グリーとスクエニ、GREEで配信予定の『FINAL FANTASY』と『すばらしきこのせかい』の共同発表会を開催
■新しいユーザー層へのアプローチを期待
発表会の冒頭、まず、グリーの田中良和代表取締役社長が挨拶を行った。田中氏は、日本を代表するゲームで子供の頃から遊んできた『ファイナルファンタジー(以下、FF)』と、チャレンジングなゲームとして国内外で評価されている『すばらしきこのせかい』を「GREE」プラットフォームでリリースできることを嬉しく思うとコメントした。
グリーの持つ世界規模のソーシャルゲームのノウハウと、スクウェア・エニックスのコンテンツを作る力をあわせて新しいサービスをつくりたいと語り、いままでソーシャルゲームで遊んだことのないユーザー層にも楽しんでもらいたいと語った。今回に限らず、両社は、今後もソーシャルゲーム開発について継続的に協力していくとのこと。
■目の超えたユーザーに新しい体験を提供したい
続いて、スクウェア・エニックスの和田洋一社長が登壇した。グリーについて、「彗星のごとく現れて、あっという間に太陽になってしまった。ただ、お客様にどういう形でサービスを提供するかという点で、我々とは違ったアプローチで丁寧に対応している」と評価した。家庭用ゲームソフトは、少しずつ深く楽しめるようにするのに対し、ソーシャルゲームはすぐにゲームの面白さが分かって深く楽しめるようにしているが、グリーは、その違いをわかっている会社で、今回の共同案件を通じて、グリーのノウハウを学んでいきたいと語った。
また、ソーシャルゲームの普及によって、普段ゲームで遊ばない人も楽しむなどユーザー層が広がっているものの、ヘビーユーザーだけでなく、ライトユーザーもゲームに対する目が肥えてきて、求めるクオリティが高くなってきたと指摘。そこで、『すばらしきこのせかい』と『FF』というスクウェア・エニックスの「虎の子」をソーシャルゲーム化し、お客様が初めて味わえる体験、コンテンツを提供したいと意気込みを示した。
■『FINAL FANTASY×GREE(仮称)』
続いてスクウェア・エニックス第一制作部プロデューサーの間一朗氏と、グリー取締役執行役員常務メディア事業本部長の吉田大成氏が登壇し、『FINAL FANTASY×GREE(仮称)』と『すばらしきこのせかい LIVE Remix』のゲームの紹介を行った。
まず、『FINAL FANTASY×GREE(仮称)』の紹介を行った。仮称となっているが、「一回で覚えてもらえて、しかも格好良いもの」(和田社長)とするため、まだ決まっていない。FFシリーズは、今年25周年を迎え、ナンバリングが14タイトル、関連タイトルを含めると46タイトル発売されており、累計パッケージ出荷本数は1億本を超える巨大なIPだ。
今回、カードゲームとして開発するにあたって、46タイトルに及ぶFFからキャラクターや召喚獣、モンスター、武器・防具魔法、ゲームシステムに至るまであらゆる要素が集結したとのこと。ゲームシステムについては、FF独特のアクティブタイムバトルも盛り込んだ。
グラフィックに関しては、キャラクターカードについては、歴代作品のキャラクターが登場するもので、CGからイラストから、頭身の高低まであらゆるキャラクターが登場する。同じキャラクターであっても性能がすべて異なる。例えば、FF7に登場する「クラウド」の場合、身につけている必殺技の種類によって差別化を図っている。
武器・防具、アクセサリーについては、アビリティが付加されている。冒険を有利にすすめることができるもので、カードの強化も行える。例えば、ファイア→ファイラ→ファイガなどと強化するごとに、威力も名前も変わっていく。
ゲームの進め方は、フィールド探索から行う。FFの冒険部分を凝縮し、モンスターとの遭遇や宝箱の発見、最後にはボスと戦闘する。特徴として、次に何に遭遇するかもわかるようになっているとのこと。さらに、左下のゲージが溜まって最大値になると、「フィーバーモード」に突入し、全てが宝箱に変わってアイテムが沢山入手できる。フィーバーモードについて「単調になりがちなクエストもアクセントを持たせることで楽しめるようにした」(間氏)。
また、アクティブタイムバトルは、ゲージがたまるとキャラクターが攻撃したり、技やアビリティを発動したりしながら、敵やボスにダメージを与えていく。タワーディフェンスのような印象も受けた。アビリティの成長要素や組み合わせが強く影響する。またカードのパーティの組み方やキャラクターカードの育て方も戦闘に影響するため、この点がゲームとしても一番面白い要素になる。
このほか、FFのシリーズとして初めて、ユーザーバトルも導入した。バトルに勝つと、メダルを手に入れることができ、これを集めることでミニゲームも楽しめる。ミニゲームを通じて、レアアイテムなどが手に入れることができる。もうひとつは、強力なレイドボス「手配者エネミー」も登場し、ソーシャルゲームらしくフレンドと協力バトルが楽しめる。
なお、リリース時期については、現在製作中だが、できれば年内にリリースしたいとのこと。
■『すばらしきこのせかい LIVE Remix』
『すばらしきこのせかい』は、iOSやニンテンドーDS向けソフトとして発売されたもので、現代の渋谷が舞台となっている。突然死神のゲームに巻き込まれた主人公は、7日以内に死神から出されたミッションをクリアしなければ、自分の存在が消えてしまう。サイキックという技を駆使しつつ、仲間と協力して生き抜く。ゲーム性の高さが国内外で評価を集めた。
本作をソーシャルゲーム化にするあたって、主人公はプレイヤーとし、フィールドに出る仲間についても他のプレイヤーとなるなど、ソーシャルゲームならではのチームバトルとなる。ゲームは、渋谷をミッションで探索し、死神の用意した「ノイズ」と呼ばれる敵を倒してエリア探索率を上げながら、ノイズのもととなる「元凶ノイズ」を探して倒していく。探索やバトルではスコアも入手でき、そのスコアを競い合う。
ゲームは、ネイティブアプリとしてリリースされるが、タッチパネルによる簡単操作で楽しめるライトアクションゲームとなる。元となった『すばらきしこのせかい』は、ニンテンドーDSのタッチパネルを活かした軽快なアクションだったが、ソーシャルゲーム化するにあたって外せない要素と判断したとのこと。吉田氏は、「リッチなグラフィックと派手な演出、さらにBGMも用意されており、『すばらきしこのせかい』を初めて遊ぶ方にもきっと満足していただけるのではないか」と自信を語った。
またゲームの特徴である特殊能力「サイキック」については、「バッジ」に付随している。プレイヤーは、バッジを集めてデッキを組んで、それぞれの効果が楽しめる。バッジの種類は相当数あり、バッジの属性や特別な効果を発動させるスキルを組み合わせることがカギとなる。
■事前登録特典
本日から事前登録の受付も開始する。「すばらしきこのせかい LIVE Remix」に登録したユーザーには、「スタートダッシュセット」としてプレミアムガチャチケットやAPドリンク、BPバーガーをプレゼントする。また「FINAL FANTASY×GREE(仮称)」に登録すると「召喚チケット」を配布する。さらに、両タイトルに事前登録すると、「すばらしきこのせかい LIVE Remix」では先行配信バッジ「SR クロム・バハムート」が、「FINAL FANTASY × GREE(仮称)」では先行配信カード「R+ エアリス(FFVII)」がプレゼントされる。
このほか、両社は、この2タイトルに加え、「聖剣伝説 サークル オブ マナ」と「チョコボのチョコッと農園」も配信する予定だ。
吉田氏は、最後に「音楽もスタイリッシュで、家庭用ゲーム並にリッチなバトルが楽しめるソーシャルゲームになっている。グリーとしても新しいジャンルの開拓や、映像、バトル、音楽などいままでやってなかった領域にチャレンジして、ソーシャルゲームの領域を広げていきたい」と語った。続いて、間氏は、「画面を見ていただいて今までないタイトルであることは理解していただけると思う。ゲーム性が評価されたタイトルなので、この部分は一切手加減しなかった。原作の魅力を損なわないようにしたい」と本作に関する自信を示した。
■事前登録サイト
(C)SQUARE ENIX CO., LTD. / GREE, Inc.
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)