
ゲーム・プレイヤー調査を手掛ける独立系スタジオCritFieldは、Steam上のレビュー20万2000件、3111タイトルを対象に、レビュー数とネガティブ評価の関係を分析した調査結果を公表した。
調査によると、ゲームが獲得した累計レビュー数が多くなるほど、レビュー全体に占めるネガティブ評価の割合が低下する傾向が確認されたという。累計レビュー数1000件未満のタイトルでは、ネガティブレビューの割合が25.4%だったのに対し、100万件を超えるタイトルでは11.9%まで低下した。
■レビュー数1000件未満では4件に1件がネガティブ評価
調査では、Steam上でゲームが生涯を通じて獲得したレビュー数を5段階に分類。それぞれのネガティブレビュー比率を比較した。
結果は以下の通り。
累計レビュー数とネガティブ評価率
・1000件未満:25.4%
・1000~1万件:23.5%
・1万~10万件:21.8%
・10万~100万件:17.2%
・100万件以上:11.9%
興味深いのは、1000件未満と100万件以上という両端だけで差が出たわけではないことだ。レビュー数が増えるにつれて、25.4%→23.5%→21.8%→17.2%→11.9%と、すべての階層でネガティブレビューの割合が段階的に低下している。
つまり今回の調査では、「レビュー数が非常に多いゲームだけネガティブ評価が少ない」というよりも、レビュー規模の拡大とともにネガティブ評価のベースラインが徐々に変化していることが特徴となっている。
■「大作だから評価が良い」とは限らない
ただし、今回の結果を「大作ゲームほどプレイヤーから高く評価される」と単純に解釈することには注意が必要だ。CritFieldは今回、レビュー数をゲームの規模や売上、開発費、パブリッシャーの規模、ゲーム品質の代替指標として使用していない。あくまで「そのゲームがSteam上でどれだけレビューを蓄積しているか」を基準としている。
そもそも100万件ものレビューを獲得するゲーム自体が、Steam市場において非常に限られた存在だ。長期間にわたって注目を集め、多数のユーザーを獲得し、継続的にプレイされるなど、さまざまな条件をクリアしたタイトルでなければ、100万件というレビュー数には到達しにくい。
そのため、100万件以上のタイトルと1000件未満のタイトルを比較することは、単純に「同じゲームが大きくなった場合」を比較しているわけではない。巨大なレビュー数を獲得することに成功したゲーム群と、Steam上の多数を占める小規模なゲーム群を比較しているという点が重要になる。
■「ネガティブ率」の見方にも規模という文脈
今回の調査結果から見えてくるのは、Steamレビューを評価するとき、単純なポジティブ/ネガティブの比率だけを見るのではなく、どの程度のレビューを集めているゲームなのかという規模を考慮する必要があるということだ。
例えば、レビュー数1000件未満のゲームでネガティブレビューが25%程度あることと、100万件以上のレビューを集めたゲームで同程度のネガティブ率があることでは、その意味合いが異なる可能性がある。
逆に、レビュー数の少ないタイトルについて、巨大タイトルの評価を基準に「ネガティブ率が高い」と判断することも適切ではない。レビュー数そのものが、そのゲームが置かれている市場環境やユーザー層、継続期間などを反映しているためだ。
■ゲームの「年齢」やプレイ時間などでも評価は変化
CritFieldでは今回のレビュー規模の分析だけでなく、2025年1月から2026年5月までに収集した20万2000件のSteamレビュー、3111タイトル、29言語のデータを使い、ゲームの年齢、プレイ時間、ゲームタイプ、レビュー言語、レビューの長さ、役に立った票、開発者による公式回答などについても分析している。
同社は、プレイヤーのセンチメントはレビューをどこで、どのような条件で測定するかによって変化すると指摘している。
今回の結果もその一例であり、Steamレビューのネガティブ率を評価する際には、ゲームそのものだけでなく、そのゲームがどれだけのユーザーと接触しているのかという「規模」の違いも考慮する必要があることを示唆している。
Steamでは多数のタイトルが毎年リリースされる一方、そのすべてが大量のレビューを獲得するわけではない。その中でレビュー数を数十万、100万単位まで伸ばしたタイトルは、そもそも市場で生き残り、ユーザーを集め続けることに成功したタイトル群でもある。
今回の調査は、Steamレビューの数字を単純な「人気」や「品質」の指標として見るのではなく、レビュー数という規模そのものを評価の文脈として捉える必要性を示すものとなっている。
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