【インタビュー】ユーザーの想像力を活性化させるプロモーション戦略 『剣が刻』日本版責任者の楊仲軒氏に聞く

木村英彦 編集長
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和風アドベンチャーRPG『剣が刻』は、2019年10月にリリースされ、アプリストアのセールスランキングで上位に入るなど大ヒットした女性向けのコンテンツである。本作は、中国XiimoonとRejetが協業し、Xiimoonがパブリッシングを担当している。今回、Xiimoon日本責任者で、『剣が刻』プロジェクトディレクターである楊仲軒氏にインタビューを行い、Xiimoonの日本オフィスの設立から『剣が刻』の日本国内での展開、そして今後の展望について話を聞いた。
 

──:よろしくおねがいします。日本のXiimoonは、『剣が刻』の開発においてどのような役割を担っているんですか?
 
日本のXiimoonは、日本と中国の橋渡しをする存在です。ゲームのパブリッシングがメインの業務で、シナリオの調整や修正なども担当しています。日本現地でIP展開をはじめ、宣伝、プロモーション、カスタマーサポートもXiimoonが担っています。
 
 
──:日本のXiimoonを立ち上げるに至った経緯についてもお聞かせください。

私が馮社長と知り合ったのは、2018年12月のことです。最初はお互いの考えを話し合うだけだったのですが、かなり理念も合致しました。それから、一緒に日本で拠点を立ち上げようと決意しました。初期は一人だったので、法人の設立や事務所の手続きも私自身で進めて、2019年の4月頃からようやく3人体制の会社になりました。
 
元々は、ゲームと関係のない業界にいましたが、ゲームが好きだったので、人生で一度は開発の現場を経験しておこうと思い転職を決めました。

転職後、ずっとゲーム業界にいましたが、女性向けのタイトルに関わるのは今回が初めてでした。不安なこともありましたが、事前にレビューした結果、かなりクオリティが高く作り込まれていると判断し、Xiimoonへのジョインを決断しました。

また、女性向けコンテンツは日本のゲーム市場でまだまだ成長する余地があるだけでなく、Xiimoonにしかできないことがある領域だと思っています。これからも弊社の強みを発揮できるということを意識したいと思っております。



──:昨年10月に『剣が刻』の配信が始まりましたが、当時を振り返ってみての感想はいかがですか?
 
社員数が少なかったので少し外部の力も借りていましたが、とにかく大変でした。終電は日常茶飯事で、会社に泊まり込みもよくありましたね。そのため、事務所にカップ麺とドリンクは常備しています(笑)。立ち上げた初期、日本のマーケティング手法は世界中でも特殊で、プロモーション担当もいないので、模索しながらやってきました。そして、ビジネスとユーザーケアのバランスは本当に難しいので、いつも社内でピザや牛丼を食べながら、喧嘩まではしないですが、激しい討論を常にしていました。

半年間で、3人で生放送を準備したり、100万字のシナリオをローカライズしたり、オフラインイベントを開催したり、極限状態に追い込まれた状況で諦めようと思ったことは何度もありました。ですが、ユーザーさんから「ゆっくりでいいですよ」「お疲れ様です!」という暖かい言葉をいただくたびに、こちらも負けられないよという気持ちで頑張ってまいりました。
 


──:プロモーションの手応えはいかがでしたか?
 
クオリティの高さに拘ったことで他社タイトルと明確な差異化ができ、自信は多少ありました。ただし、実際は我々の予想以上でした。ターゲットとしたユーザー層はもちろん、予想外のユーザー層も獲得できました。

例えば、以前、開催したファンミーティングには、親子そろって『剣が君』、『剣が刻』のファンとおっしゃる方がいました。少し話を伺ったのですが、やっぱり剣が刻に対する愛がすごく伝わってきましたね。このように、様々な年代のファンにも受け入れてもらえるようなコンテンツだからこそ、より良いサービスを提供できるように、更にユーザーの要望に応えたいと実感じました。

そのため、最も大事にしているのは、ユーザーとのコミュニケーションです。もちろん一般向けコンテンツのようなやり方とは少し違うので、情報の出し方などかなり工夫しました。そして、公式Twitterの運営メンバーが採用できたのも大きかったです。Twitter担当のスタッフ自身も女性向けコンテンツのファンなので、ユーザー心理をしっかりとつかんでくれていました。

 プロモーション全体のざっくりした感想ですが、比較的、細分化した領域でユーザー像はそれなりに把握しやすかったです。その反面、もっと繊細な手法と関わる領域、ユーザーに対する高度な知識が必要となってきます。なので、事前の調査、改善改修と試行錯誤など色々PDCAに気力を使っていて、やり甲斐があるなと感じております。

 

 

──:もともと『剣が刻』は中国で配信されていたタイトルで、テキストの多さから海外展開にはかなりの労力が必要だったと思いますが、なぜ日本でリリースすることにしたんですか?
 
プロジェクト発案と本社立ち上げの当初から、会社の中で二次元を攻めていこうという方針がありました。また、Rejetの『剣が君』の制作陣と協業し、その延長線で剣が刻を作り上げるために、自然に日本市場に目を向けましたね。

音声も日本語のままですし、登場人物も日本の歴史上の人物、出てくる料理も日本のもので、内容の99%ぐらいは日本市場向けを想定しています。比較的他の地域より、戦略的に検証しやすい環境だったことから日本をメインに見すえてリリースしました。また、剣が刻はそもそも剣が君とは兄弟みたいな感じなので、濃厚なシナリオと深さがあるキャラクター設定は強みですね。なので、百万字以上の文量でも、しっかりローカライズして、剣が刻に期待しているユーザーさんに提供しないといけないというミッションもあります。 

また、現在アプリのランキングを見ると、海外の企業様のタイトルがかなり目立ちますね。ただし、それでも日本が二次元大国という事実は変わりないです。我々は単純にゲームを作るより、IPを創生することをミッションとして考えております。『剣が刻』というタイトルをリリースすることは第一歩に過ぎない、その先の拡張性、メディアミックスなども視野に入れた戦略となっています。それから、IPホルダーとして日本市場と世界で弊社のブランドを広げていきたいと思っております。



──:Xiimoonさんはまだ日本での知名度は高くなかったと思いますが、パブリッシング展開でどんな戦略を練ったのでしょうか?
 
先に中国の方でリリースした際に、事前登録の段階から積極的にユーザーの声を聞いて、リリースまでに数回の改修を行い、できるだけ万全の状態で臨めるようにしました。このタイトルに関わる創作者と開発チームは、かなりよいコンテンツを力を合わせて創り上げたなと思っています。その自信があったため、一作目というかなりリスクが高いなかでも、思い切って投資できました。具体的に話すと下記の3点になります。

 
1. 事前予約
パブリッシングの戦略として、事前登録の期間を長めにとりました。多くのタイトルは1~2ヶ月で終了しますが、『剣が刻』は5か月ほど実施しました。

それは、いままでの女性向けコンテンツと明確な差異化ができたからこそ、その差異化をユーザーに伝えるために、通常より2-3倍ほどの事前登録期間を設けたのです。例えば、ゲームの進行によって変化するキャラクターの絆、世界観の設定、深堀できるシナリオなど、ほかのタイトルと違うところをアピールすることにかなり注力しました。

Twitterアカウントを立ち上げたのは2017年で、誕生日メッセージといったルーティン投稿が多く、ファンからの期待も薄かったと思います。そのため、ユーザーを活性化することは最重要事項でした。

たとえば、コンテンツの内容や、キャラクターの三面図といった、世界観が見えるような素材を、短いスパンでだしていきました。あえて全てを明かさないことによって、想像の余地を作り、そこからユーザーさんたちの間で議論が発生し、コミュニケーションが生まれることを重視しました。

かなりユーザー間で盛り上がった結果、リリースの前日に事前ダウンロードを開始したときすでにアップルストアで全体ゲームのランキング8位になりました。さらに、リリース当日は我々の予想を遥かに超えた4位という結果でした。


2. リリース
事前登録段階では、比較的プロモーションに対して大胆な施策ではなく、ユーザー間のコミュニケーションを刺激できる施策がメインでした。その結果、活発な議論が生まれ、我々はそのなかからユーザーの声を拾いながら、コア層からミドル層の意見を中心に複数回の改修を行いました。当然のことですが、リリース初期は数回軽微な不具合がありました。ただし、積極的に事前段階で問題点を絞り出し、それをコツコツ潰していくことで、リリースのバージョンはかなり安定しており、それがいいスタートがきれた要因の一つだと思います。


3、コンテンツ更新
これは他社さんとの大きな相違点となりますが、私たちはかなり短いスパンでバージョンアップしております。事前登録期と同じ意図ですが、「どうすればユーザーさんが喜ぶか」という課題は永遠に終わらないと思います。そのため、毎月必ず一回、バージョンアップを行い、改善改修と、シナリオの解放、新キャラクターの実装を行っています。

メインシナリオ以外にも、複線のサブシナリオ、キャラクター専用シナリオを用意しており、ユーザーさんが飽きないコンテンツを提供し続けていきたいと思っております。

また、オンラインだけではなく、オフラインイベントも積極的に開催しております。ユーザーさんに還元するための、IPのブランディングにもとても重要な役割があるということもありますが、最も意識していることは、ユーザーさんとコミュニケーションを取れる場であるということです。

池袋で行ったピールオフで、数名のユーザーさんからご意見を伺うことができ、それに基づいて改善した部分もあります。直接現場に足を運んでそこでユーザーの属性と雰囲気を掴むことは、剣が刻というIPを進化させることにおいて欠かせない一環だと思っております。

 

 

 

ユーザーの協力あってこその好スタート。目に見える形で感謝を還元

 
──:事前登録には、30万人とかなり多くの方がエントリーしていましたが、その要因はなんだったとお考えですか?
 
Twitterの公式アカウントを開設してすぐにフォロワー数が1万に達しました。なので、最初の課題は、どのようにこの1万を拡大していくかでした。

手法の一例ですが、美麗なビジュアル、深さのあるシナリオが『剣が刻』の強みです。その強みを表現できているものや、ユーザーの自発的発信を招くものを発信拡散することを意識しました。

それを1日、長くても2日に1回という短いスパンでだし、常に話題と想像を提供し続けたことが、ユーザーさんに満足いただけたのではないでしょうか。

また、剣が刻に対する自信があったからこそ、しっかりとその良さをユーザーさんに伝えないといけないという気持ちも非常に強かったです。そのため、少人数の体制にもかかわらず、大量のリソースをかけて、生放送、雑誌、ピールオフ、イベント出展などオフラインイベントも欠かさずに行ってまいりました。その結果、オンラインでもオフラインでもユーザーさんが自然に流入し、そのユーザーさんがコアやミドル層になって、さらに剣が刻が自発的に拡散していく流れを作ることができました。

結果、事前登録者数は30万、リリース時のフォロワー数は7万5千人に達しました。現在も継続的にファンとコミュニケーションを取り続けて、『剣が刻』を支えてくれているユーザーさんに還元できるような施策も定期的に開催しております。そんな努力から、現在Twitterのフォロワー数は約9万を維持しており、安定していますね。

 
 
──:事前登録の段階からユーザーの期待が高かったんですね。
 
そうですね。これも実際に開発前のコンセプト構成段階で自信を持ったところです。Rejetさんのイラスト素材が本当に素晴らしいことと、そしてキャラクター設定やシナリオの、ところどころ空白を意図して残す作り方が素晴らしいです。例えば、一緒に冒険するにつれて、そのキャラクターの過去を知ることができたり、主人公(ユーザー)と出会うことで主人公との関係が変化し続けるところなど。やればやるほど、「あ、こういうことだったのか!」という仕掛けがたくさん存在しています。空白がユーザーさんの想像力のキャンパスになり、SNSなどで、ユーザーさん同士で盛り上げてくれました。

その効果で30万という、一作目としては少し信じられない数字を達成できたと思います。ユーザーさんの力があるからこそ成立したと言えますね。また、開発段階で決めた差異化の方向性も、かなりここで成果が見えました。例えば、『剣が刻』ならではの遊び方として、スキンシップを推したのも効果的だったと思います。キャラクターがお風呂に入って、湯上りの髪の毛を拭いたりするようなスキンシップは他のタイトルにはない遊び方です。実際、かなりの反響をいただいたので、これも事前登録数を伸ばすのに一役買ってくれました。

 
 
──:リリース後の反応はいかがでしたか?
 
パッケージが初期で1.2GBもあることから、前日に事前ダウンロードを実施して、社内でデバッグを続けていたので、ベストな状態でリリースできたと思っています。課金システムのトラブルが多少ありましたが、比較的スムーズにリリースできたほうではないでしょうか。

アップルのストア内ランキングでも、リリース当日は4位になっていましたので、女性向けゲームでもここまでの実績を残せるという良い指標になれたと考えています。1週目で20万ダウンロードも達成しました。

ただ、社内ではデバッグやユーザー対応のために泊まり込みで作業をしていました。大胆な施策を打つだけでなく、ユーザーさんが安心してゲームを遊べる、安定した環境を保つことが最初のタスクでした。

ユーザーさんから、評価して頂けるご意見を多数頂戴しておりますが、指摘もありますね。そこはやっぱりこちらの努力不足を感じております。『剣が刻』という作品のファンになっていただいたユーザーと、継続的にコミュニケーションしていきたいと思っております。

 

 

──:サービス開始からかなり好調とお見受けしていますが、内部的にはどのように感じられましたか?
 
サーバーオープンの段階で課金のトラブルもあったため、泊まり込みでの作業になったのは大変でした。ユーザーさんからのフィードバックを大事にしたいので、当日は上海と連絡を取り合いながら、3人で解決していきました。あらゆるバグや不具合の即時解決を目指した結果、そういった体制になりました。
 
その後も、バージョンアップやローカライズといった作業に加えて、新キャラの追加、生放送の出演もあって記憶を失いそうなぐらい忙しかったです。その分、皆様からの暖かい言葉が嬉しかったです。まだまだ大変なことはありますが、これからも満足いただけるようなサービスを提供し続けていきます。
 


──:バージョンアップのスピードが早いといった声もありますが、その点はいかがですか?
 
うちでは、月に1回大きめのバージョン更新をしていますが、これはキャラクターゲームでコレクション要素も強いという特性上、新しい刺激がないと作業ゲーになってしまうことを危惧しているからです。ユーザーにコンテンツを提供し続けることで飽きさせないようにしています。

なんらかの形で収益をユーザーさんに還元したいという気持ちはありますが、広告を打つだけでは目に見えない形になってしまいがちなので、バージョンアップで目に見える形で還元していきたいという想いもあります。この他にも、生放送や、ノベルティ、Twitterとの連動キャンペーンなども引き続き実施していく予定です。

 
 
 

『剣が刻』ファンを想定したコンテンツ作りがより熱心なファンを生み出した

 
──:オフラインイベントも開催されていましたよね。
 
はい。グッズのピールオフイベントを2回開催しました。最初はだれも来ないのではないかと心配していましたが、予想に反して大盛況でした。やはり、女性のユーザーさんは、手に取って触れられるものや、保存できるものを好む傾向にあるんだなと実感しました。
 
本社のメンバーも私も、日本でゲームをリリースしたことがありませんでしたし、女性向けのゲームを作った経験もなかったので、色々なことが手探りでした。でも、ターゲットは的中していたので、良いユーザーさんに集まっていただけたと思っています。
 

 
──:『剣が刻』は本当に熱心なフォロワーが多い印象を受けましたが、どうすれば熱心なファンがついてきてくれますか?
 
『剣が刻』については逆の考え方をしています。元々熱心なファンが集まってきてくれるのは想像できていたので、熱心なファンに向けたコンテンツ作りを意識したんです。ユーザーが想像できる余白を作るというのもその一環です。

どんな要素を見せることによって、熱心なファンたちが盛り上がってくれるかという方向からプロモーションを組み立てています。そして、実際に遊んでみたときに、本当はどんなキャラクターなのか、毎回新しい発見と体験ができることも、永遠に終わらないストーリーを作っていこうという軸ですね。また、『剣が君』とのコラボで、原作に忠実な設定と、原作では味わえないことを用意しました。このように、2軸で良いコンテンツを途切れず提供することで、ファンの熱量を維持できたと思われますね。 

これは弊社や開発チームだけでなく、Rejetさんが提供してくれる魅力的な素材と、コンテンツを自発的に盛り上げてくれるユーザーさんたちがいるから実現できたことです。仕様改善や要望といったご意見からも、ユーザーさんに参加していただいているわけですから、ユーザーさんも一緒に『剣が刻』を作り上げている仲間なんです。

 

 

──:運営をされていくなかで嬉しかったことはありますか?
 
一番衝撃を受けたのは、私のファンができたことです。秋葉原でファンミーティングを開催した際、試遊コーナーを見ていた私のところに、ファンだと言いに来てくれた方がいたんです。広報チームには結構ファンがついているメンバーもいるので、ようやく私にもできたかと(笑)

あとは、生放送のあとに立花さんから意見をいただくときですね。皆さん知らないと思いますが、放送後、みんなで輪になって立花さんから「運営と討論する」コーナーがありますね。改善すべきところや、こうすればファンが嬉しいよ、といったアドバイスをたくさん頂いております。立花さんは実際にゲームをプレイされていて、新しいバージョンがでるとすぐに攻略されている方なので、我々も「立花さんがそう言うならやってみよう!」と受けとめています。キャストさんがこれだけ作品に熱を入れてくれているのはやはり嬉しいですね。

立花さんだけでなく、ユーザーさんからの熱量を感じたときは、やはりやり甲斐を感じます。チームのメンバーも、そういった熱に触れることで、良いゲームを作っているという自信を得ています。大変なことはたくさんありましたが、それがこの結果につながっているのなら、やはり良いことだったと思います。

 
 
──:運営を続けていくにあたって注意している点はどこですか?
 
会社同士の連携については、もう少し見直すべき点があると感じています。例えば国境越えて3社で協業しておりますので、コミュニケーションをとる際、断片的なものではなく、いかにユーザーと制作側の思いを融合させて、ゲーム内に反映させるのかということは、正直に申し上げると至難の業ですね。解決するために、情報の収集伝達はすごく力を入れて、継続的に改善をしていきます。

また、『剣が刻』という作品は勿論、創作者の先生たちのお陰で出来上がったのです。そしてユーザーさんもこの作品の共同制作者だと私は思っております。ユーザーさんの思いを取り組んで、ユーザーさんがどうすれば喜ぶかを、我々は常に考えていますね。そのため、ユーザー本位で、物事を優先的に考えることはこれからも最重要事項としてやっていきます。


 
──:ユーザーの希望にこたえられなかったと感じたのはどういった部分ですか?
 
機能面、シナリオの両面ですね。ゲームに対して情熱を持った人たちが作ってはいますが、もっとユーザー目線に寄ってみたほうがよかったとも感じています。

女性向けコンテンツに熱量を持っているユーザーさんも多いので、『剣が君』に詳しい方や、原典となる歴史に詳しい方、声優さんに詳しい方など、様々な方面からアドバイスをいただいています。ユーザーさんのためにゲームを作っていくのであれば、もっと進化させていく必要があると思っています。

また、開発に時間がかかってしまったのは、そういった要因もあります。待ってくれるユーザーさんもたくさんいましたが、即時にユーザーさんのご希望に応えられなかった部分もあるので、もっと速やかに改善できる方法を最初から考えておくべきだったことは反省点のひとつです。

 

 

──:これからの展望や方針についてお聞かせください。
 
『剣が刻』というタイトルとしては、長期的な運用を目指しています。拡張性のあるコンテンツを提供し続けることで、『剣が刻』からファンになってくれた方にも、継続的に喜んでもらえるような作りにしたいと思っています。
 
Xiimoonとしては、『剣が刻』をただのゲームとして終わらせるのはもったいないとも考えているので、IPとしてグッズの販売や、他のメディアへの展開も計画しています。
 
アニメや舞台など、色々なことを考えていますが、ヒューマンリソースの面でまだ問題を抱えていますので、いきなり手広くやるのは難しいというのが現状ですが、これからよりよいサービスを提供できるように人員の補充、体制の見直しなどやっていきたいと思っております。いろんなIP展開を前向きに考えてはいますので、ファンの皆様には楽しみにしていてほしいです。
 
会社としての展望は、2作目の制作を考えていることは勿論あります。ただし、目前のこと、つまり『剣が刻』の改善はまだまだやれることがいっぱいあります。ユーザーへももっと還元できるように施策を組んでいきたいので、『剣が刻』は最重要事項ということは変わりがないですね。また、高品質なサービス、コンテンツを提供する意向はこれからも変えず、進化していこうと思っております。
 
 

──:最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
 
事前登録からリリースまで付いてきてくれたユーザーさんには感謝しかありません。オフラインイベントに参加してくれたユーザーさんから、『剣が刻』は素晴らしいコンテンツなので、わたしたちも頑張ってついていきますと言っていただけたのは、大変励みになりました。
 
Rejetさんとユーザーさんの支えがあったからこそここまでこれたと思っていますし、皆の力が合わさったからこそ成立した作品だと思っています。Xiimoonは、次回作でもっと冒険していこうと考えているところなので、ユーザーさんには是非またお力を貸してほしいです。一緒に冒険したいという企業からのご連絡もお待ちしていますので、是非ご連絡ください。



 

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■『剣が刻(けんがとき)』
 

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