【GooglePlayランキング】売上トップTOP20(7月29日版)…「ダークサマナー 」戦略的スタートダッシュに成功。その要因を分析。

【トレンドフォーカス】 エイチーム『ダークサマナー』の勢いは本物だったようだ。リリースしてから11日で売上トップ7位に入った。新着期間は残り20日であり、この勢いはまだまだ続きそうだ。 ちなみに、筆者は新着10日で売上トップ10位以内に入ったコンテンツは他に知らない。同時期にリリースされたタイトルは売上トップ20位に入っていない。パワーがないからだろうか?いいや、そうではない。例えば、競合タイトルを挙げると、 『ミスティックモンスターズ』(ポケラボ/新着無料24位・売上トップ39位)・・・AppStoreの無料総合2位 『スヌーピー ストリート』(ビーライン/新着無料21位・売上トップ44位)・・・AppStoreの無料総合1位、AppStoreのトップセールス3位を記録 『真・戦国バスター』(KLab/新着無料30位・売上トップ205位)・・・AppStoreのトップセールス1位を記録。シリーズ累計300万人以上がプレイ。 『倒せ勇者!』(コロプラ/新着無料34位・売上トップ135位)・・・GooglePlayNo.1ゲームパブリッシャー など、有力パブリッシャーからiOSで実績のあるタイトルが出ていることがわかるだろう。つまり、『ダークサマナー』のスタートダッシュが類を見ないほど爆発的だったのだ。ではどれくらいの爆発力だったのだろうか。他の有力な新着4タイトルと『ダークサマナー』の売上トップランキング推移をグラフ比較してみよう。   【有力新着4タイトルの売上順位推移】   次に、ダークサマナーの売上順位推移を見てみる。 ※グラフ提供:『アプリストックランキング』(株式会社サイトストック http://www.applistock.jp/ )   グラフを比較してみたがいかがだろうか。 ※横軸の数字については各グラフ毎に大きさが異なるので順位を比較してみて欲しい。 大きく下記の2つが違いと言えるのではないだろうか 違い1. ダークサマナーは、配信初日から順位が高い(約60位からスタート)。他は200位~400位の間からスタートしている。 違い2. ダークサマナーは、山が3つできており(63位→34位、34位→16位、12位→9位)、また、順位の上がり角度を維持している。 この違いのポイントは何か?  ここからは筆者の仮説を記載させて頂きたい。※エイチーム社にインタビューは行えていない。 違い1. ダークサマナーは、配信初日から順位が高い(約60位からスタート)。他は200位~400位の間からスタートしている。 【内部:ストア攻略のリテラシー】 エイチーム社はGooglePlayの傾向を把握しており、新着30日間で勝負が決するということを強く意識していた。 【内部:プロダクトのクオリティ】iOSで既にリリース済みのコンテンツであることから、ARPUに自信があり、また十分にAndroid版のデバッグを行っていた。 つまり、ノウハウに加え、コンテンツ(受け皿)のリリース環境が十分に整っていたと思われる。 次に外部環境はどうだったと思われるか。 【外部:強力な自社クロスプロモーション】 Androidだけで300万DL・アクティブ率が高いと思われる『雷神』を所有している。 【外部:潤沢なプロモーション予算】 幅広いリワード媒体へ出稿を行った。上限予算もかけていないと思われる。 以上のように、内部と外部の要因が掛け合わされ、スタート初日からプロモーションを開始したことでロケットスタートが切れたのではないかと考える。   違い2. ダークサマナーは、山が3つできており(63位→34位、34位→16位、12位→9位)、また、順位の上がり角度を維持している。 筆者の調べたところ、その後ほぼ3日刻みでリワード広告の獲得単価(CPI)を上げてきている。ここが圧倒的に他社と異なる。一般的なリワード媒体の場合、CPI100円→200円→300円のようにしているように見受けられる。 ※現時点のCPIは市場価格(CPI\100~120)の3倍となっている模様だ。結果として、単価を上げた2回のタイミングで山ができているのだと推察される。 また、GooglePlayでは、1日だけのインストール数はランキングロジックに反映されづらいと考えられ、できるだけ長い期間に渡ってインストール数があることが良質なコンテンツであると判断されている可能性がある。そのため、一気に大量にインストール数を獲得するよりもコンスタントに獲得することが重要だと思われる。エイチーム社は、単価を徐々に上げることで、順位を上げやすくした可能性もある。(もちろん、ARPU・売上トップのランキングと売上の相関を出したうえで新着期間中にユーザを刈り取れるだけ刈り取る考えというのは前提である) 以上が仮説である。 コンテンツが良いこと(高LTV・課金率)はもはや大前提だが、今回のスタートダッシュはストアの特性を踏まえたエイチーム社の戦略勝ちだと考えている。といっても、どの程度の投資・リターンがあるのだろうか。それを算出してみよう。 まず、投資についてはほとんどがリワード広告と見られ、その獲得ボリュームはMAXで月間10万件ほどだろう。平均CPIで200円だとするとプロモーション予算は2000万円となる。結果売上トップ5位になったわけだが、その前後の月商は5000万円~7000万円と想定され、早ければ単月でリクープすることになる。 さらに、GooglePlayのランキングは一度あがると落ちづらいことから、2か月目以降はプロモーション費を弱めることができ、3か月目くらいからは金のなる木にさせることができるのではないだろうか。 今後もGooglePlayのコンテンツ市場は拡大されることが見込まれるため、1年で見ると5億~7億前後の売上は確保できるだろう。 最後に、パブリッシャー単位で集客施策に取り組むレイヤーを分けてみたい。     今回のエイチーム社はどこに該当するかと言うと、グレードSということになる。また、収益はおおよそS→Cのグレードの順に比例しているものと思われる。今回の『ダークサマナー』の成功を持って、今後はグレードSのパブリッシャーが増えるのは当然の流れであることから、さらにその次の一手を考える必要があるだろう。   【ランキング総論】 7月29日10時00分時点の「GooglePlay」売上トップは、GREEの『グリー』が首位を奪還した。今週上位20本のうち、前週から引き続きランクインしているのは18タイトルである。 タイトルの課金モデル/コンテンツジャンルを分類すると下記のようになっている。 ・F2Pモデル:14タイトル ・従量ダウンロード課金モデル(パチスロ):3タイトル『押忍!番長2』 『パイレーツワールド 』『パチスロ ミリオンゴッド~神々の系譜~』 ・従量ダウンロード課金モデル(ゲーム):1タイトル『FINAL FANTASY III 』 ・従量ダウンロード課金モデル(ツール):1タイトル『ATOK 』 ・機能解除型課金モデル(ツール):1タイトル『ウイルスバスター モバイル for Android』 カイロソフトの『開拓サバイバル島 』が前週18位から16位にランクアップしており、3週間連続して堅調に伸びてきていることにも注目したい。     【情報提供者紹介】 小原 聖誉 2001年からモバイルゲーム業界に携わり、ゲームポータルの立ち上げを経て、ゲームを中心としたモバイルコンテンツ企業の収益向上支援ビジネスを手掛けている。 GooglePlay研究所Twitterアカウント:https://twitter.com/#!/GooglePlayBiz Facebookアカウント:https://www.facebook.com/masashige.obara 小原聖誉のモバイルビジネスブログ(Androidニュースまとめ):http://ameblo.jp/obarabiz/    
順位 前週 アプリ名 パブリッシャー名 値段 DL数レンジ 累計売上想定(※)
1 ↑2 GREE (グリー) GREE, Inc. - 1,000,000 - 5,000,000 -
2 ↓1 秘宝探偵 [登録不要の無料本格RPG] COLOPL, Inc. - 100,000 - 500,000 -
3 3 プロ野球PRIDE [登録不要の無料本格プロ野球ゲーム] COLOPL, Inc. - 100,000 - 500,000 -
4 4 LINE NAVER - 10,000,000 - 50,000,000 -
5 ↑11 関ヶ原演義 D2 Communications Inc. - 100,000 - 500,000 -
6 ↓6 押忍!番長2 株式会社ディーピー ¥900 100,000 - 500,000 ¥225,000,000
7 ↑34 ダークサマナー Ateam Inc. - 100,000 - 500,000 -
8 ↑10 暴走列伝 単車の虎 Donuts Co. Ltd. - 500,000 - 1,000,000 -
9 ↓6 あやかし陰陽録 Zynga[トップ デベロッパー] - 100,000 - 500,000 -
10 ↑12 KINGDOM CONQUEST 【RPG】ロールプレイング SEGA CORPORATION - 100,000 - 500,000 -
11 ↓9 FINAL FANTASY III SQUARE ENIX Co.,Ltd. ¥1,400 50,000 - 100,000 ¥105,000,000
12 ↓8 パイレーツワールド 株式会社ディーピー ¥1,500 10,000 - 50,000 ¥37,500,000
13 ↓7 美女ポリス【脱衣カードバトルRPG】☆登録不要!☆ GNT Inc. - 100,000 - 500,000 -
14 14 カイブツクロニクル ADWAYS INC. - 100,000 - 500,000 -
15 ↑16 ATOK (日本語入力システム) JustSystems Corporation ¥1,500 100,000 - 500,000 ¥375,000,000
16 ↑18 開拓サバイバル島 Kairosoft Co.,Ltd - 100,000 - 500,000 -
17 ↓13 ゾンビカフェ Beeline Interactive Japan - 100,000 - 500,000 -
18 ↑20 ウイルスバスター モバイル for Android トレンドマイクロ株式会社 - 100,000 - 500,000 -
19 ↓17 マジモン NHN Japan - 500,000 - 1,000,000 -
20 ↑25 パチスロ ミリオンゴッド~神々の系譜~ 株式会社ユニバーサルエンターテインメント ¥1,200 100,000 - 500,000 ¥300,000,000
※DL数レンジの平均値×値段
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
企業データを見る
株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
企業データを見る
KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
企業データを見る
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
企業データを見る
株式会社ポケラボ
http://pokelabo.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ポケラボ
設立
2007年11月
代表者
代表取締役社長 前田 悠太
企業データを見る