ソニー、映画『MICHAEL』効果でマイケル・ジャクソン楽曲の再生4倍 Z世代にもファン広がる 「今後も末長く聴き継がれていく」

ソニーグループ<6758>は、本日(7月31日)に開催した2026年度第1四半期決算において、音楽分野の営業利益が前年同期比14%増の1059億円となり、第1四半期として過去最高を更新した。このなかで同社は、映画『MICHAEL』の公開が、共同保有するマイケル・ジャクソンの音楽カタログの価値向上につながったことを明らかにした。
決算説明によると、映画『MICHAEL』の世界的なヒットを受け、ソニー・ミュージックグループ(SMG)が共同保有するマイケル・ジャクソンの楽曲は、ストリーミング再生回数が公開前と比べ約4倍に拡大した。
特に注目したのがZ世代による再生の伸びだ。ソニーは「マイケル・ジャクソンの楽曲が新たな若い世代のファンを獲得し、今後も末長く聴き継がれていくことを示している」と説明した。
同社は、ストリーミング市場全体で過去の名曲(カタログ)の視聴が拡大するなか、世界規模でのマーケティングやライセンス展開によってカタログ価値を高める戦略を推進している。さらに今後はAIを活用した新たなライセンス機会の創出にも期待を示した。
一方で、新たなヒット創出も進む。当四半期にはエラ・ラングレイの最新アルバム『Dandelion』が全米ビルボードアルバムチャート1位を獲得し、リードシングルも女性アーティストとして歴代最長の首位記録を更新した。ソニーは「新規アーティストの育成とカタログの両輪で事業基盤を強化していく」としている。
また、通期見通しではBelieve Music Groupの連結子会社化などを背景に、音楽事業の営業利益見通しを前回予想比5%増の4200億円へ上方修正した。アナリスト向け説明会では、陶琳CFOが「音楽カタログは当社にとって非常に重要な戦略」と改めて位置付け、優良なカタログを取得できる機会があれば、さまざまな資金調達手法を活用しながら積極的に投資していく考えを示した。
■「映画」「音楽」「ストリーミング」が相互に価値を高めるソニーのIP戦略
今回の決算で興味深かったのは、映画『MICHAEL』のヒットが音楽事業にも大きな波及効果をもたらした点だ(ただし今回の映画への関与は限定的である)。従来であれば、映画と音楽は別々の事業として語られることが多かった。しかしソニーは、映画公開を契機に音楽カタログのストリーミング再生を伸ばし、その結果としてカタログ資産の価値そのものを高めている。
しかも、再生数が伸びたのは往年のファンだけではなく、Z世代だったという点は象徴的だ。60年近く前にデビューしたアーティストの楽曲が、新作映画を入口に若い世代へ届く。この循環が生まれれば、音楽カタログは単なる「過去の資産」ではなく、継続的に収益を生み出すIPへと変わる。
ソニーがBelieve Music Groupの買収を進め、「音楽カタログは非常に重要な戦略」と繰り返し強調した背景には、こうした事業間シナジーへの強い自信があるとみられる。
ゲームやアニメでもIPを横断展開するソニーだが、今回の決算では「映画が音楽を伸ばし、ストリーミングが資産価値を高める」という、エンターテインメント企業ならではのIP活用モデルが数字として示されたことが印象的だった。
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会社情報
- 会社名
- ソニーグループ株式会社
- 設立
- 1946年5月
- 代表者
- 代表執行役社長CEO 十時 裕樹
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高12兆4796億2000万円、営業利益1兆4475億700万円、税引前利益1兆4223億7400万円、最終利益1兆308億9300万円(2026年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6758
会社情報
- 会社名
- 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)
- 設立
- 1968年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 村松 俊亮/代表取締役社長 グループCEO 岩上 敦宏
- 決算期
- 3月
