
NCがサービスを手掛け、Dynamis Oneが開発する『アストラエ・オラティオ』は、“’89年”の東京を舞台に、「魔法」と「行政」を組み合わせた新伝奇魔法RPGだ。プレイヤーは謎の行政機関「裏令指定特例区域管理庁」に配属された公務員の「主任」となり、東京各地で活動する魔法使いたちとともに、さまざまな事件や争いへ立ち向かっていく。
本作は、2026年9月17日から開催される「東京ゲームショウ2026」にもプレイアブル出展される予定だ。今回、その会場でのお披露目に先駆けて本作を試遊する機会を得たので、実際に遊んで分かったゲームシステムや手触りを紹介していこう。
“’89年の東京”に非日常が溶け込む

本作を手掛けるDynamis Oneは、『ブルーアーカイブ』の開発に携わったメンバーが設立した、サブカルチャー分野を専門とするデベロッパーだ。
もちろん、『ブルーアーカイブ』と本作を単純に比較することはできない。ただ、実際にプレイして最初に目を引いたのは、アニメーションを用いた演出のレベルの高さだった。
物語の舞台となるのは、“’89年”の東京。筆者は残念ながら当時の東京の空気を鮮明に覚えている世代ではない。それでも、テレビ番組や映像資料を通して見たことのある、華やかさと素朴さが入り混じった「あの頃の東京」は、画面からしっかりと感じ取ることができた。

キャスト陣の巧みな演技をはじめ、キャラクターがすぐそばで話しているように感じられる声の距離感など、サウンド面の演出も見逃せない。
「それくらい、最近のゲームなら珍しくない」と言われてしまえば、それまでかもしれない。しかし、今回試遊した開発中のバージョンですでに、映像と音の両面からキャラクターの存在感を味わえたことは、ポジティブに受け止めたい部分だ。
ただ、何もかもが“かつての東京”を忠実に再現しているわけではない。今回確認できた映像のひとつに、メインキャラクターの田中えりんが朝の身支度をする場面があった。どこか懐かしさを感じさせる、ほのぼのとした日常のワンシーンだ。しかし、何気なくつけられたテレビから流れるニュースには、現実の東京とは明らかに異なる気配が漂っていた。
懐かしい街並みの中に、「魔法」が存在する非日常が当たり前のように紛れ込んでいる。単なる時代の再現にとどまらない、独自の“’89年東京”が本作では描かれているようだ。
攻撃中も油断は禁物。「判定」が鍵を握る独自のターン制バトル

今回試遊できた内容は、メインストーリーを最初から順番に体験するというより、実際のバトルを通して、そのシステムや操作感を確かめるものだった。
本作のバトルを一言で表すなら、ターン制のRPGだ。ただし、その仕組みは一般的なコマンドバトルとは少々異なっている。
戦闘の1ラウンドは、大きく「アクションフェーズ」と「判定フェーズ」のふたつに分けられる。アクションフェーズは、いわばプレイヤー側のターンだ。毎ターン付与されるAP(アクションポイント)を消費し、通常攻撃や各キャラクターのスキルを発動していく。
消費するAPは行動によって異なり、中には一度に2ポイント以上を使うスキルも存在する。強力なスキルをすぐに使うのか、複数の行動を組み合わせるのか。限られたAPをどのように配分するかが重要になるので、ご利用は計画的に。

アクションフェーズを終えると、続いて判定フェーズへ移る。こちらは相手側のターンに相当するが、プレイヤーはただ敵の攻撃を眺めているわけではない。
相手が繰り出そうとしているアクションは、画面上のアイコンから確認できる。プレイヤーはその内容を見極め、対応する攻撃を選択。“判定”に勝利すれば敵の行動を食い止め、こちらがさらに続けて攻撃できる。
反対に、判定フェーズで何もせずに見守っているだけでは、相手の強力な攻撃が容赦なく押し寄せてくる。こちらのアクションフェーズでどれだけダメージを与えても、敵の攻撃をまともに受け続ければ、最終的にはダメージレースで押し負けてしまう。
つまり、本作では自分のターンにどう攻撃するかだけでなく、相手のターンをいかに潰すかも重要になる。適切な攻撃を適切なタイミングで繰り出せば、敵の行動を封じながら、一方的に攻め続けることも可能だ。

お恥ずかしい話、この仕組みを理解できていない間は、チュートリアルですらひいひい言いながら戦っていた。ところが、判定フェーズの仕組みを理解した途端、状況は一変。相手にまともな行動を許さず、大ダメージを与え続けられるようになった。
手探りの状態からシステムが噛み合った瞬間、一気に攻守が逆転する。この瞬間にはなかなかの爽快感があった。
「領地宣言」や交代、カウンターが戦いをさらに深くする

一定のターンが経過すると、戦闘中に「領地宣言」を発動できるようになる。領地宣言とは、バトルの主導権を握り、さまざまな恩恵を得られるシステムだ。派手な一撃で大ダメージを与える必殺技というよりも、味方に強力な効果を与えるバフに近い。
得られる効果はキャラクターごとに異なるようだ。どの領地宣言を、どのタイミングで発動するのかによっても戦い方が変わってきそう。このあたりは、正式リリース後にじっくり研究してみたい。

ちなみにバトルには複数人のキャラクターを連れていくことができる。それぞれのHPは独立しており、状況に応じて前線に立つキャラクターを交代させながら戦っていくのが基本だ。
敵の攻撃には、どうしても防ぎきれないものも存在する。そんなときはHPに余裕のあるキャラクターを前に出して攻撃を受けてもらったり、領地宣言の効果を利用して状況を立て直したりと、さまざまな対応が考えられるだろう。
また、敵の攻撃を受けすぎたキャラクターは「ブレイク状態」に陥る。この状態で戦い続けるのは危険なため、別の仲間と交代させる判断も必要だ。ひとりの強力なキャラクターだけで押し切るのではなく、全員をどう使うかが問われるバトルになりそう。逆にこちらの攻撃が連続すれば相手をブレイク状態にするチャンスも。より大ダメージが期待できるので、積極的に狙っていきたい。

そのほか、敵がこちらの行動を待たず、先制攻撃を仕掛けてくることも。このとき、タイミングよくカウンタースキルを発動できれば、敵の攻撃を切り返して反撃することが可能だ。ただし、攻撃に夢中になってボタンを連打していると、突然の先制攻撃に対応できず、カウンターのタイミングを逃してしまうこともあった。
APが尽きるまで同じ手順を繰り返せばいいわけではなく、攻撃中も敵の動きを見続けなければならない。こうしたバトルの流れや操作のリズムに慣れることも、攻略における重要なポイントになりそうだ。

手探りで始まり、仕組みが分かるほど面白くなる

今回はほんの一部を体験したにすぎないが、戦闘や演出を含めた全体的なテンポの良さは、十分に感じ取ることができた。
キャラクターの攻撃ひとつひとつに用意されたカットやアニメーションも見どころだ。単に派手なだけでなく、「領地宣言」のように作品の世界観とゲームシステムが結びついた要素を確認できたことにも好感が持てる。
ただし独自のルールも多いため、最初からすべてを理解して華麗に戦えるタイプのゲームではないかもしれない。実際、筆者も序盤は何をすればいいのか分からず、手探りで戦っていた。
しかし、判定フェーズやカウンターの仕組みを理解し、それぞれの行動が噛み合い始めると、バトルの印象は大きく変わる。最初は戸惑いながら遊び始め、それでも魅力に気づいた頃には、いつの間にかハマっている。『アストラエ・オラティオ』には、そんな可能性を感じさせるファーストインプレッションとなった。
冒頭でお伝えしたように、筆者が体験した内容は2026年9月17日から開催される「東京ゲームショウ2026」で実際体験する事ができるので、本稿を読んで興味を持った方はぜひ会場に足を運んでみてほしい。
▼『アストラエ・オラティオ』TGS2026特設ページ
https://astraeoratio.plaync.com/ja-jp/conts/2026tgs
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会社情報
- 会社名
- NC JAPAN株式会社
- 設立
- 2001年9月
- 代表者
- 代表取締役 姜 定洙(カン・ジョンス)
