
カプコン<9697>のサバイバルホラーゲーム『バイオハザード』シリーズの30周年を記念した展覧会「THE WORLD OF BIOHAZARD 30周年展」が、10月30日〜12月24日の計56日間、東京・渋谷BEAMギャラリーで開催される。
開催前日の10月29日には、SHIBUYA TAKE OFF7でプレス発表会が行われ、お笑い芸人の狩野英孝さん、声優の森川智之さん(レオン・S・ケネディ役)、カプコンの「バイオハザード」シリーズプロデューサー・川田将央氏が登壇。MCを務めた宇内梨沙さんとともに、展覧会の見どころやシリーズにまつわる思い出を語った。
会場では、シリーズの歴史をたどる展示をはじめ、複数のスクリーンでゲームの映像を楽しめるシアター、ウイルスやクリーチャーにまつわる資料、アルバート・ウェスカーやオルチーナ・ドミトレスクの等身大造形など、30年の歩みをさまざまな切り口から振り返るコンテンツを展開する。
発表会では、実際の展示内容が紹介されたほか、狩野さんによるイラスト企画やグッズ紹介も実施。シリーズをプレイしてきた狩野さんの思い出話や、レオンを演じる森川さんならではのエピソードも飛び出した。
▲『THE WORLD OF BIOHAZARD 30周年展』のプレス発表会に登壇した狩野英孝さん(写真中央)、森川智之さん(写真左)、川田将央氏(写真右)。
■『バイオハザード』30周年を記念した展覧会 森川さんも思わず「ラクーンシティに帰ってきた気がするよ」
発表会は、MCの宇内梨沙さんによる挨拶からスタート。宇内さんは自身も『バイオハザード』シリーズのファンであり、好きなキャラクターはレオン・S・ケネディだと紹介した。
▲本発表会のMCを務めた宇内梨沙さん。
続いて登壇者がそれぞれ挨拶。川田氏は、今回の展覧会について「すごく素晴らしい展示になっています」と来場者に期待を寄せた。
狩野さんは、中学1年生のときに『バイオハザード』に出会ったと振り返り、30年を経てこのようなステージに立っていることに感慨を示した。記念すべき場面をタイプライターに記録しておこうと冗談を交え、会場を沸かせた。
また、レオン役の森川さんは、レオンを思わせる口調で「ラクーンシティに帰ってきた気がするよ」とコメント。シリーズファンにはおなじみの世界観を感じさせる挨拶となった。
登壇者が着用していたのは、展覧会のオリジナルグッズとして販売されている30周年記念キービジュアルTシャツ。川田氏から、シリーズでお馴染みのキャラクターが数多くデザインされている点が紹介されると、狩野さんも、ナンバリングタイトルに限らず、さまざまな作品のキャラクターが盛り込まれていることに注目。シリーズを長く追いかけてきたファンにとっても楽しめるデザインになっているとの話で盛り上がった。
▲登壇者が着用した30周年記念キービジュアルTシャツ。シリーズのさまざまなキャラクターがデザインされている。
■30周年展に込めた思い――「ただ作品を並べるだけではない」展示の見どころ
『バイオハザード』シリーズは1996年に誕生し、今年で30周年を迎えた。今回の展覧会では、単に各タイトルの歴史を振り返るだけでなく、シリーズを異なるテーマから楽しめるよう展示を構成している。
川田氏によると「30周年という節目に、記念として長く残るものを作りたい」という想いがあったという。キャラクターを立体造形として展示するほか、これまで一般に公開されていなかった情報も盛り込み、シリーズの魅力を多角的に伝える内容を目指した。
制作にあたっては、カプコンのチームと主催者側が密に連携。互いの熱意を持ち寄りながら、展示内容を何度も検討して作り上げていったという。
▲本展覧会に込めた想いを語る川田氏。30年にわたるシリーズの歴史を、さまざまなテーマから振り返る展示が用意されている。
狩野さんは、シリーズの制作に携わるスタッフが世代を越えて変わっていくなかでも、過去のスタッフが込めた思いが受け継がれていることに言及。川田氏も、シリーズが途切れることなく続いてきたことを、DNAの二重螺旋構造になぞらえて説明した。
展示に登場するキャラクターや敵、クリーチャーを見ることで、過去にゲームをプレイしたときの記憶がよみがえるとコメントした狩野さん。かつて苦戦した敵と再会すると「久しぶり!」という気持ちになり、「よく戦ったな、あの時な」と当時を思い出すという。
一方で、初めてシリーズに触れる人にとっても、展示を通じてキャラクターや世界観に興味を持ち、ゲームを遊ぶことで背景を知るきっかけになるのではないかと期待を寄せた。
▲まるで同窓会のような気持ちで「よく泣かされたわ、お前には」と感じつつも、「凄いグッとくるものがありました」と語る狩野さん。
■狩野さんも初代『バイオハザード』のパッケージに懐かしさ シリーズの歩みを振り返る
最初に紹介されたのは、「恐怖の系譜 ヒストリーウォール」。洋館事件から街を巻き込む惨劇、さらに世界規模へと広がっていくバイオテロまで、シリーズの歩みを時系列に沿って紹介する展示だ。各タイトルのパッケージなども並び、作品ごとの歴史をたどることができる。
発表会で展示の一部が紹介されると、狩野さんは初期作品のパッケージを見て懐かしさを感じた様子。ダウンロード販売が一般的になった現在、当時のパッケージには独特の魅力があったと振り返った。
初代『バイオハザード』のパッケージについては、血の付いた目が印象的で、ゲームの内容を詳しく知らなくてもホラー作品であることが伝わってきたという。また、ゲーム序盤でゾンビが振り返る場面にも触れ、シリーズの象徴的なシーンを思い返していた。
▲シリーズの歴史を時系列で紹介する「恐怖の系譜 ヒストリーウォール」には、歴代タイトルのパッケージなども展示されている。
川田氏は、「バイオハザード」という言葉が生物学的な災害を意味することにも言及。シリーズの歴史を紹介する展示では、作品の変遷だけでなく、タイトルが示す世界観についても改めて考えることができそうだ。
川田氏自身は、初代『バイオハザード』の発売前にカプコンに入社したものの、開発には直接携わっていなかったという。その後、『バイオハザード3』のグラフィック制作に参加し、追跡者ネメシスから逃げるというゲーム体験や、オンライン要素を取り入れた『バイオハザード アウトブレイク』、ニンテンドー3DS向けの展開など、シリーズの変化を見てきた。
森川さんは、レオン役としての自身の歩みを振り返った。初めてレオンを演じたのは『バイオハザード6』で、その後、『バイオハザード RE:2』では若いレオンを演じることになったという。
作品の発売順と物語上の時系列は必ずしも一致しないため、レオンの年齢や経験、ラクーンシティで新人警官だった頃からの成長を意識して演じ分けていると説明。作品ごとに異なる女性キャラクターとの関係性についても、助けられた相手、助けられなかった相手、裏切られたり騙されたりした相手など、レオンが経験してきた出来事を踏まえて役に向き合っているという。
▲収録の際には必ず「(今回のレオンは)何歳ですか?」と確認するという森川さん。ラクーンシティでの事件から何年が経過しているかによって演技プランを考えているという貴重な話も聞けた。
川田氏も、森川さんが演じる若き日のレオンと、経験を重ねたレオンでは表現が異なると評価。シリーズを通じてキャラクターが歩んできた時間を、声の演技からも感じ取れる点を紹介した。
■3面スクリーンで交錯するシリーズの名場面 『バイオハザード』の世界に浸るシアター
続いて紹介されたのは、「THE WORLD OF BIOHAZARD シアター」。3面の大型スクリーンを使い、シリーズ各作品のゲーム映像やカットシーンを上映するシアターだ。
複数のスクリーンに異なる作品の映像が映し出され、それぞれの時代や物語が交錯するような演出が特徴。川田氏によると、映像は終盤に向けて一つに収束していく構成になっているという。
狩野さんは、発表会の時点では映像の最後まで確認できていなかったこともあり、改めてじっくり鑑賞したいと話した。椅子に座って映像を楽しめるため、シリーズの印象的な場面を振り返りながら、作品ごとのつながりや世界観に浸れる空間となっている。
▲こちらのエリアから、より『バイオハザード』の世界に入り込めるギミックも用意されているとの話なので、現地を訪れる予定の方はぜひ注目して見てほしい。
■狩野さんのリアクションに海外から「クレイジージャパニーズ」 思い出の場面をイラストに
「恐怖のエビデンス」では、ウイルスや寄生生物、菌類など、シリーズの恐怖を形作ってきた要素に焦点を当てる。開発資料に加え、敵キャラクターやクリーチャーの等身大造形なども展示されている。
発表会では、このエリアで最も印象に残ったものを狩野さんが1分間でイラストに描く企画も実施。
▲1分という短い時間の中で大胆に筆を振るう狩野さん。果たしてどのような絵が完成するのだろうか。
そこで狩野さんが描いたのは、通路に張り巡らされたレーザーがレオンに迫る「レーザートラップ」だった。
狩野さんにとって、この仕掛けは自身のゲーム実況でも印象的な場面のひとつ。プレイ中に苦戦したことに加え、そのときのリアクションが海外でも話題になり、「クレイジージャパニーズ」といったコメントが寄せられたこともあったという。
完成したイラストについて、狩野さんは展示の入口に飾ってほしいと冗談交じりにアピール。シリーズをプレイしてきたからこそ生まれる思い出話で、会場を盛り上げた。
▲狩野英孝さんが「恐怖のエビデンス」で最も印象に残ったものとして描いたのは、思い出深いレーザートラップだった。未視聴の方は「狩野英孝 レーザー」で検索してみよう。
■ウェスカーの造形には隠された仕掛けも? 川田氏が明かす展示の楽しみ方
会場では、アルバート・ウェスカーの等身大造形についても言及された。圧倒的な存在感を放つ姿に、狩野さんは「実際には会いたくない」といった趣旨のコメントを交え、その迫力に触れた。
川田氏によると、ウェスカーは単なる悪役ではなく、カッコ良さを意識してデザインされてきたキャラクター。今回の造形でも、その魅力を感じられるように作り込まれているという。
さらに、展示には一定時間眺めることで気付く仕掛けも用意されているとのこと。川田氏は具体的な内容には触れず、来場者自身で見つけてほしいと呼びかけた。
こちらの展示エリアでは、『バイオハザード5』のウェスカー戦で使用された楽曲「Wind of Madness」も流れる。造形だけでなく音楽も含めて、シリーズの印象的な場面を思い起こさせる空間になっているという。
▲存在感のある姿が目を引くウェスカーの等身大造形。細部に施された演出にも注目したい。
■ドミトレスク夫人の巨大ワイングラスで乾杯! 狩野さんも「右腕が鍛えられる」
もう一つの見どころが、『バイオハザード ヴィレッジ』に登場するやオルチーナ・ドミトレスクの等身大造形だ。会場の制約から座った姿で展示されているものの、立ち上がった場合には約2.9メートルに相当するスケールとなる。
発表会では、その大きさを伝えるため、ドミトレスク夫人が手にしているワイングラスもステージに登場した。
▲ドミトレスク夫人の巨大なワイングラスで乾杯!その重さに狩野さんも「右腕が鍛えられる」と驚き、最後は腕がプルプルと震える場面も。
川田氏によると、この造形は今回の展覧会のために制作されたもの。装飾品や衣装の細部まで作り込んだうえで、経年による風合いや使い込まれた印象を加えるなど、質感にもこだわっているという。制作過程ではデータやデザインを何度も調整し、主催者側と協議を重ねながら完成させた。
豪華絢爛なイメージを追求しつつ、敵キャラクターとしての雰囲気も損なわないように仕上げたという川田さん。当初は実際に制作できるか不安もあったものの、形になるにつれて制作チームの意欲も高まっていったと振り返った。
▲『バイオハザード ヴィレッジ』に登場するドミトレスク夫人の造形。立った状態では約2.9メートルに相当するスケールで、装飾や質感まで細かく作り込まれている。
■レオンやジル、クリスらの姿を展示――森川さんが語るレオンの魅力
「対峙する者たちの記憶」では、ジルやクリス、レオンをはじめとするシリーズのキャラクターを、初登場時から最新作までの歩みとともに紹介する。
レオンの等身大造形を前にした森川さんは、再会できたことを喜び、自らツーショット写真を撮影。造形の完成度についても「完璧」といった言葉で評価し、細部まで丁寧に作られている点に感心していた。
川田氏は、レオンがシリーズのなかでも特に人気の高いキャラクターであることに触れ、造形では細部までこだわって制作したと説明。レオンを目当てに来場するファンも多いと考えられるため、制作側にとっても特に気を遣うキャラクターだったという。
▲キャラクターの姿を眺めるだけでなく、それぞれの背景や物語を振り返ることで、プレイヤー自身が作品と過ごしてきた時間を思い返すことができる展示となっている。
一方、狩野さんは、会場を訪れた際にキャラクター展示をあえてじっくり見ないようにしていたと明かした。ゲームを通じてともに旅をしてきたキャラクターたちを、改めて自分のペースで眺めたいと考えているためだ。
展示を見ていると感情が込み上げてくるかもしれないと話し、改めてプライベートで来場した際に設定資料やテキストも含めて時間をかけて楽しみたいと語った。
■『バイオハザード レクイエム』のヴィクター・ギデオンの頭部装具を世界初展示
展示の終盤には、『バイオハザード レクイエム』に登場するヴィクター・ギデオンの特徴的な頭部装具が登場。実物としての展示は世界初となる。
川田氏は、金属らしい質感や、錆び、擦れ、使い込まれたような表現など、細かな部分まで作り込まれている点を紹介。表側だけでなく内側も制作されているが、会場では見えにくい部分もあるという。
▲『バイオハザード レクイエム』に登場するヴィクター・ギデオンの頭部装具。狩野さんが欲しそうな様子を見せると、川田氏は冗談交じりに着用を勧める場面もあった。
また、トークではレオンがギデオンに対して放つ挑発的な言葉にも話題が及んだ。追い詰められた状況でも相手をからかうような言葉を口にするレオンらしさに、出演者たちも反応。森川さんが演じるレオンの人物像を改めて感じさせるやりとりとなった。
■「リッカースリッパ」や「振り向きゾンビ」など30周年記念グッズを紹介
発表会の後半では、展覧会で販売されるオリジナルグッズも紹介された。
ラインナップには、リッカーをモチーフにしたスリッパや、初代『バイオハザード』の印象的なゾンビの振り返りシーンをイメージしたデフォルメデザインのアイテム、動くゾンビ犬などが登場。森川さんは実際に動くゾンビ犬を試し、そのかわいらしさに注目していた。
▲リッカーをモチーフにしたふわふわのスリッパ。足裏部分には背骨もデザインされている。
▲初代『バイオハザード』の名シーンを再現した振り向きゾンビのぬいぐるみ。狩野さんは「正面には置きたくない」と、ゲームさながらに振り返るような飾り方を提案した。
また、ラクーンシティをデザインしたトートバッグも紹介された。片面には崩壊した街、もう片面には事件発生前の明るい街並みやR.P.D.を描き、同じ場所の異なる姿を表現している。
▲ラクーンシティのパンデミック前後を表裏で描いたジャガードトート。片面には事件前の街並みとR.P.D.、もう片面には崩壊した街がデザインされている。
アパレルでは、登壇者が着用していたTシャツのほか、武器商人の「Welcome」をデザインしたTシャツなどもラインナップ。森川さんは、主要キャラクターだけでなく、脇役やサブキャラクターにもグッズが用意されている点がうれしいとコメントした。
狩野さんも、シリーズをよく知るファンだからこそ楽しめるアイテムがそろっていると話し、グッズにも作品へのこだわりが感じられることを紹介した。
■狩野さん「感動の取りこぼしのないように」 森川さんは「絶対に、泣けるぜ」と来場を呼びかけ
最後に、登壇者から来場者に向けたメッセージが贈られた。
狩野さんは、普段のゲーム実況では攻略を届けるつもりが、つい悲鳴や絶叫を上げてしまうと笑いを交えながら語りつつ、『バイオハザード』を考察も交えて楽しんでいるとコメント。展覧会についても、アイテムを探すゲームさながらに、展示に隠された仕掛けを見逃さず楽しんでほしいと呼びかけ、「感動の取りこぼしのないように」と来場を促した。
森川さんは、30周年にふさわしい展覧会になっていると評価。自身ももっと長い時間をかけて見て回りたいと語り、世界中のファンに足を運んでほしいと呼びかけた。最後はレオンの決め台詞「絶対に、泣けるぜ。」で締めくくった。
川田氏は、『バイオハザード』シリーズが30周年を迎えたことについて、つい最近25周年を祝ったような感覚があると振り返った。展示や企画の数々に手応えを感じているとし、繰り返し訪れても楽しめるよう、さまざまなところに仕掛けを用意していることも紹介。30年にわたるシリーズの魅力を感じてもらえる展覧会になったと語った。
「THE WORLD OF BIOHAZARD 30周年展」は、10月30日から12月24日まで東京・渋谷のBEAMギャラリーで開催される。シリーズを長年遊んできたファンはもちろん、これから作品に触れる人も、展示を通じて『バイオハザード』の世界を体感できる機会となりそうだ。
▲シリーズの30年の歩みをさまざまな角度から振り返る「THE WORLD OF BIOHAZARD 30周年展」は、12月24日まで開催。
(取材・文 編集部:山岡広樹)
©CAPCOM
©TOHOKUSHINSHA FILM CORPORATION
【PR】転職支援サービス「エンターエンタ」
「エンターエンタ」はエンタメ業界に特化した人材紹介サービスです。本サービスの職業紹介業務は有料職業紹介事業許可を有する株式会社ONE.courseが行っています。株式会社ゲームビズは、メディア協力・企画協力・業界知見等の提供を通じて本サービスを支援しています。本サービス通じて、業界構造や職種理解に精通したキャリアアドバイザーらが、「エンタメ業界で働きたい」という方に向けて、キャリア相談から求人紹介、選考対策まで一貫してサポートします。
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1953億6500万円、営業利益752億9500万円、経常利益741億3400万円、最終利益545億8700万円(2026年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697


