クルーズの四半期業績を振り返る…営業益は3倍・粗利率は低下

クルーズ<2138>が1月30日に発表した第3四半期累計(2011年4-12月期)の連結業績は、売上高66億1300万円(前年同期比74.4%増)、営業利益16億1300万円(同89.4%増)、経常利益16億6500万円(同89.9%増)、四半期純利益9億7200万円(同91.8%増)だった。「Mobage」で提供しているソーシャルゲームの売り上げが好調だったことが主な要因だった。この記事では、ソーシャルゲーム開始後の四半期業績の推移を振り返ってみよう。   ■売上高の推移 売上高の推移は以下のようになる。綺麗な右肩上がりとなっている。クルーズは、2010年4月より当時の「モバゲータウン」で『熱血硬派くにおくんバトル』の提供を開始し、ソーシャルゲーム事業に本格的に参入して以後の数字となる。開始当初は四半期売上高10億円であったが、2011年10-12月期はその2.5倍以上のあたる27億4900万円まで伸びている。     ■営業利益と純利益について 営業利益と四半期順利益の推移を示しておこう。一時的に落ちることがあったが、基調としては右肩上がりだ。売上高が2.5倍以上の伸びた一方、営業利益と四半期純利益はさらに大きな伸びとなっている。2010年4-6月期の営業利益が2億3100万円、純利益1億3200万円だったが、2011年10-12月期にはそれぞれ6億8900万円、純利益3億8900万円となっている。四半期ベースの営業利益にいたっては3倍以上となった。     同社では、2012年1-3月期の業績について、営業利益と純利益が半分程度になる見通し。人材採用の積極化と今期中のオフィス増床予定による費用が流動的で読み切れないため、としているが、個人的にはあまりに保守的ではないかという印象を持っている。決算発表後、株価がさえないが、このあたりの保守的な業績予想が原因となっているように思える。   ■売上総利益率、営業利益率 次は売上総利益率と営業利益率の推移は以下のとおり。売上総利益率は2010年4-6月期においては60%を超えていたが、徐々に下がり50%程度となっている。これは売上高に対する原価の比率が上がっていることを意味する。ゲームの仕組みやグラフィックの精彩化などソーシャルゲームが進化し、開発費が上昇していることを反映していると思われる。 また営業利益率については20%台と安定的な水準で推移している。プラットフォーム内広告だけではなく、自社コンテンツ間の誘導を有効活用できているため、広告宣伝費などの販管費の伸びが相対的に抑えられているのかもしれない。あるいは、有名IPを活用したソーシャルゲームを展開するメリットなのだろうか。    
クルーズ株式会社
http://crooz.co.jp/

会社情報

会社名
クルーズ株式会社
設立
2001年5月
代表者
代表取締役社長 小渕 宏二
決算期
3月
直近業績
売上高140億円、営業利益6億4400万円、経常利益6億2800万円、最終利益2億5400万円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
2138
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