IGポート、2014年5月期の営業益は3.2倍の6億円…「進撃の巨人」や「黒子のバスケ 第2期」を制作 15年5月期は減益計画

アニメーション制作・出版のIGポート<3791>は7月11日、2014年5月期の通期連結決算を発表した。売上高は前の期比6%増の69.8億円、営業利益は3.2倍の6.5億円、経常利益は2.6倍の6.3億円、純利益は3.6倍の4.6億円と、増収増益となった。映像制作事業や出版事業が好調で、従来計画から上振れた。映像制作事業は黒字に転換、出版事業も利益率の高い電子書籍の収入が倍増した。

同社はアニメ「進撃の巨人」を制作。2013年4月から9月にかけて放映され、人気を博した。2013年10月から14年3月にかけては、人気作品「黒子のバスケ」第2期を放映した



なお、2015年5月期の業績予想も公開。売上高は18%増の82億円、営業利益は29%減の4.6億円、純利益は30%減の3.2億円と、増収・減益を予想する。




2014年5月期の事業分野別の概況は以下の通り。

映像制作事業:売上高は39.99億円(前の期比9%増)、営業利益は1.04億円(同9985万円の赤字)と、増収・黒字転換を果たした。劇場用アニメ「ジョバンニの島」、テレビ用アニメ「進撃の巨人」「黒子のバスケ 第2期」「フューチャーカード バディファイト」「鬼灯の冷徹」「げんしけん 二代目」「ハイキュー!!」など、ビデオ用アニメ「攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers」「進撃の巨人」などを制作した。

出版事業:売上高は12.96億円(同1%増)、営業利益は8375万円(同23.5倍)と大幅な増益となった。利益率の高い電子書籍での収入が昨年度比で倍増したため、収益が大幅に改善した。

コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックブレイド」と「月刊コミックアヴァルス」を毎月刊行。コミックス(単行本)は「あまんちゅ!」などの最新刊や、子会社が制作するテレビ用アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集」などを刊行。テレビアニメ化が決定した既刊の「曇天に笑う」は販売好調だったほか、今年4月に刊行された新刊の「魔法使いの嫁」第1巻も、販売好調で重版を行い10万部を突破した。

版権事業:売上高は14.09億円(同3%減)、営業利益は5.72億円(52%増)と、減収ながら利益は改善。大型作品への出資による映像マスターの減価償却が終わり、費用負担が減った。BDや関連商品の販売、有料配信が好調な「進撃の巨人」や「宇宙戦艦ヤマト2199」をはじめ「翠星のガルガンティア」「攻殻機動隊ARISE」「PSYCHO-PASS サイコパス」「黒子のバスケ シリーズ」などの二次利用による収益分配を計上した。

その他事業:売上高は2.78億円(同45%増)となり、営業利益は92万円(同89%減)だった。雑誌のイラスト書きやキャラクターの商品化、人気コンテンツである攻殻機動隊のiOS端末向けアプリなどを手掛けている。

 
株式会社IGポート
https://www.igport.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社IGポート
設立
1987年12月
代表者
代表取締役社長 石川 光久
決算期
5月
直近業績
売上高118億4100万円、営業利益12億2500万円、経常利益13億8000万円、最終利益11億5800万円(2024年5月期)
上場区分
東証
証券コード
3791
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