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ケイブ<3760>は、2012年5月期の決算を発表し、売上高26億9400万円(前期比11.8%減)、営業損失1億4200万円(前期5億2100万円の黒字)、経常損失1億4600万円(同5億1100万円の赤字)、当期純損失2億7400万円(同4億3400万円の黒字)だった。
これだけ見ると厳しい決算のように見えるが、四半期ごとの推移を見ると明らかに改善している。第4四半期(3-5月期)は、売上高が前四半期比35%増の8億円となり、営業利益は5800万円、経常利益5600万円、四半期純利益4600万円となり、増収・黒字転換に成功した。第1四半期での利益水準を超えている。
ソーシャルゲームを中心に収益改善
同社によると、オンラインゲームやソーシャルゲームを提供するインタラクティブ事業を中心に収益が回復したとのこと。既存タイトルについては運営の改善を行ったことが奏功。
「しろつく」ではイベントの見直しやキャンペーンを行い、売上が回復し、「くにつく」はスマートフォン対応やチームバトル機能を導入。さらに「真・女神転生IMAGINE」も精度の高いアップデートとキャンペーン行ったという。
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このほか、5月にリリースした「北斗の拳II 百万の覇王乱舞」も開始20日で登録者数が30万人を突破し、7月13日現在38万人を突破するなど順調に推移している模様だ。
またコンシューマ事業では、アーケードゲーム「怒首領蜂大往生」と、「虫姫さまHD」をリリースしたことも収益を押し上げた。ライツ&イベント事業は赤字が続いたが、撤退が完了したとのこと。
カードゲームやネイティブアプリに注力
ケイブでは2013年5月期は、「エンジェルコード」や「北斗の拳II」で培ったカードバトルゲームの開発、運営ノウハウを元にした新規カードバトルゲームの横展開を図るとともに、「しろつく」のネイティブアプリ対応や女性向け箱庭育成系ゲーム、シューティングゲームの要素を入れたソーシャルゲームをリリースする予定。
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さらに、PCブラウザゲームも展開する予定。日本内戦をテーマとした「ガン・ブラッド・デイズ」で、シナリオには、ゲームクリエイターで、原作者・小説家としても活躍する芝村裕吏氏が担当する。キャラクターデザインにはイラストレーターのkyo氏や、重厚な世界観と作風でファンの多い漫画家の広江礼威氏、ケイブとも縁が深いイラストレーターの緒方剛志が参加する。
復調の背景は「選択と集中」
ケイブは、かつてソーシャルゲーム、スマートフォンアプリ、家庭用ゲームソフト、業務用ゲームソフト、携帯公式サイト、PCオンラインゲームなど幅広い分野にコンテンツを展開していた。この点は同社の魅力でもあるのだが、このためリソースが分散し、成長分野が波に乗れなかった感がある。
こうした問題に対し、ケイブは、グリーと提携しつつ、携帯公式サイトやアーケードゲームを縮小する一方、スマートフォンやソーシャルゲームに経営リソースをシフトさせていた。第3四半期に多額の赤字を計上するなど厳しい状況に陥ったものの、第4四半期で早くも立ち直ってきた。
今回の業績改善の背景には、不採算部門からの撤退など「事業の選択と集中」が背景にあるのは間違いない。先日決算発表を行ったブロッコリーも収益性で難のあった物販部門を切り離すことで業績が急速に改善したが、ケイブも同じように成長分野にリソースをシフトさせることで成果を上げつつある。
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