【ゲーム株概況】決算確認でGMOインターネットが9%高…コロプラには売り続く

5月2日の東京株式市場では全体相場の動きが鈍いこともあって、ゲーム株もまちまちの展開となった。前日に決算を発表したGMOインターネット<9449>が買われた一方、コロプラ<3668>には売りが続いている。

GMOインターネットは前日比83円(8.8%)高の1023円で取引を終えた。前日の取引終了後に発表した1~3月期の連結決算は、売上高が前年同期比で2割近く増えた一方、販促活動の積極化など先行投資の影響で営業利益が22%減った(関連記事)。3月以降、株価は下げ基調で推移しており、減益決算発表で悪材料が出尽くしたとする見方から、買い戻しなどが入ったようだ。

決算会見で同社の熊谷正寿社長が「投資回収できないわけがない」と強気の発言をしたことが報じられたことも、買い材料となったもよう。

一方、売りが続いたのは、一昨日、第2四半期決算を発表したコロプラだ。一時は2314円と、今年の最安値である2289円に接近。終値は前日比で7%近く安い2336円だった。2014年9月期通期の業績予想を据え置いたことが売り材料になったとする見方が多い。

現在の通期業績予想から上半期(第2四半期までの累計)の業績を単純に差し引くと、下半期は上半期と比べて、わずかながら減収減益の見通しとなっており、市場の一部では成長一服の懸念が浮上したという。連休前に手放しておこうとする手じまい売りも広がったようだ。

減益決算のGMOが買われた一方、6割増益を発表したコロプラが売られていることに疑問を抱く方も多いかもしれない。前日終値時点で、株価が一株あたり利益(通期予想)の何倍まで買われているかを示すPERという指標をみると、コロプラは30倍。GMOの20倍や、モバイルゲーム最大手のガンホーの12倍と比べて、割高な水準となっている。

PERの高さは、今後もコロプラの高成長が続くとの期待が株価に織り込まれていることを示している。仮に下半期が据え置いた会社予想通り横ばいだと、失望売りが広がる可能性がある。新作のヒットや既存タイトルの復調などで、業績予想を一段と上方修正できるかどうかが、株価持ち直しのカギとなってくるだろう。


以下、2日の主なゲーム企業の株価と騰落(単位は円)。
銘柄名 コード 終値 前日比 前日比率
GMOインターネット 9449 1,023 83 8.83%
オルトプラス 3672 1,414 44 3.21%
日本一ソフトウェア 3851 676 21 3.21%
グリー 3632 1,025 24 2.40%
エイチーム 3662 4,690 80 1.74%
ドリコム 3793 2,574 31 1.22%
KLab 3656 557 6 1.09%
任天堂 7974 10,970 110 1.01%
ボルテージ 3639 1,314 12 0.92%
アエリア 3758 1,400 11 0.79%
ガーラ 4777 166 1 0.61%
スクウェア・エニックスHD 9684 1,661 8 0.48%
ガンホー 3765 580 2 0.35%
ネクソン 3659 812 2 0.25%
日本ファルコム 3723 857 -1 -0.12%
カプコン 9697 1,764 -5 -0.28%
セガサミーHD 6460 2,068 -8 -0.39%
enish 3667 1,635 -7 -0.43%
ミクシィ 2121 5,450 -50 -0.91%
ディー・エヌ・エー 2432 1,700 -23 -1.33%
コナミ 9766 2,282 -33 -1.43%
コーエーテクモHD 3635 1,239 -18 -1.43%
サイバーエージェント 4751 4,195 -65 -1.53%
バンダイナムコHD 7832 2,223 -36 -1.59%
アクセルマーク 3624 690 -15 -2.13%
クルーズ 2138 4,095 -95 -2.27%
マーベラスAQL 7844 674 -16 -2.32%
ケイブ 3760 1,625 -52 -3.10%
モブキャスト 3664 771 -34 -4.22%
コロプラ 3668 2,336 -175 -6.97%
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
企業データを見る
GMOインターネットグループ株式会社
http://www.gmo.jp/

会社情報

会社名
GMOインターネットグループ株式会社
設立
1991年5月
代表者
代表取締役会長兼社長・グループ代表 熊谷 正寿
決算期
12月
直近業績
売上高2456億9600万円、営業利益437億4600万円、経常利益460億2500万円、最終利益132億900万円(2022年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9449
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