ソーシャルゲーム関連の決算発表が本格化…注目SAPはクルーズ

今週からいよいよソーシャルゲーム関連企業の第2四半期(7-9月期)の決算発表が本格化する。先行して決算発表を行ったサイバーエージェントは、SAP関連事業の伸びが目覚ましかった。国内市場の成長がピークアウトに近づきつつあるという認識の中、国内事業がQonQで40%を超える高成長を実現しただけでなく、海外でも21億円という売上を記録した。他社の動向なども注目される。 主要なところをピックアップしていくと、10月29日は、コーエーテクモ、31日にはカプコン、ドリコム、11月1日はコナミ、11月2日にはセガサミー、バンダイナムコ、11月5日はクルーズ、アクセルマーク、11月6日はディー・エヌ・エー、モブキャスト、スクウェア・エニックス、11月8日はガンホーOE、ネクソン、11月13日はアエリア、11月14日はグリーなどがある。 市場の成長性ということを考えると、注目は、ディー・エヌ・エーとグリーだろう。その収益動向だけでなく、サードパーティも含めた有料の仮想通貨「コイン」もしくは「モバコイン」決済の伸びということになるだろう。また両社とも海外事業に注力しており、その売上動向なども注目される。グリーについては、直近、オリジナルタイトルだけでなく、IPタイトルも増やしており、その状況なども注目されよう。 SAPについては、QonQで売上の伸びを維持できているかどうか、前四半期に費用を先行して計上した会社は、リリースしたタイトルの効果で、翌期以降、計画どおりに収益を伸ばせているのか、広告宣伝費などの先行投資が回収できているのか、という点がチェックポイントになる。前四半期の決算発表時に開示した説明会資料を参照し、減益要因と収益見通しをチェックする必要がある。 営業利益は、成長性を図る重要な経営指標だが、減益=成長性の減退というものではない。ソーシャルゲームの開発規模は近年、ますます大きくなっているが、会社自体の規模はそれほど大きくないため、例えば、売上に先立って費用が先行して計上され、減益になってしまうことがある。「売上が落ち込んだので減益になりました」と、「開発費や広告宣伝費を先行計上したため減益になりました。次の期から回収に入ります」では意味が全く違う。会社ごとの状況に合わせて見ていく必要がある。 注目企業として、やはりクルーズをあげたい。同社は「神魔×継承!ラグナブレイク」が大ヒットしているだけでなく、海外版「Delty Wars」も米国などのGoogle Playで売上ランキング上位に付けている。従来、IPを活用したバトルゲームで手堅く収益を上げていくSAPというイメージを持っていたのだが、オリジナルタイトル主導の成長というものに大きく変わりつつある。新作「アヴァロンの騎士」も好調なスタートを切っており、次の四半期のガイダンスも注目される。     ■決算発表予定(東証・ジャスダックのHP、各社IRサイトをまとめたもの、変わることが多いので注意していただきたい)
月日 発表起業
10月29日 東映アニメ、コーエーテクモHD
10月31日 ドリコム、カプコン、アドウェイズ、エムティーアイ
11月1日 コナミ
11月2日 セガサミーHD、バンダイナムコHD
11月5日 クルーズ、アクセルマーク、セプテーニHD
11月6日 ディー・エヌ・エー、モブキャスト、スクウェア・エニックスHD、インタースペース
11月8日 ガンホーOE、ネクソン、ファンコミュニケーションズ、エキサイト
11月9日 エイティング、マーベラスAQL
11月13日 アエリア、デジタルガレージ
11月14日 グリー、ドワンゴ、ガーラ
クルーズ株式会社
http://crooz.co.jp/

会社情報

会社名
クルーズ株式会社
設立
2001年5月
代表者
代表取締役社長 小渕 宏二
決算期
3月
直近業績
売上高140億円、営業利益6億4400万円、経常利益6億2800万円、最終利益2億5400万円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
2138
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