【ゲームをつくる人たち #16】テクニカルアーティストになるには? “アートと技術をつなぐ”仕事のリアルを現場に聞いた

山岡広樹 gamebiz編集者
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ゲームのグラフィック制作を支えているのが、テクニカルアーティストだ。

アーティストが制作に集中できる環境を整えたり、ゲームエンジンやツールを活用して表現の幅を広げたりと、アートと技術の間に立つ役割を担っている。

一方で、「絵を描く仕事なのか」「プログラマーに近い仕事なのか」など、具体的な仕事内容が分かりにくい職種でもある。

そこで今回は、テクニカルアーティストとして現場で働くうえで求められるスキルや考え方、向いている人の特徴、未経験から目指す際に意識したいことについて話を聞いた。

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■身につけておきたいスキル・知識は?

テクニカルアーティストを目指すなら、まず身につけておきたいのが3DCGやゲームエンジンなど、アートと技術の両方に関する基礎知識だ。

具体的には、

・Mayaなどの3DCGツール
・UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジン
・シェーダーやマテリアルの基礎
・Pythonなどを使ったツール・スクリプト制作
・3Dデータやアセットの制作工程
・ゲーム上での描画や処理負荷に関する知識

などが挙げられる。

ただ、現場では「全部を高いレベルで扱えること」だけが求められるわけではない。

むしろ重要なのは、アーティストがどこで困っているのかを理解し、それを技術によって解決できることだという。

「この作業を毎回手作業でやっている」「この表現を実現したいけれど、今の制作環境では難しい」といった問題を見つけ、ツールや仕組みを作って解決する。そうした積み重ねが、制作現場全体の効率化につながっていく。



■向いているのは「人の困りごとを見つけられる人」

テクニカルアーティストに向いているのは、自分から問題を見つけて、その原因を考えることが好きな人だ。

例えば、アーティストから「作業に時間がかかる」と相談されたとき、単純に作業を代わりに行うのではなく、「なぜ時間がかかっているのか」「仕組みで解決できないか」と考える。

ここでは、技術力だけでなく相手の話を聞く力も重要になる。

現場では、アーティストとエンジニアで使う言葉や考え方が異なることもある。そのため、それぞれの立場を理解し、「何が問題なのか」を整理して伝えられる人ほど、チームの中で役割を発揮しやすい。

また、一度作ったツールがそのまま完成とは限らない。実際に使ってもらい、使いづらい部分を聞きながら改善していく姿勢も欠かせないという。



■現場で評価されるのは「技術がある人」だけではない

テクニカルアーティストというと、高度なプログラミングやシェーダーの知識を持っている人をイメージしがちだ。

しかし、現場で重要になるのは、技術そのものではなく「その技術を何のために使うのか」を考えることだという。

例えば、非常に高度なツールを作ったとしても、使い方が難しかったり、制作フローに合っていなかったりすれば、現場では使われなくなってしまう。

「技術的にはできる」だけでなく、「実際の制作現場で使いやすいか」「アーティストの負担を減らせているか」まで考える必要がある。

また、グラフィックの品質を高める一方で、ゲームとしての処理負荷や制作スケジュールも考慮しなければならない。表現・技術・制作効率のバランスを取ることも、テクニカルアーティストならではの仕事といえる。



■未経験からテクニカルアーティストを目指すなら?

未経験から目指す場合、最初から「テクニカルアーティストになるための勉強」を一つに絞る必要はない。

まずは3DCGやゲームエンジンを実際に触り、アート制作と技術の両方に興味を持つことが大切だ。

例えば、

・3DCGモデルを作ってゲームエンジンに持っていく
・マテリアルやシェーダーを変更して見た目を変える
・簡単なスクリプトで制作作業を自動化する
・自分が繰り返している作業をツール化してみる

といった経験が、テクニカルアーティストとしての考え方につながっていく。

特にポートフォリオでは、完成した作品だけでなく、「どんな問題を見つけ、どう解決したのか」まで説明できると、自分の考え方を伝えやすい。

単に「きれいなものを作った」ではなく、「制作工程をこう改善した」「この表現を実現するためにこういう仕組みを作った」といった部分を見せることが、テクニカルアーティストを目指すうえでのアピールになる。



■まとめ

テクニカルアーティストに求められるのは、

・アートと技術の両方を理解する力
・制作現場の課題を見つける力
・技術を使って問題を解決する力

といった“橋渡し力”である。

テクニカルアーティストは、アーティストとエンジニアの間に立ち、より良いゲーム制作環境を作っていく存在だ。

「どうすればもっと作りやすくなるのか」「どうすればこの表現を実現できるのか」と考え、技術を使って答えを出していく。自分で作品を作るだけでなく、チーム全体のものづくりを支えることに面白さを感じられる人にとって、魅力のある仕事といえる。

 

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