グリー、SNS「GREE」でRMTの監視・処罰体制を強化…未成年者の利用制限も実施

グリー<3632>は、本日(3月16日)、SNS「GREE」の利用環境向上に関する施策を発表した。リアル・マネー・トレード(RMT)に関する発生状況のチェックや、違反ユーザーへの罰則などを行うとともに、未成年ユーザーの利用金額制限やアイテム購入時における注意表示の強化、コンテンツチェック体制を強化する、と発表した。   ■RMT関連の対策について 同社では、「GREE」では、従来より利用規約においてRMT関連行為を禁止しているが、今後、オークションサイトなどGREE外における有人チェック体制を強化するとともに、RMT関連行為を発見した場合、速やかに違反記載の削除や、違反ユーザーに対する警告、違反ユーザーのアカウント停止などの措置を実施する。 さらに、特設ページと専用窓口を開設し、RMT関連行為に関するユーザーへの啓発や注意喚起を行い、トラブルなどの回避に関する情報提供を実施するとともに、RMT関連行為に関する通報を受け付ける。またGREEパートナーには、RMT関連行為に対する厳格な対応を依頼するとともに、チェックする体制の導入状況について報告を求める、としている。   ■未成年ユーザーの保護施策について 未成年ユーザーへの対応については、キャリア決済について制限を行なってきたが、新たに未成年ユーザーの利用金額制限する。4月1日より、15歳以下のユーザーは月間5000円まで、16~19歳のユーザーの利用限度額を月間1万円とする。 このほか、ユーザーがサービスの利用状況を正確に把握できるよう、希望するユーザーにコイン購入が毎月一定の金額に達した時点で通知するサービスや、購入時の注意喚起、コンテンツチェック体制も強化していく。GREEパートナーに対しても、同様の体制の整備・強化を要請するとのこと。   「ドリランド」におけるアイテムの不正な複製やそれを巡るオーションサイトを使ったRMTが発覚するなど、ソーシャルゲームにおけるRMTに加え、未成年者の過度な課金などの問題への批判が高まっており、最近では、金融機関などもこれらを問題視するようになっていた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券にいたっては、パチンコと同一視するレポートを発表している(関連記事)。 こうしたなか、グリーは、田中 良和 社長直轄による利用環境の向上施策の第1弾を月内に発表するとし、その内容には注目が集まっていた(関連記事)。発表された内容を見るかぎり、今後の運用次第ではあるが、予想された以上に包括的で具体的な内容という印象を受けた。今後、世界を目指すグリーにとっても、上場を目指すSAPにとっても、今回の健全化施策は、大きな意味を持つことになると思われる。今後、さらなる改善とともに運用状況の報告が継続的に行われることを期待したい。 サイバーエージェントもアメーバピグで利用制限すると発表したが、近日中にディー・エヌ・エー(DeNA)も何らかの施策を発表してくるものと見られる。
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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