ドワンゴからスピンアウトする形で2012年2月に設立されたキテラス。ドワンゴの「niconico」サービスを、PC以外のコンシューマーエレクトロニクス機器向けに対応させるのがメイン事業だ。今後のビジネス展望と求める人材について、鈴木慎之介社長に話を聞いた。
■「niconico」のCE機器対応を進める新会社が誕生
「ネットとリアルをつなぐさまざまなデバイスが私たちのターゲット。ニコニコ動画、ニコニコ生放送などを含めたさまざまなネット上のサービスを、あらゆるデバイスで楽しめるように、アプリケーションやマルチプラットフォームの開発を深めていきます」
と、キテラスの事業目的を語るのは鈴木慎之介社長だ。国内屈指の動画視聴サイト「ニコニコ動画」を、ドワンゴ時代わずか5日間で実装したエンジニアとして知られる。
現在は「niconico」と総称される各種の動画サービスの立ち上げのあと、これらをPS Vita やテレビなどコンシューマーエレクトロニクス機器(CE機器)で視聴する環境づくりのために、コンシューマーエレクトロニクス事業部を立ち上げ、その初代部長に就任した。今回のキテラスはその事業がそのまま分社化した格好だが、あえて分社した理由をこう語る。
「エンジニアの気質として、Webサービスの開発にあたる人と、CE機器の組込み系エンジニアでは少し肌合いが違うことに気づいていました。後者はよい意味での職人気質、頑固親父タイプの人が多い。自分の仕事にコツコツと取り組み、製品クォリティにこだわりをもっている。この人たちの良さを、ドワンゴグループの中で活かすためには、あえて分社したほうがよいと判断しました」
キテラスの社名は、「奇を衒(てら)う」という言葉からヒントを得た。「予想外を狙う、人と違ったことをして気を引く」という含意がそこにはある。
「組込み系アプリの開発でも、たんにデバイスメーカーの仕様通りにつくればいいというものではない。例えば仕様上は対応していない動画フォーマットも独自の実装で対応してみせて、こういう方法もありますよ、と逆に提案するようなエンジニアもいる。決して思考停止せず、粘り強く開発を続けることを、新しい会社の技術風土にしていきたいと思っています」
■リアルとネットをつなぐ新サービスを画策中
現在社員規模は30人。PS Vita、ソニー、パナソニックのテレビ、セットトップボックスなどへ「niconico」サービスを対応させてきたが、さらに対応デバイスが増えればそれだけ人が必要になる。スマートTV、スマートフォン、コンシュマーゲーム機、家電向けの組込みアプリケーションや、Webアプリ開発のエンジニアおよびディレクターの採用を強める。
ただそこで採用されたエンジニアの仕事は既存サービスのマルチデバイス対応だけに止まらない。キテラスには、これまで誰も体験したことがないような新規サービスという“隠し球”があるのだ。
「あまり詳しく言えないのが残念ですが、少しだけヒントをだすならば、リアルと現実をつないだ、新しい”アソビ”を創る、といったようなものでしょうか。昔はよく外で遊ぶような風景が見られましたが、ライフスタイルの変化や、スマホの出現により、現在はそれが少なくなっているように見えます。そのこと自体は時代の変化として捉えれば仕方のない話ですが、楽しみ方を現実だけではなく、ネットユーザーと共有する、いわば、現実世界での”アソビ”とネットを融合させ、新しいエンターテインメントを創りだすことを考えております。利用する技術要素としては、ネットのリアルタイム放送、そしてAR(拡張現実)です。これ以上はご想像にお任せしますが、ちょっとワクワクしてきませんか?」
と、鈴木氏は“新規サービス”のヒントを匂わす。実際は出てからのお楽しみだ。
ただ、新しい技術を一つのアプリに集約し、エンタテインメント性の高いサービスとして提供するには、相当手間ひまがかかる。拙速と中途半端は要注意だ。
「ARにしても、たんなる画面合成じゃんと思われたら終わりですからね。だからこそ私たちも、仮想と現実の接続部分にはもっとこだわりたい。ネットで話題になるようなサービスをゼロベースからつくりたいと思う人には、きっとワクワクできる仕事になるのではないでしょうか」と、鈴木氏は言うのだ。
■コードで愛を語れる、尖ったエンジニア大歓迎
中途半端なものはつくりたくない。だからこそ、採用には高いハードルを課す。技術情報の収集力とその実装力がポイントだ。Web系、組込み系、サーバー系など業種は問わない。趣味ですごいアプリを書いているようなフリーのエンジニアもOKだ。
「自分の開発力、ソースコードに自信をもって、そこに“愛”を込められるような人。誰かが止めても、自分が満足できるまでコーディングの手を止めないような人。」
その意味で尖ったエンジニアは大歓迎だ。ただ鈴木氏自身が相当に「尖った」人。
「すべてのプロダクトには私がプロデューサーとして参画しています。企画や開発については口うるさいほうですよ(笑)」
社長みずからの前陣速攻型のツッコミを、きちんとレシーブできる人でないと、キテラスのエンジニアは務まらないかもしれない。
昨今の日本の家電・CE機器業界の沈滞ぶりを憂う。「この業界には優れたエンジニアがたくさんいるのに、そういう人たちが不遇をかこっているのが許せない。リアルとネットをつなぐ新しい事業にぜひ挑戦して欲しい」と、鈴木社長はエールを送るのだった。
■02月16日(日)、鈴木社長も参加する採用セミナー(ディレクター、エンジニア対象)を開催
キテラスでは、エンジニアやディレクターなど、新しい人材を積極的に採用している最中だ。最近では家庭用ゲーム業界出身者をはじめ、ソーシャルゲーム業界やメディア運営企業在籍者からも集まってきている。
2月16日(日)に開催する採用セミナーでは、鈴木社長も参加し、様々なバックボーンを持つエンジニアたちが、今、何に夢中になり、何を企んでいるか。実際にプロジェクトの話も交えて話を行う予定。ドワンゴグループの中でも特にギークな集団であるキテラスについて興味を持った方は、ぜひ採用セミナーに参加してみてはどうだろう。
※セミナーに参加できない方は、通常応募も可能なので、下記エントリーページより応募してほしい。
■「niconico」のCE機器対応を進める新会社が誕生
「ネットとリアルをつなぐさまざまなデバイスが私たちのターゲット。ニコニコ動画、ニコニコ生放送などを含めたさまざまなネット上のサービスを、あらゆるデバイスで楽しめるように、アプリケーションやマルチプラットフォームの開発を深めていきます」
と、キテラスの事業目的を語るのは鈴木慎之介社長だ。国内屈指の動画視聴サイト「ニコニコ動画」を、ドワンゴ時代わずか5日間で実装したエンジニアとして知られる。
現在は「niconico」と総称される各種の動画サービスの立ち上げのあと、これらをPS Vita やテレビなどコンシューマーエレクトロニクス機器(CE機器)で視聴する環境づくりのために、コンシューマーエレクトロニクス事業部を立ち上げ、その初代部長に就任した。今回のキテラスはその事業がそのまま分社化した格好だが、あえて分社した理由をこう語る。
「エンジニアの気質として、Webサービスの開発にあたる人と、CE機器の組込み系エンジニアでは少し肌合いが違うことに気づいていました。後者はよい意味での職人気質、頑固親父タイプの人が多い。自分の仕事にコツコツと取り組み、製品クォリティにこだわりをもっている。この人たちの良さを、ドワンゴグループの中で活かすためには、あえて分社したほうがよいと判断しました」
キテラスの社名は、「奇を衒(てら)う」という言葉からヒントを得た。「予想外を狙う、人と違ったことをして気を引く」という含意がそこにはある。
「組込み系アプリの開発でも、たんにデバイスメーカーの仕様通りにつくればいいというものではない。例えば仕様上は対応していない動画フォーマットも独自の実装で対応してみせて、こういう方法もありますよ、と逆に提案するようなエンジニアもいる。決して思考停止せず、粘り強く開発を続けることを、新しい会社の技術風土にしていきたいと思っています」
■リアルとネットをつなぐ新サービスを画策中
現在社員規模は30人。PS Vita、ソニー、パナソニックのテレビ、セットトップボックスなどへ「niconico」サービスを対応させてきたが、さらに対応デバイスが増えればそれだけ人が必要になる。スマートTV、スマートフォン、コンシュマーゲーム機、家電向けの組込みアプリケーションや、Webアプリ開発のエンジニアおよびディレクターの採用を強める。
ただそこで採用されたエンジニアの仕事は既存サービスのマルチデバイス対応だけに止まらない。キテラスには、これまで誰も体験したことがないような新規サービスという“隠し球”があるのだ。
「あまり詳しく言えないのが残念ですが、少しだけヒントをだすならば、リアルと現実をつないだ、新しい”アソビ”を創る、といったようなものでしょうか。昔はよく外で遊ぶような風景が見られましたが、ライフスタイルの変化や、スマホの出現により、現在はそれが少なくなっているように見えます。そのこと自体は時代の変化として捉えれば仕方のない話ですが、楽しみ方を現実だけではなく、ネットユーザーと共有する、いわば、現実世界での”アソビ”とネットを融合させ、新しいエンターテインメントを創りだすことを考えております。利用する技術要素としては、ネットのリアルタイム放送、そしてAR(拡張現実)です。これ以上はご想像にお任せしますが、ちょっとワクワクしてきませんか?」
と、鈴木氏は“新規サービス”のヒントを匂わす。実際は出てからのお楽しみだ。
ただ、新しい技術を一つのアプリに集約し、エンタテインメント性の高いサービスとして提供するには、相当手間ひまがかかる。拙速と中途半端は要注意だ。
「ARにしても、たんなる画面合成じゃんと思われたら終わりですからね。だからこそ私たちも、仮想と現実の接続部分にはもっとこだわりたい。ネットで話題になるようなサービスをゼロベースからつくりたいと思う人には、きっとワクワクできる仕事になるのではないでしょうか」と、鈴木氏は言うのだ。
■コードで愛を語れる、尖ったエンジニア大歓迎
中途半端なものはつくりたくない。だからこそ、採用には高いハードルを課す。技術情報の収集力とその実装力がポイントだ。Web系、組込み系、サーバー系など業種は問わない。趣味ですごいアプリを書いているようなフリーのエンジニアもOKだ。
「自分の開発力、ソースコードに自信をもって、そこに“愛”を込められるような人。誰かが止めても、自分が満足できるまでコーディングの手を止めないような人。」
その意味で尖ったエンジニアは大歓迎だ。ただ鈴木氏自身が相当に「尖った」人。
「すべてのプロダクトには私がプロデューサーとして参画しています。企画や開発については口うるさいほうですよ(笑)」
社長みずからの前陣速攻型のツッコミを、きちんとレシーブできる人でないと、キテラスのエンジニアは務まらないかもしれない。
昨今の日本の家電・CE機器業界の沈滞ぶりを憂う。「この業界には優れたエンジニアがたくさんいるのに、そういう人たちが不遇をかこっているのが許せない。リアルとネットをつなぐ新しい事業にぜひ挑戦して欲しい」と、鈴木社長はエールを送るのだった。
■02月16日(日)、鈴木社長も参加する採用セミナー(ディレクター、エンジニア対象)を開催
キテラスでは、エンジニアやディレクターなど、新しい人材を積極的に採用している最中だ。最近では家庭用ゲーム業界出身者をはじめ、ソーシャルゲーム業界やメディア運営企業在籍者からも集まってきている。
2月16日(日)に開催する採用セミナーでは、鈴木社長も参加し、様々なバックボーンを持つエンジニアたちが、今、何に夢中になり、何を企んでいるか。実際にプロジェクトの話も交えて話を行う予定。ドワンゴグループの中でも特にギークな集団であるキテラスについて興味を持った方は、ぜひ採用セミナーに参加してみてはどうだろう。
※セミナーに参加できない方は、通常応募も可能なので、下記エントリーページより応募してほしい。
会社情報
- 会社名
- 株式会社キテラス
- 設立
- 2012年2月
- 代表者
- 鈴木慎之介
- 直近業績
- 非公開
- 上場区分
- 未上場