【ゲームをつくる人たち #14】モーションデザイナーになるには? ゲームの“動き”を生み出す仕事のリアルを現場に聞いた

山岡広樹 gamebiz編集者
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ゲームに登場するキャラクターの動きや仕草、攻撃モーションなどを作り、ゲーム内の動きを形にするのがモーションデザイナーだ。

キャラクターが歩く、走る、戦う――一見すると自然に見える動きにも、モーションデザイナーによる細かな調整が施されている。特にゲームでは、単に現実の動きを再現するだけでなく、「プレイヤーがどう感じるか」「ゲームとして気持ちよく見えるか」まで考える必要がある。

では、モーションデザイナーになるには、どのようなスキルや資質が求められるのだろうか。実際の現場で重視されるポイントを聞いた。

 

■身につけておきたいスキル・知識は?

モーションデザイナーを目指すうえで、まず身につけておきたいのが3DCGソフトを扱うスキルだ。キャラクターの動きを制作するため、「Mayaなどの3DCGソフトを使ったアニメーション制作の経験は重要になる」との話だ。

ただし、ソフトを操作できるだけでは十分ではない。人体の構造や関節の動き、重心の移動といったアニメーションの基礎知識も欠かせない。

また、「ゲームではモーションキャプチャーを利用するケースも多いため、収録した動きをそのまま使うのではなく、ゲームに適した形に調整する技術も求められる」という声も挙がった。ゲームエンジンなど、制作したモーションが実際のゲーム内でどう動くのかを理解しておくことも役立つだろう。



■向いているのは「細かな違いに気付ける人」


性格的にモーションデザイナーに向いているのは、「動きの細かな違和感に気付ける人」だという。

例えば、同じ「歩く」という動作でも、重心の位置や足の運び、腕の振り方が少し変わるだけで、キャラクターの印象は大きく変わる。「なんとなく不自然」と感じたときに、どこが原因なのかを考えられる観察力が重要になる。

また、自分が作ったモーションに対してフィードバックを受け、それを柔軟に修正していく姿勢も欠かせない。現場からは「完成したものに固執するのではなく、より良い動きを追求できる人ほど、モーションデザイナーとして成長しやすい」との話が聞けた。



■現場で評価されるのは「上手に作れる人」だけではない


一方、能力的にモーションデザイナーの仕事では、「モーションそのものの完成度だけでなく、ゲーム全体との相性を考えられるか」も重要になる。

どれだけリアルな動きでも、ゲームのテンポやキャラクターの設定に合っていなければ、プレイヤーにとって魅力的な動きにはならない。キャラクターが「誰なのか」、その動作が「なぜ必要なのか」を理解したうえで制作する必要がある。

そのため現場では「技術力に加えて、ゲームデザインや演出の意図をくみ取り、フィードバックをもとに素早く改善できる力」も評価されるのだとか。



■未経験からモーションデザイナーを目指すなら?


未経験から目指す場合、まずは3DCGソフトやアニメーションの基礎を学び、実際にキャラクターを動かしてみることが重要だ。

その際、単にソフトの操作方法を覚えるだけでなく、「なぜこの動きにしたのか」まで考えながら制作したい。歩く、走る、攻撃するといった基本的なモーションでも、重心やタイミングなどを意識して繰り返し調整することで、技術を磨くことができる。

就職活動では、こうした制作物をまとめたポートフォリオも重要になる。完成したモーションだけでなく、どこを意識して制作したのか、どのように改善したのかを伝えられると、自分の考え方や適性を示しやすい。

まずはゲーム内のキャラクターの動きを注意深く観察し、「自分ならどう作るか」と考えてみることから始めるのもよいだろう。



■まとめ


モーションデザイナーに求められるのは、

・動きを観察し、違和感を見つける力
・3DCGやアニメーションを扱う技術
・ゲーム全体を考えて動きを設計する力

といった“動きの設計力”である。

キャラクターをただ動かすのではなく、そのキャラクターらしさやゲームとしての気持ちよさまで考えて動きを作る。それがモーションデザイナーの仕事だ。

ゲームをプレイしていて「このキャラクターの動きが好き」「この攻撃モーションが気持ちいい」と感じることがあれば、その裏側にはモーションデザイナーの技術や工夫があるのかもしれない。

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