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【インタビュー】『ヴァンガード overDress』はグローバル展開を前提とした体制に進化 コンテンツ開発はどう変わる? 森プロデューサーに聞く

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10周年を迎えたブシロード<7803>の人気トレーディングカードゲーム(TCG)「カードファイト!! ヴァンガード」。この春より、新シリーズ展開として『カードファイト!! ヴァンガード overDress』が始まった。

【前編】
「次の10年、20年に向けた補強・見直し」 『ヴァンガード overDress』森慶太プロデューサーが明かす新展開のポイント


ゲームやメディアミック展開が大きく変わったが、よりグローバル展開を意識した開発体制に変わったという。今回、プロデューサーの森慶太氏にインタビューを行い、その経緯と狙いを語ってもらった。


――:よろしくお願いいたします。『ヴァンガード』は、これまでも海外展開に注力してきたかと思いますが、どういう違いがあったんでしょうか。

『ヴァンガード』の海外展開については、これまで国・地域ごとの特徴を重視した展開を行ってきました。日本原作を海外の各支社から展開する、もしくは、パートナー企業さまにライセンシングを行ない、その国・地域に合わせてカルチャライズを行ってもらうようにしていました。

良かった点は、他のIPに比べて縛りが緩かったので、その国と地域の事情に合った展開がやりやすかったことです。例えば、タイ語版は、通常の日本語版のリリースから数年遅れで発売していますので、タイ国内では数年遅れのタイ語版と最新作の日本語版の両方を販売するという状況になっています。

タイ語版については、紙質の制約などを緩めにしていることもありますが、日本から見るとかなり手軽に購入できる値付けになっています。コンビニでの流通量も多く、お菓子を買うような感覚でパックやデッキが買えるようになっています。

タイで流通する日本語版については、タイ語版に比べると、価格がかなり高めですが、放送されている最新アニメや、本場の『ヴァンガード』をオンタイムで遊びたいという方が購入されているようです。

私自身、かつてグローバル展開しているTCGブランドに携わっていたこともありますが、一般的にTCGをグローバル展開する場合はブランドの統一性や同質性を重視するのですが、これまでの『ヴァンガード』においては必ずしもそうではありませんでした。

今後の新シリーズoverDressからのグローバル展開に際しては、これまでの良さを活かしつつも、同質性をもう少し高めていきたいと考えています。英語版や韓国語版については、日本語を発売してから2、3カ月遅れでリリースしていますが、体制整備も進めていく考えです。



――:コンテンツ開発の考え方も変わるんでしょうか。

これまではアニメも含めて日本国内でヒットさせることを第一に集中していましたが、今後は、グローバルで展開・販売することを前提にします。アニメのストーリーテリングからカードの制作まで「グローバルで展開するうえでこれはどうなんだろう?」という問いかけは常に行っていきます。

組織体制は整備途上にありますが、グローバルで展開するチームに変わりつつあります。これまで国内向け中心にやっていたときは、必ずしもマルチリンガルの人材は必要ありませんでしたが、そういった人材を要所にアサインできるようになりました。情報発信も日本だけでなくて海外に向けて、ちゃんとコミュニケーションプランを構築するようにもなりました。グローバル展開強化にあたって人材募集中ですので、興味のある方は是非コーポレートサイトの求人をご覧ください。

先日、プロデューサーレターについても世界のファンの皆様へという文脈で書くようにしました。この結果、プロデューサーレターに対して海外のお客様からも多数のお手紙やメールをいただくようになりました。お客様からのご意見・ご要望を通じて、問題発見の速度と精度は上がったと感じています。

発見した問題に対して優先順位を付けて解決していくことになりますが、お客様の声に応えていくことが大事です。海外支社や、グローバルのパートナー企業様は、『ヴァンガード』の体制変更とコミュニケーションプランの改善については一様に喜んでくださっているようです。個人的にも、組織として自分たちが変わりはじめた雰囲気を少しずつ実感しはじめています。



――:コンテンツ開発以外でも考え方は変わるんでしょうか。

私自身、『ヴァンガード』プロデューサーになる前に、弊社カードゲーム部門のマーケティング責任者をやったことがあります。そして海外のパートナー企業様や支社を訪問してみて、各地で日本語版のカードをそのまま愛してくださる方が想像以上に多いことに驚きました。カルチャライズ・ローカライズされている現地の言語版ばかりが遊ばれていると思ったのですが、実際は両方だったわけです。

当時は、海外と日本とで連携したマーケティングとプロモーションをあまり展開できていない状況でしたので、各地の盛り上がりは現地の頑張りによるところが大きかったですね。

それがここ数年で変わってきました。たとえば、TCGのマーケティング部門については、海外とやりとりする部門を吸収し、日本だけでなく、海外から寄せられたフィードバックを確認して、きちんとサポートするようにもなっています。

当社TCGタイトルの中で特に飛躍的に伸びているタイトルが13年を迎えるIPコラボモデルの『ヴァイスシュヴァルツ』で、生まれてまだ1年ほどの『Reバース』も堅調です。『ヴァンガード』に関しても、これまでも海外で何百人も動員する大会が各所で行われた事実がありましたので、テコ入れすることで更に伸ばせると思っています。

私は『ヴァンガード』を「世界のファンのために日本で作る」という社内スローガンを掲げてチームを運営しはじめました。世界には、このIPの日本らしさや、日本で作っている作品だからこそ好きというファンもいてくださると思いますし、現時点のわれわれのブランド・アイデンティティーもそこにあると思います。

とはいえ、現時点の発信地は日本ですが、もしかすると、より多様な人材が参画してくれるようになった場合、次のフェイズに進める日もあると思います。当初は、日本のファンのために日本で作っていて、それが海外でも売れていましたが、世界のファンを認識して日本で作ろう、という状態にシフトしたということです。

この先で言うと、多分それを支える人材のバックボーンもどんどん多様になっていくでしょう。ブシロードでも、新卒採用で日本国籍以外の人材もどんどん入っていてくれて、会社としての厚みも増しています。



――:グローバルを意識する背景には人口構成の変化もあるのですか。

はい。少子高齢化が進む日本で、若い層だけをターゲットにしていくと、今後もきちんとブランドに投資を続けて、クオリティの高いコンテンツを提供し続けるのは簡単ではありません。最近、ビデオゲームやアニメでも増えてきましたが、グローバルで回収することを前提として非常に高いクオリティの作品を作る会社が増えてきました。

ただ、これは誤解されないようにしたいのですが、日本のファンを軽視するというわけではありません。今後も日本のファンのために作っていくことを軸足としますが、「世界」を意識することでコンテンツの厚みが増していくと考えています。

創業の木谷が「ヴァンガードは20年目を目指す」と話していますが、この作品の20年目はいまから10年後になります。10年後の18歳は、今8歳のお子さんです。国内人口構成比の変化を考えていくと、風景が全く違うものになっていますので、サステナブルなビジネスモデルを作るとすると、ある種、自然とそうなるべきところもあると思います。

また、作品を好きな人がその好きな作品について語るとき、人種や国境、ジェンダーを超えてコミュニティが生まれている感じがします。エンターテインメントの価値はそういうところだとも思いますので、『ヴァンガード』もそうなっていきたいと考えています。



――:いいものを作っていこうってなったら、どうしてもお金が必要になりますし、海外市場も意識せざるを得なくなりますよね、本当に。

僕もソーシャルゲームが大好きなんですけど、ひと昔前までは新規タイトルが乱立するというか、大小さまざまな開発・運営の規模でどんどん新作がリリースされていましたよね。しかし、いまでは開発規模の大きなタイトルの成功が際立って目立つようになりました。カードゲームに関しても同様のことが起きていて、売れているタイトルが10年選手、20年選手になっているように思います。われわれも、そういうところを目指していきます。

個人の見解ですが、ブシロードはいまでもベンチャー気質が強いので、小回りがきいてスピード感もかなりある会社です。ただ、質の高いサービスをグローバルに継続的に提供するには、組織規模も必要に思えます。自己矛盾に気を付けなくてはいけないですが、ある程度のスピード感を担保しながらも、組織規模拡充も目指していくべきかもしれません。



――:海外展開はどのくらいの国・地域でやっているのでしょうか。

商品を展開しているのは、約50の国と地域です。先日、アンケートを行ったところ、あくまでお客様の申告ベースですが、100近い国・地域の方に遊んでいただいていることを確認しました。正式流通している国・地域数との間に乖離があるので、今後も正式流通できる国を増やしていきたいと考えています。乖離の要因としては恐らく、アニメの配信を観てくださって、アニメが好きだからゲームをオンライン通販で越境購入した、という方が多くいらっしゃるのではないかと思います。

商品展開については、日本では税込333円で販売している新シリーズ導入商品の英語版を4ドル前後で販売します。前後というのは、流通費や税金などが国によって異なるので、価格設定は少し異なるためですが、これまでの商品に比べるとだいぶリーズナブルな、挑戦的な価格になっていると思います。



――:アニメについてはほぼ同時で海外に出されるんですか。

3月24日に先行配信という形でYouTubeでアーカイブ化せずに行ないました。それにも字幕を付けて、海外のファンにも観ていただきました。現在、日本国内でアニメ放送と同日に、英語版と中国語のキャプションの付いたバージョンを配信しています。特に海外の方から多くのメッセージをいただいていて、非常に好感触を持っています。国内でもSNSで話題になっているのを確認しました。


――:それ以外にはなにかあるんでしょうか。

この段階で具体的には言いづらいのですが、新しい遊び方が生まれることに期待しています。私自身、サービスの将来を決めるのは、お客さま側にあると確信しています。過去、お世話になっていたブランドで印象に残っているエピソードが、いわゆるユーザージェネレートコンテンツ(UGC)の隆盛でした。

そのUGCは、公式がサポートしていない変則的なルールでユーザーさんたちが遊ぶというものでしたが、この遊び方がどんどん浸透していきました。そして、公式側がそうしたUGCの意義を評価して、その遊び方に対応した専用商品をメーカーとして販売するまでになりました。ユーザーさん発の企画が、ブランドを支える一大ジャンルにまで育ったという話です。



――:UGCというとどういうものだったのでしょうか。

カードゲームは一対一競技の側面が強いので、ファイトして勝った・負けたの話になりがちです。そこで生まれたUGCというと、みんなでワイワイと遊ぶ、多人数パーティゲームみたいな遊び方ですね。

想像もしないような遊び方がユーザー発で生まれてきて、それが無視できない存在になってきて、公式側も積極的に取り上げてサポートを開始したところ、ブランドを支える新しい柱に育ちました。叶うなら、『ヴァンガード』でもそういうことをやっていきたいですね。

『ヴァンガード』では、先日のインタビューでもお話したように、6つの国家によるネイションファイトが行なわれています。旧シリーズは、24のクランによるファイトが行なわれていました。

英語圏のお客様の多数派から、すべてのカードが使える形式のクランファイトこそが自分たちにとっての『ヴァンガード』のアイデンティティーだという意見をお聞きしました。この遊び方は日本では比較的少数派です。まったくお恥ずかしい話ですが、日本の本部では、作品のどんな面を英語版のユーザーさんたちが愛してくださっているのかをそこまで把握できていませんでした。いまは、お客様を知る努力に注力しています。



――:何がでてくるかわからないですが、UGCコンテンツは興味深いですね。

そうですね。私自身、コンテンツを考える上で、求心力と遠心力を重視しています。クランとクランファイトはいわば求心力でした。その求心力を大事に育てていくことによって、遠心力が生まれてビジネスの柱になっていく…これは過去に携わったブランドから学んだことです。今後の運営では、そういうことを大事にしていきたいと思っています。

そういう意味でいうと、これからの時代のモノ作りは、モノとコトと言いますけど、われわれ運営だけじゃなくて、お客さまが選んだものが大事にされていくべきだし、そうなるだろうなと思っています。



――:これ以外にやりたいとお考えのことはありますか?

同様にやっていきたいなと思うのは、お客様からの目立った声だけを見るのではなく、ビッグデータ分析のようなアプローチを増やすことです。現在日本ではイベントに参加してくださる方の利便性を向上するツールである「ブシナビ」を提供しており、ユーザーのイベント参加をスムーズにすると同時にユーザー個人単位のイベント参加状況を把握できますが、そういったことの海外版も考えていきたいです。

以前、デジタルカードゲームの仕事をさせていただいたときに、データで完全可視化されていることの美しさと恐ろしさ、そして、ここまで分かるんだという体験をしました。データ収集に限界のあるアナログのカードゲームの場合、サイレントマジョリティーへの理解に務めないと厳しくなると危機感を持っています。

デジタルカードゲームでは、お客様がどこで離脱している、どういう状況になると継続的に遊ぶ、といったデータが把握しやすくなっています。それに対して、アナログのカードゲームは、収集できるデータに限界があるため、どうしても運営側の推測と思い、しかも限られた観測範囲と自身の主観で語られる方が多いのが実情です。有識者でも俯瞰した視点で語れる人は少ないジャンルで、われわれ自身でも実は分かっていないかもという自覚をもって運用していきたいと思っています。



――:収集できるデータに限界があるからこそ、声の拾い方にも気をつける必要があるわけですね。

顕在化していないユーザーの反応や声から何を拾うかは、結局、事業判断するリーダーの責任です。さっきお話したUGCなどの新しい芽もそうですが、事業開発していくと、いかにいいアニメやカードを作るか、そしてそれをいかに実現するかを考えがちですが、その答えの多くはお客様にあるものと思っています。

メーカーとしてはお客様の好きなもの、求めるものを提供しているつもりだったのに、逆に「自分たちは、『ヴァンガード』のこういうところが好きだったんだ」とユーザーさんに指摘される…つまり、違うニーズがあったことに気づくわけです。そういったことをきちんと拾っていくことは大事だと思います。

多分、育たない芽というか、種を植えてみて、これはあんまり立派な木にはならなかった、というケースもあると思うんですけど、種をいくつか植えていれば、その中に大樹に育つものもあるのではないかと思います。



――:最後にメッセージをお願いいたします。

世界中がコロナで大変な目に遭って、おそらくマーケティングやブランド展開がどこの会社もゲームも思うようにできませんでしたが、それは『ヴァンガード』も同じでした。アナログゲームは一緒に遊ぶ良さがあると思いますので、感染対策を含めた新しいスタンダードに配慮しつつ、そこをもう一度充実させたいと考えています。

その上で、コンテンツの軸足である日本はもちろん、海外のお客様との交流にももっと目を向けていきたいと考えています。できれば海外の大会やイベントにオンライン、オフライン問わず、どんどん顔を出していきたいです。引き続き『ヴァンガード』をよろしくお願いいたします。



――:ありがとうございました。
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企業情報(株式会社ブシロード)

会社名 株式会社ブシロード
URL http://bushiroad.com/
設立 2007年5月
代表者 橋本義賢
決算期 7月
直近業績
上場区分 東証マザーズ
証券コード 7803

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