エイチーム<3662>は6月13日、2014年7月期第3四半期(3Q、14年2~4月)の決算を発表し、都内で決算説明会を開催した。3Qの売上高は前四半期比7%増の30.85億円、営業利益は45%増の3.69億円と、増収増益を達成。エンターテインメント(モバイルゲーム)事業が伸び悩む一方、生活関連サイトを運営するライフスタイルサポート事業の成長が支えとなった。
林高生社長は説明会で、第3四半期を迎えた今期の状況について「エンタメ事業の新作が想定ほど伸びなかったが、ライフ事業が成長し、売上を下支えした」と総括。3Qの収益水準を「実力値」と述べ、「第4四半期(4Q、5~7月)も同様の数字で推移するだろう」と述べた。
なお、株式市場の注目が集まる、LINEやカカオといったメッセンジャー向けゲームについては、「鋭意開発中」と述べるにとどめた。開発本数やリリース時期などに関する質問が相次いだが、「パブリッシャー(NHNエンターテインメント)やプラットフォーマーとの関係もあり、単独では決められない」と説明。ただ、エンタメ事業で「今期中(7月末まで)に新規タイトルを出すことは難しい」と指摘した。(以下、断りがなければ、かぎ括弧内は林社長の発言)
エンタメ事業の3Qの売上高は15.62億円、営業利益は4.66億円だった。前年同期比では売上高3%増、営業利益38%増と増収増益だが、前四半期比では売上高5%減、営業利益32%増と減収増益だった。コスト改善が利益回復の要因だ。
タイトル別では、『レギオンウォー』、『ダークサマナー』、『ダービーインパクト』が堅調で月商1億円を維持するなど堅調。ただ、年末年始イベントのあった2Qの反動減が響き、前四半期比では減収となった。
足もとの売上状況について、『レギオンウォー』はゲーム内容が複雑になったことでやや伸び悩みを見せている一方、ダークサマナーはライトユーザー向けの施策に変えたことで増加基調に回帰していると説明した。
新作のリリースについては来期(2014年8月以降)にずれ込む見通しだという。「今期新規タイトルを出すことは難しい。慌てて出すより、品質を良い状態で出した方が良いだろう」という判断からだ。(写真は説明会での林社長)
今期リリースを予定していた自社タイトルのうち一部を中止し、メッセンジャー向けに注力しているという。オリジナルとメッセンジャー向けの開発本数は「だいたい半々」(中内之公・取締役エンターテインメント事業本部長)とのこと。メッセンジャー向けはNHNエンターテインメントやプラットフォーマー(LINEなど)と協力しながら、品質向上に努めている段階だ。
なお、エンタメ事業に含まれる生理日予測・排卵日予測サイト『ラルーン』については200万ダウンロード、月間1億PV(ページビュー)を達成している。
ライフ事業の3Qの売上高は17.47億円、営業利益は2.61億円だった。前年同期比では売上高34%増、営業利益32%増、前四半期比では売上高22%増、営業利益36%増と、それぞれ大幅な増収増益を達成した。
引越し比較サイトの「引越し侍」は、繁忙期とあって、四半期として過去最高の売上を達成した。引越し関連キーワードでの検索結果が改善(検索結果で上位に登場)。顧客の獲得単価が継続的に低下しているため、利益面も大幅に回復しているという。引越しのときに発生する周辺商材にも力を入れ、一人当たりの単価を上げていく方針という。
中古車査定・買取サイトの「ナビくる」は、引越し繁忙期に消費税増税前の駆け込み需要から好調。ただ、4月以降、駆け込み需要の反動減が出ており、件数は前四半期比で減った。
ライフスタイル事業全体でみると、既存事業の利益は改善しているが、先行投資が利益の重荷となっている格好だ。現在、自転車通販サイト「CYMA(サイマ)』やキャッシングの比較サイトなど新規事業に先行投資。四半期で新規事業に億単位で投資しているという。
また、今後は「CMなどでブランド認知度上げていく。ブランド指名の検索で、リスティング広告(検索連動広告)単価の低下を目指す」方針だ。「すぐ婚ナビ」は当初のコンセプト通り、「半年以内」のブライダルにおけるシェアを取っていく方向で強化しているという。
広告費は、ライフスタイル事業では繁忙期、駆け込み需要、新規事業拡大に向けて増加。エンタメ事業では減少基調が続いた。4Qについては、ライフスタイル事業では、繁忙期が過ぎたため、第2四半期(2Q)並に低下する見通しとのこと。エンタメについては3Qと「ほぼ同額」と見込んでいた。
全体の人員は538名と増加基調が続いている。とりわけ新卒は過去最高の34名が入社。子会社採用を進めているという。
林高生社長は説明会で、第3四半期を迎えた今期の状況について「エンタメ事業の新作が想定ほど伸びなかったが、ライフ事業が成長し、売上を下支えした」と総括。3Qの収益水準を「実力値」と述べ、「第4四半期(4Q、5~7月)も同様の数字で推移するだろう」と述べた。
なお、株式市場の注目が集まる、LINEやカカオといったメッセンジャー向けゲームについては、「鋭意開発中」と述べるにとどめた。開発本数やリリース時期などに関する質問が相次いだが、「パブリッシャー(NHNエンターテインメント)やプラットフォーマーとの関係もあり、単独では決められない」と説明。ただ、エンタメ事業で「今期中(7月末まで)に新規タイトルを出すことは難しい」と指摘した。(以下、断りがなければ、かぎ括弧内は林社長の発言)
▼エイチーム全体の直近の業績動向
■エンタメ事業:売上は年末年始イベントの反動減、コスト改善で利益回復
エンタメ事業の3Qの売上高は15.62億円、営業利益は4.66億円だった。前年同期比では売上高3%増、営業利益38%増と増収増益だが、前四半期比では売上高5%減、営業利益32%増と減収増益だった。コスト改善が利益回復の要因だ。
タイトル別では、『レギオンウォー』、『ダークサマナー』、『ダービーインパクト』が堅調で月商1億円を維持するなど堅調。ただ、年末年始イベントのあった2Qの反動減が響き、前四半期比では減収となった。
足もとの売上状況について、『レギオンウォー』はゲーム内容が複雑になったことでやや伸び悩みを見せている一方、ダークサマナーはライトユーザー向けの施策に変えたことで増加基調に回帰していると説明した。
■エンタメ事業:新作リリースは8月以降の見通し
新作のリリースについては来期(2014年8月以降)にずれ込む見通しだという。「今期新規タイトルを出すことは難しい。慌てて出すより、品質を良い状態で出した方が良いだろう」という判断からだ。(写真は説明会での林社長)
今期リリースを予定していた自社タイトルのうち一部を中止し、メッセンジャー向けに注力しているという。オリジナルとメッセンジャー向けの開発本数は「だいたい半々」(中内之公・取締役エンターテインメント事業本部長)とのこと。メッセンジャー向けはNHNエンターテインメントやプラットフォーマー(LINEなど)と協力しながら、品質向上に努めている段階だ。
なお、エンタメ事業に含まれる生理日予測・排卵日予測サイト『ラルーン』については200万ダウンロード、月間1億PV(ページビュー)を達成している。
■ライフスタイル事業:増収増益…繁忙期、検索結果など環境改善で利益も回復
ライフ事業の3Qの売上高は17.47億円、営業利益は2.61億円だった。前年同期比では売上高34%増、営業利益32%増、前四半期比では売上高22%増、営業利益36%増と、それぞれ大幅な増収増益を達成した。
中古車査定・買取サイトの「ナビくる」は、引越し繁忙期に消費税増税前の駆け込み需要から好調。ただ、4月以降、駆け込み需要の反動減が出ており、件数は前四半期比で減った。
ライフスタイル事業全体でみると、既存事業の利益は改善しているが、先行投資が利益の重荷となっている格好だ。現在、自転車通販サイト「CYMA(サイマ)』やキャッシングの比較サイトなど新規事業に先行投資。四半期で新規事業に億単位で投資しているという。
また、今後は「CMなどでブランド認知度上げていく。ブランド指名の検索で、リスティング広告(検索連動広告)単価の低下を目指す」方針だ。「すぐ婚ナビ」は当初のコンセプト通り、「半年以内」のブライダルにおけるシェアを取っていく方向で強化しているという。
■ゲーム事業の広告費は横ばい、人員は530人超え
広告費は、ライフスタイル事業では繁忙期、駆け込み需要、新規事業拡大に向けて増加。エンタメ事業では減少基調が続いた。4Qについては、ライフスタイル事業では、繁忙期が過ぎたため、第2四半期(2Q)並に低下する見通しとのこと。エンタメについては3Qと「ほぼ同額」と見込んでいた。
全体の人員は538名と増加基調が続いている。とりわけ新卒は過去最高の34名が入社。子会社採用を進めているという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662