オンラインゲームを手掛けるIGG Inc.は10月18日、香港の新興企業向けのグロース・エンタープライズ・マーケット(GEM)に新規上場した。シンガポールを本拠地とし、Facebookなどを通じて世界各地でゲームを提供する。上場に伴う資金調達額は概算で6億8000万香港ドル(約86億円)となり、ゲームの広告費などにあてるという。IGGの新作であるAndroid向けゲーム『究極キャッスル攻防戦 - Castle Clash』は9月ごろ、Google Playの無料ダウンロードランキングの上位に顔を出していた(関連記事)。上場に伴って公開した資料から、IGGの業績やKPIなどを探った。(以下、1ドル98円で円換算)
■売上増加だが赤字基調が続く
2011年(12月末までの1年間)の売上高は3108万米ドル(約30億円)、2012年は4315万米ドル(約42億円)で、2013年1~5月の売上高は2425万米ドル(約23億円)と前年の同期間と比べて43%増えた。売上高は順調に伸びているが、最終損益は2011年に868万米ドル(約8.5億円)の赤字、2012年に1310万米ドル(約12.8億円)の赤字、13年1~5月も825万米ドル(約8億円)の赤字と、赤字が続いている。
■ブラウザ主力、Facebook向けストラテジーゲーム『Galaxy OnlineⅡ』が稼ぎ頭
IGGは2006年に設立され、MMORPGの運営からスタート。Facebookなどで提供するブラウザゲームが主力で、人気作はAndroid端末を中心にスマートフォン向けでも展開している。昨年までは、Facebook向けに提供しているブラウザのストラテジーゲームの『Galaxy OnlineⅡ』と、ブラウザなどで提供するMMORPG『Godswar』が売り上げの中心だったが、足もとではブラウザやモバイル向けに提供しているカジノゲーム『Texas HoldEm Poker Deluxe』や、ブラウザ向けMMORPG『Wing of Destiny』の存在感が増してきている。『Texas HoldEm Poker Deluxe』のMAUは5月末時点で、230万人近くと急速に伸びている。『Galaxy OnlineⅡ』と『Texas HoldEm Poker Deluxe』はAndroid版も提供している。
■7月リリースの『究極キャッスル攻防戦』が成長中、モバイル向けの存在感増す
13年1~9月という期間で区切ると、7月にリリースしたスマートフォン向けの『究極キャッスル攻防戦 - Castle Clash』が足もとで急成長しているという。同ゲームから生み出された売上高は1~9月で約720万米ドル(約7億円)、9月末時点のMAUも520万人に上ると試算している。
『究極キャッスル攻防戦 - Castle Clash』のリリース前の数字となるが、同社の業績全体でもモバイルの存在感が高まってきている。モバイルのMAUは急速に伸び、ブラウザを上回った。DAUもブラウザを上回りそうな勢いだ。ただ、1DAU当たりの売上高はモバイルが0.1ドル未満と小さく、ブラウザとクライアントに比べると見劣りする。同社の事業ポートフォリオの中で、モバイルは「薄利多売」、ブラウザとクライアントが比較的、高単価なビジネスになっているとみられる。
IGG株は10月18日の上場直後から買いが優勢となり、株価は公開価格(2.800香港ドル)を上回る3.080香港ドルで18日の取引を終えた。週明け21日も3香港ドルを上回る推移が続いた。なお、上場に際して、香港に上場する日本のパチンコホール運営企業であるダイナム・ジャパンホールディングスの香港傘下企業が出資した。
■関連リンク
・公開資料(web proof information pack)
・公式サイト
© 2006 - 2013 IGG Inc.
■売上増加だが赤字基調が続く
2011年(12月末までの1年間)の売上高は3108万米ドル(約30億円)、2012年は4315万米ドル(約42億円)で、2013年1~5月の売上高は2425万米ドル(約23億円)と前年の同期間と比べて43%増えた。売上高は順調に伸びているが、最終損益は2011年に868万米ドル(約8.5億円)の赤字、2012年に1310万米ドル(約12.8億円)の赤字、13年1~5月も825万米ドル(約8億円)の赤字と、赤字が続いている。
■ブラウザ主力、Facebook向けストラテジーゲーム『Galaxy OnlineⅡ』が稼ぎ頭
IGGは2006年に設立され、MMORPGの運営からスタート。Facebookなどで提供するブラウザゲームが主力で、人気作はAndroid端末を中心にスマートフォン向けでも展開している。昨年までは、Facebook向けに提供しているブラウザのストラテジーゲームの『Galaxy OnlineⅡ』と、ブラウザなどで提供するMMORPG『Godswar』が売り上げの中心だったが、足もとではブラウザやモバイル向けに提供しているカジノゲーム『Texas HoldEm Poker Deluxe』や、ブラウザ向けMMORPG『Wing of Destiny』の存在感が増してきている。『Texas HoldEm Poker Deluxe』のMAUは5月末時点で、230万人近くと急速に伸びている。『Galaxy OnlineⅡ』と『Texas HoldEm Poker Deluxe』はAndroid版も提供している。
■7月リリースの『究極キャッスル攻防戦』が成長中、モバイル向けの存在感増す
13年1~9月という期間で区切ると、7月にリリースしたスマートフォン向けの『究極キャッスル攻防戦 - Castle Clash』が足もとで急成長しているという。同ゲームから生み出された売上高は1~9月で約720万米ドル(約7億円)、9月末時点のMAUも520万人に上ると試算している。
『究極キャッスル攻防戦 - Castle Clash』のリリース前の数字となるが、同社の業績全体でもモバイルの存在感が高まってきている。モバイルのMAUは急速に伸び、ブラウザを上回った。DAUもブラウザを上回りそうな勢いだ。ただ、1DAU当たりの売上高はモバイルが0.1ドル未満と小さく、ブラウザとクライアントに比べると見劣りする。同社の事業ポートフォリオの中で、モバイルは「薄利多売」、ブラウザとクライアントが比較的、高単価なビジネスになっているとみられる。
IGG株は10月18日の上場直後から買いが優勢となり、株価は公開価格(2.800香港ドル)を上回る3.080香港ドルで18日の取引を終えた。週明け21日も3香港ドルを上回る推移が続いた。なお、上場に際して、香港に上場する日本のパチンコホール運営企業であるダイナム・ジャパンホールディングスの香港傘下企業が出資した。
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