モーニングスターのソーシャルゲームやゲーム会社に関するレポートの概要は以下のとおり。あくまで震災前の評価レポートであることはご留意いただきたい。DeNA、グリー、コナミ、スクウェア・エニックス、MTIとなっている。
■ディー・エヌ・エー<2432>(3月10日付け)
投資判断「強気」。2010年3月期第3四半期以降、業績は急速に伸びている。内製ソーシャルゲームが高い人気を誇っているほか、他社タイトルも有力なゲームメーカーが相次いで人気タイトルを提供している。2011年3月期の通期予想に対する第3四半期累計の進ちょく率は、売上高で71.4%、営業利益で72.7%とやや低いが、第3四半期までの伸びを見る限り、未達懸念は小さいと指摘。今後は、スマートフォン対応の進捗に注目しているという。
■グリー<3632>(3月10日付け)
投資判断「強気」。第2四半期の業績も、新規タイトルなどの貢献で、ソーシャルゲームの課金収入が拡大している上、広告メディア収入もパートナー向け広告販売が寄与するなど「GREE Platform」の導入効果が出始めている。「GREE Platform」提供タイトルは、2010年12月末時点で約560本と3カ月前との比較で倍増。さらにスマートフォン向けサービス基盤の整備も進めており、Android向けGREEをβリリースしたほか、iPhone向けに無料カジュアルゲームアプリも順次リリースしている。
■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>(3月11日付け)
投資判断「弱気」。2011年3月期の連結業績予想は、もともと前年の反動もあり、減収減益としていたが、10年12月に行った下方修正はネガティブサプライズ。特に主力タイトルである「ファイナルファンタジーXIV」については、ユーザーから厳しい評価を受けたことが懸念材料になると指摘している「開発能力の強化が現在の最重要経営課題」という認識が示すように、複数のタイトルの発売を延期しており、今後の対応や動向を注視する必要があるという。
■コナミ<9766>(3月11日付け)
投資判断「強気」。第3四半期累計の連結業績は減収減益だたが、ゲームソフトの売上高が伸びているように有力タイトルが多い。強みを持つスポーツジャンルだけでなく、「ラブプラス」のような新しいシリーズや、ソーシャルゲームでも有力タイトルを輩出するなど、コンテンツ創出能力は高い。新型ゲーム機や携帯電話、スマートフォンなどコンテンツの供給先が多様化する中、こうした点は評価できるという。またハドソンの完全子会社化もプラスとなると指摘している。
■エムティーアイ<9438>(3月10日付け)
投資判断「買い」。足元の業績は順調で、話題性も豊富。スマートフォン対応に注力中だが、既存の携帯でのサービスが順調なうちに他社に先行したい考え。スマートフォンにいち早く対応した健康情報サイト「ルナルナ」が好調なうえ、第1四半期に子会社化したJibe Mobileは多種多様な情報を一元管理できるソーシャルアドレス帳アプリ「Jibe」を展開。同じく子会社化した「リッスンジャパン」とは、スマートフォン向けの音楽配信において、ストリーミング配信サービスの連携を進める方針。