MTI、2012年9月期は営業益54%減…モバイルの有料会員の減少で

音楽を中心にモバイルコンテンツを手がけるエムティーアイ(MTI)<9438>は、本日(10月31日)、2012年9月期の連結決算を発表し、売上高293億8200万円(前年同期比9.2%減)、営業利益17億0400万円(同54.0%減)、経常利益16億9700万円(同54.0%減)、当期純利益1億0900万円(同93.9%減)だった。減益での着地となった。     同社では、モバイルの有料会員の減少に伴う売上の減少に加えて、人件費や外注費、減価償却費の増加が負担となったため、としている。有料会員の減少に伴い音楽配信の著作権使用料や、キャリア決済手数料が減少したものの、売上の減少をカバーしきれなかった。 また、有料会員数については、フィーチャーフォンの会員数が前年9月末比で81万人減の813万人となった。内訳は、フィーチャーフォンが同321万人減の500万人、スマートフォンが同240万人増の313万人だった。 なお、業績予想の修正に関する記事でも触れたように、四半期ベースで続いていた有料会員の減少も第4四半期には純増に転じたとのこと。スマートフォン比率も38.5%まで上昇した。   ■2013年9月期の見通し 2013年9月期は、売上高300億円(前期比2.1%増)、営業利益17億1000万円(同0.3%増)、経常利益17億円(同0.1%増)、当期純利益7億5000万円(同585.3%増)を見込む。     音楽配信は、iPhone向けだけでなく、カーオーディオなど多様なデバイス向け配信するほか、多様な決済手段の提供、プレイリスト共有などのソーシャル的機能を実装し、ユーザーの音楽利用シーンを拡大していくことで、有料会員数の拡大につなげる。 健康情報では『ルナルナ』ブランドを活かし、女性のライフステージに沿ったヘルスケアサポートを提供する。新たな取り組みとして体組成計や歩数計等の健康機器と連携し、簡単に日々の健康管理ができるサービスを投入する予定。 スマートフォン向け会員認証・決済プラットフォーム「mopita」は、登録ID数が9月末に約550万人となったが、Tポイントや永久不滅ポイントなど利用頻度が高い決済手段の拡充を進める。また他社サービスへのプラットフォーム提供にも取り組む。 連結子会社のJibe mobileは、キャリア向けにソーシャル電話帳に関連するシステム開発の受注が好調に推移しており、2012年9月期に通期黒字化を実現。次期もキャリアより安定的な受注が見込めるため、引き続き収益の拡大を図る。 また、損益面では、売上原価率や、販管費はほぼ前年と同じ水準となる見通しで、営業利益、経常利益も横ばいを見込む。最終利益は大幅に伸びるが、この期には特別損失が大幅に減少する見通しとなっているため。