魅⼒を体験。本稿では、その模様をレポートしていく。

▲会場には実物を触って対戦できるコーナーも用意されており、各々に新カードのコンボや効果を確かめながらプレイを楽しむ来場者の姿が見られた。

■新規カードは600枚以上!コミックの歴史を完全再現した最大規模のセット



イベントが始まると、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのエグゼクティブ・プロデューサーであるアティーナ・フローリッヒ氏、同じくウィザーズ・オブ・ザ・コーストよりシニア・プログラムマネージャーのジョセフ・リース氏(※通訳)が登壇。本セットに関するプレゼンを行った。

学生の頃は、毎週のように本屋へコミックの新刊を買いに行っていたというアティーナ氏。本セットの開発に携われたことで夢が叶ったとコメントし、ホビーショップで同じ棚に並んでいたコミックとマジックが、机の上でも並べて遊べるようになるのが今から楽しみだと熱く語った。


▲エグゼクティブ・プロデューサーのアティーナ・フローリッヒ氏(写真左)と、シニア・プログラムマネージャーのジョセフ・リース氏(写真右)。

『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』には600枚を超える新規カードが収録されており、60年以上に渡るコミックの歴史を余すことなく再現。全てのマーベルファンのために作られたセットで、これまでのコラボ商品と比べても最大規模のボリュームとなっているという。



ここからは本セットの充実した関連商品の紹介が行われた。

●ビギナー・ボックス
キャプテン・アメリカとアイアンマンのデッキが入ったガイド付きのセット。まずはここから始めて、他のカードを追加してデッキを強化していくような楽しみ方もできる。


●ウェルカム・デッキ
こちらも初心者向けの商品で、ゲームを始めるために必要なものが全て揃っている構築済みデッキとなっている。


●ジャンプスタート・ブースター
2つのパックを組み合わせることで、マーベルのカードを使った即興デッキで簡単にすぐ対戦ができる。


●プレイ・ブースター
最もスタンダードで人気の商品。最強のヒーローとヴィランが集結しているので、パックを剥いてカードを集め、お気に入りのキャラクターで夢のチームを結成しよう。


●コレクター・ブースター
プレイ・ブースターの豪華バージョンとなる特別な商品。中身は最高レアリティである「神話レア」カードが満載で、最もプレミアムな仕様のカードが多数収録されている。


●バンドル(Bundle)
プレイ・ブースターが9パック収録されているほか、基本土地や「街の混沌」という特別な基本土地、フォイル仕様のプロモカード1枚、特別なライフカウンター、収納箱など、マジックをプレイする上で必要な周辺製品が一度に揃うセット。


●ギフト・バンドル(Gift Bundle)
マジックのファンだけでなく、マーベルのファンも嬉しいグッズが詰め込まれている豪華セット。プレイ・ブースターや基本土地のほか、コレクター・ブースターも含まれており、ボックスは昔のコミックの仕様をベースにした特別デザインとなっている。


●ドラフト・ナイト(Draft Night)
4人で「ピック2・ドラフト」という遊び方を手軽に楽しむために必要なものが全て同梱されているセット。家族や友達とカジュアルに遊ぶのにぴったりな商品で、勝者のためのコレクター・ブースターも含まれている。


●統率者デッキ
マジックの中でも一番人気のフォーマット「コマンダー(統率者戦)」をすぐに楽しめる構築済みデッキ。マーベルのスーパーヒーローたちの力を持ち込んで、仲間たちとワイワイ楽しみながら多人数戦を繰り広げられる。なお、本商品は「ファイナルファンタジー」の統率者デッキをデザインした人気ゲームデザイナー、ダニエル・ホルト氏が担当している。

・ワカンダは永遠なり
ブラックパンサーとして、ワカンダを新たな繁栄の時代へと導き、ヴィブラニウム製のアーティファクトで力を高めていく。

・アベンジャーズ・アッセンブル
キャプテン・アメリカと共にアベンジャーズを集結させていく。チームに新たなヒーローが加わるたびに、パワーと能力を強化していく戦闘向けのデッキ。

・最後はドゥームが勝つ
ドクター・ドゥームの力を手に入れて大計画を遂行する。大きな能力を使ってヴィランたちを強化するか、戦場にいる全員のライフをまとめて奪い去る凶悪なコントロールデッキ。

・ファンタスティック・フォー
ファンタスティック・フォーと、クリーチャー以外の呪文を駆使して、いかなる困難な問題でも解決していくデッキ。このデッキには、ファンタスティック・フォーのメンバー4人が組み合わさって出来上がる「ボーダーレス・アート」のカードが含まれており、その4人の中から1人を選んで統率者としてプレイできる。

●統率者デッキ コレクターズ・エディション(Collector’s Edition Commander Deck)
統率者デッキのコレクター版。「サージフォイル」という特別な輝きを放つ仕様で、カード100枚が収録されている最上級のプレミアム製品。


●シーン・ボックス(Scene Box)
それぞれ6枚のボーダーレス・シーンカードと、プレイ・ブースターが3パック収録された商品。ヒーローをテーマにしたものと、ヴィランをテーマにしたものの2種類が展開される。


●ヘッドライナーカード コズミックフォイル仕様 《マインド・ストーン》

マーベルファンのために用意された、今回の再注目カード。コレクター・ブースターからごく稀に入手可能となっており、世界に150枚未満しか存在しない。現存するマーベル商品の中でもトップクラスに貴重なコレクターズアイテムとなるだろう。


プレゼンの最後にアティーナ氏は「これまでは(コミックの新刊が発売される)水曜日が一番好きな曜日だったが、このセットを開発してきた4~5年間は、毎週金曜日にマーベルのチームと共に共同で作業をしてきたので、今では一番好きな曜日が金曜日に変わった」と笑顔でコメント。「プレイヤーの皆さんにも私たちと同じくらいこのセットを気に入っていただけたら幸いです」と話してプレゼンを締めくくった。

■開発スタッフは“オタク知識”が必須!? 今後の展開や「インフィニティ・ストーン」の伏線も飛び出した質疑応答

その後の質疑応答コーナーでは、開発時のユニークな裏話や今後の展望も語られた。



マジックの開発に携わっているスタッフは、全員ファンとしての“専門知識アンケート”を受けなければならないという。ここには、テレビ番組や映画、コミック、ゲームなど幅広い領域の設問が用意されており、その人が何のファンで、どれくらいマニアックな専門知識があるのかが厳しく問われる。

アティーナ氏は「自分を超えるマーベルファンは社内にはいないと思っていたが、結果を見るとTOP10にも入れず非常に悔しかった。しかし、その反面、ウィザーズにはたくさんマーベルを愛しているファン(開発者)がたくさんいるということが分かった。だからこそ、本セットにもファンが喜ぶ小ネタや隠し要素、マイナーなキャラクターまで、さまざまな要素を詰め込むことができた」と太鼓判を押した。


▲そんなアティーナ氏が個人的に好きなカードに選んだのは「ピザ犬ラッキー」。このカードを統率者としてプレイするのが最高に楽しいと語った。

また、来場者からはまだ登場していないマーベルのキャラクターもいることから「次回作があるのでは?」という鋭い質問も。これに対し開発陣は、今回はアベンジャーズ等にフォーカスを当てているが、マーベルファンの想いは深く理解しており、今後もマーベルとは良い関係を長く続けていく予定だと回答。近い将来、他のキャラクターもマジックのカードになる可能性はあるので、楽しみに待っていてほしいと答えた。

さらに、作中に登場する6つの「インフィニティ・ストーン」のうち、マジックにはまだ2つしか登場していないことから、「残り4セットを発売する予定なのか」というファンならではの深い質問も飛び出した。これに対しては、「ここで具体的なことを断言するのは難しいが、確かにまだ“インフィニティ・ストーン”は4つ残っていますね」と、今後の展開を期待させるユーモアを交えて回答し、会場を盛り上げた。



■田村淳さん、10年ぶりのMTGに「血がたぎり始めてる」

司会者の呼び込みとともにステージに登場した田村淳さん。かつては自身のラジオ番組でマジックのコーナーを作ったり、対戦相手を確保するために後輩たちに自腹でカードを買い与えていたりしていたというほどの筋金入りの元プレイヤーだ。


▲タレントの田村淳さん。

結婚してから、ここ10年ほどはプレイから離れていたという淳さんだが、今回久々に本物のカードに触れ、「変わらず面白い要素が詰まっている。やればやるほど、どんどんのめり込んでしまうのは間違いない」と淡々と、しかし確信を込めてその魅力を語った。一方で、あまりの面白さに「今またやり始めると、かなりの時間を費やしそう」と、私生活のスケジュールを気にして再びのめり込むべきか本気で悩んでいる様子も見せた。

マジックの魅力について問われた淳さんは、「1ターンごとにカードを引くときのドキドキハラハラ感。手札をどう使って相手を攻略するか、自分のライフがなくなるまでどう戦うかというプロセスは、人生が凝縮されているようで熱くなる」と独自の人生観を交えながら冷静に分析。ブランクを感じさせない深い理解を示していた。

■世界王者・行弘賢さんが登壇、淳さんは「下克上で世界一」を狙う

続いてステージには、世界的なプロプレイヤーである行弘賢さんが登壇。世界の頂点に立つプロとの共演に、淳さんは「僕の周りの(マジック好きの)後輩たちが山ほど羨ましがっている」と笑顔を見せた。


▲マジックプロプレイヤーの⾏弘賢さん。

トークが今回の新セットの印象に及ぶと、2人のプレイスタイルや作品へのこだわりが色濃く現れた。淳さんが「僕は元々(マジックで)黒のカードをずっと使っているので、今回のセットはゲーム性が増して、よりいやらしいところが表現できるデッキになったなと思います。でもその分、やっぱりヒーローたちが大活躍する世界観なので……僕はそのヒーローを“打ち砕く側”として、そこを楽しみたいですね」と、早くもヴィラン(悪役)側に感情移入していることを明かす。

これには行弘さんも大きく頷き、プロ目線から「今回のセットは、とにかく世界観を相当大事にしているという印象です。個々のクリーチャーたちが原作に寄り添った能力を持っていますし、伝説のクリーチャーとしてそれぞれの凄い個性を放っている。その上で、実用的なカードも多く、マジックの様々なフォーマットでの活躍が期待できるなというのが率直な感想です」と評価した。

淳さんが「盤面にヒーローが出てくるだけで、なんかちょっと威圧感があって盛り上がりますよね」と振ると、行弘さんも「正直、さっき裏で実物を確認していたとき、凄くテンションが上がりました。好きなヒーローと好きなマジックの融合ですから、相当盛り上がりますよ」と熱っぽく応じた。



さらに、お気に入りのカードの話題になると、行弘さんは「僕はマーベル作品が結構好きで、一番好きな映画が『アベンジャーズ/エンドゲーム』なんです。だからアベンジャーズ側に感情移入しちゃうんですよね。今回はヒーロー側のカードが“クリーチャー”として再現されているんですが、中でもキャプテン・アメリカが性能的にもキャラクター的にも凄く自分に刺さっているので、ぜひ活躍させたいです」と、ヒーロー愛を語った。

一方、それを聞いた淳さんはヴィランとしての闘志をさらに燃やす。「キャプテン・アメリカが出てくると、マジで威圧感がある。でも、それを打ち砕いた時のヴィラン側の快感がたまらない。なぜか僕はヴィラン側の代表みたいになってますけど(笑)、ヒーローを打ち砕く瞬間……相手から出てきたら嫌なんだけど、それを打ち砕くカードが自分の手元に来たときは最高にテンションが上がりますね」と、不敵なシミュレーションを明かし、対戦前から両者のスタンスがクッキリと分かれる熱い前哨戦となった。

■スーパーヒーロー vs ヴィラン!開発陣も見守る夢の対戦へ

ステージ上に対戦卓がセットされ、いよいよエキシビションマッチの準備が整った。

解説にはかつおぶし石川さんが登壇。大スクリーンに2人の手札が映し出される本格的な試合環境が構築された。さらに、アメリカから来日した開発チームのアティーナ氏、ジョセフ氏も再登壇して2人の対戦を見守った。

対戦直前、淳さんは「もし万が一、僕が世界チャンピオンに勝つことがあったら、その瞬間は俺が世界一ってことでいいですよね? 明日のネットニュースの見出しにしてほしい(笑)」と、記者席に向けて不敵な下克上宣言を放ち、会場を沸かせた。


▲この手のイベントでは珍しく、今回は積み込みなしのガチ対戦。元々マジックを深くプレイしていた淳さんだからこそ実現できた形だ。

行弘さんは事前のトークで語った通り、「キャプテン・アメリカ」を筆頭としたヒーローたちが集結する白の「ヒーローデッキ」を選択。「キャプテン・アメリカの盾カウンターのシステムなど、実用性も高くてテンションが上がります」と太鼓判を押す。

対する淳さんも、愛してやまない黒主体の「ヴィランデッキ」で「ドクター・ドゥーム」や「モードック」らが牙を剥く。宣言通りヒーローを打ち砕くための戦いへと臨んだ。

■【試合展開】世界王者を驚愕させた淳さんのプレイングと、映画さながらの結末

行弘さんが先攻、淳さんが後攻で試合が開始。10年ぶりのプレイとなる淳さんだが、ブランクを感じさせない落ち着いた手つきで土地を並べ、ゲームを展開していく。


▲解説を務めたかつおぶし石川さんが淳さんの横に寄り添い、ゲーム進行やカード効果を教えるサポート役も務め、対戦を温かく支えた。

王者の猛攻を「接死」で牽制!ブランクを感じさせない丁寧な立ち上がり

序盤は行弘さんが《エージェント、マリア・ヒル》で敦さんのライフを削ってヒーローらしく敦さんのヴィランデッキを追い詰めていく。これに対し、淳さんは触れたクリーチャーを必ず破壊する「接死」能力を持ったクリーチャーを展開し、王者の戦線を巧みに牽制。そこに行弘さんが除去カードでしっかりと応戦するという、序盤から見応えのある攻防が繰り広げられた。



世界王者が「想定外!」と絶叫。ヴィランデッキのいやらしい罠が炸裂

試合が大きく動いたのは中盤。遂に行弘さんの盤面に、デッキの主役である《キャプテン・アメリカ》が登場する。しかし、これに負けじと敦さんもキーカードの1枚である《モードック》を召喚。既に盤面に出ていた《バロン・ヘルムート・ジモ》の能力でカードを引き、着実にデッキを回していく。

その後、行弘さんはなんとか脅威となる《モードック》を追放するも、すかさず敦さんが召喚した《大洞窟のコウモリ》の能力によって手札を追放されてしまう。これには世界王者の行弘さんも「想定外。めちゃめちゃ効いてる……!」とリアルに頭を抱える展開に。

淳さんが次々とスーパーヴィランの凶悪なカードを突きつけ、行弘さんのライフをジリジリと一桁まで追い詰めると、間近で観戦していた開発陣からも驚きの声が上がった。



ヒーローの逆襲:これぞマーベル!奇跡のトップデッキ

ライフが2点まで追い詰められ、絶体絶命のピンチに陥った行弘さんだったが、「最後までヒーローを、諦めない心を信じる」と決意のドロー。追放されていた《キャプテン・マーベル》を取り返し、自身のクリーチャーに破壊不能を付与して防御を固めていく。

あと一歩のところで決め手となるカードを引き込みたい淳さんだったが、大事な場面で土地カードが嵩張ってしまい、攻めあぐねる展開に。ここから互いのライフが激しく上下するシーソーゲームへと突入した。

まるでマーベルの映画やコミックのクライマックスを見ているかのような、劇的なドラマが行弘さんの手によって引き起こされる。最終的には世界王者がその圧倒的な勝負強さで淳さんのヴィラン連合をねじ伏せ、激闘に終止符を打った。



■「今日を機に、マジックを再始動します!」

惜しくも大金星を逃した淳さんだが、試合直後の感想戦では「カードゲームは、僕みたいにブランクがあっても、引きが良ければ世界チャンピオンをここまで追い詰められるチャンスがある。どんな状況でも楽しめるゲームだということがお見せできたと思う」と清々しい表情で語った。

行弘さんも「正直、絶対に負けたと思うぐらい追い込まれました。今年一のベストマッチです。この場で二人の物語をしっかりと作れたことが嬉しいです」と、淳さんのハイレベルなプレイングを大絶賛した。



さらに淳さんは興奮冷めやらぬ様子で「こういう経験をすると、あの頃の血がたぎり始める。頭がフル回転している状況が何よりも気持ち良い。僕、今日を機にまたマジックを始めます!」と、本格的なプレイヤー復帰を宣言。

これには行弘さんも「淳さんがまた始められるなら、いつでも気軽にご連絡ください!」と大歓迎。元プレイヤーと世界王者による、熱い再戦の約束が交わされた。

最後に、来日した開発チームからも「マジックの試合というより、まるでコミックや映画を読んでいるかのような素晴らしい展開だった。これだけ熱い戦いになったことが、カードを作る側としてこれ以上ないほど嬉しい」と最大級の賛辞が送られ、イベントは大盛況のまま幕を閉じた。




(取材・文 編集部:山岡広樹)

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