
gumi<3903>がゲーム収益への依存度を下げ、IPを起点としてゲーム以外にも収益機会を広げる「ネオメディアエンタメ事業」への転換を進めている。同社は6月に公表した事業方針で、従来の「ゲーム配信・ガチャ売上」に依存する収益構造から、IP獲得、ゲーム開発、周辺エンタメの3つを収益エンジンとする複数基盤型の事業モデルへの移行を掲げた。川上から川下までエンタメバリューチェーンをカバーすることで、複数の収益源から安定的にキャッシュフローを生み出しながら、大型IPのヒットによる上振れも狙う。
■IPを「ゲームの材料」から「収益源」へ
その中核となるのがIP獲得だ。
gumiはアニメ製作委員会への出資を通じて企画段階から参画し、ゲーム化権を獲得するとともに、版元としてロイヤリティ収益を得るモデルを目指している。
さらに、ゲーム化だけではなく、映画、グッズ、映像配信などの二次利用による収益還元も取り込む考えだ。つまり、IPを使ってゲームを1本作って終わるのではなく、1つのIPから複数の収益機会を生み出すことを狙っている。
実際、今第1四半期にはアニメ製作委員会への出資を決定。『ジョジョの奇妙な冒険 オラオラオーバードライブ』ではオリジナルグッズ第4弾とアニメイトフェアを予定するほか、ポイ活サービス「ヨソクヒロバ」やK-POP関連事業にも取り組んでいる。



■ゲームは引き続き中核、新作を継続投入
もちろんゲーム事業を縮小するわけではない。『オラドラ』の運営を続けながら、8月6日にはKLabと共同開発した『僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL(ヒロサバ)』を世界同時配信。さらに開発パイプライン3本、企画中1本を抱え、「有力IP×当社ゲームエンジン」による新作開発を進めている。
一方で、ゲーム以外の領域についても、公式二次創作プラットフォームや予測市場などのサービス拡大、事業パートナーとの連携によるアーティスト・コンテンツ創出、イベントなどへの展開を検討している。
■SBIとの連携で「川上」を押さえる
この事業転換を考えるうえで重要なのがSBIグループとの連携だ。gumiはSBIグループとの協働により、IPの独占ゲーム化権を川上から確保し、さらに版元としてロイヤリティ収益を獲得する構想を示している。
また、今回のセグメント変更についても、SBIグループが掲げる「金融・デジタルスペース生態系」に「ネオメディア生態系」を加えた3大生態系の連動による経済圏構築を受け、ネオメディア戦略とのシナジー最大化を目指すためと説明している。
中期経営計画については、SBIグループとの連携による中期的な成長シナリオについて協議を続けているものの、具体的な内容や公表時期は現時点では未定だ。
■その移行過程で迎えた1Qは営業赤字に
こうした事業転換を進めるなかで、2027年4月期第1四半期のネオメディアエンタメ事業は、売上高11億1188万円(前年同期比32.2%増)、営業損失4億9804万円(前年同期は1億9005万円の営業損失)となった。
売上高は前年同期を上回ったものの、『オラドラ』の売上高が想定を下回ったことに加え、8月6日に配信した『ヒロサバ』の配信直前に開発費が増加したことなどが減益要因となった。
決算説明資料でも、『オラドラ』のハーフアニバーサリーの反動などによる売上減少と、開発タイトルの費用先行によって営業損失が拡大したと説明している。
一見すると厳しい四半期だが、今回の決算で注目したいのは、この数字だけではない。ゲームのヒットに業績が左右される従来型の収益構造から、IP獲得からゲーム、周辺エンタメまでを一体で展開する事業モデルへ転換できるかどうかが、今後のgumiを見るうえで重要になりそうだ。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高91億8300万円、営業利益8300万円、経常利益21億7000万円、最終利益14億5400万円(2026年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903