「国産クラウドの地位を高めたい」 トライフォート小俣氏と緒方氏が語る「TriFort Cloud」の展開 ソーシャルゲーム開発・運用ノウハウを駆使し低コスト&安定性を実現
トライフォートは、このほど、マネージドクラウド事業を開始し、ソーシャルゲームに特化したクラウドサーバーサービス「TriFort Cloud(トライフォートクラウド)」の提供を開始した(関連記事)。WiLが運営するファンドの第一号案件として4億円の資金調達を行ったことで注目を集めた同社だが(関連記事)、今回、サービスの特徴について、トライフォート創業者でCTOの小俣泰明氏と、マネージドクラウド部部長の緒方崇允氏に話を聞いた。
さて、ここ最近のソーシャルゲーム・スマートフォンゲーム業界では、インフラに関して、有力なソーシャルゲームやスマートフォンゲームなどでも問題になるケースが目立っている。例えば、『うたプリアイランド』や『Angel Beats! -Operation Wars-』、『アイドルマスター SideM』など、期待を集めたタイトルがサービス開始後、トラフィックの急増に対応できず、すぐにサービスを停止し、数ヶ月の長期メンテナンスに入ってしまう。なぜこういった事例が目立つのか。
小俣氏は個々の事例の詳細はわからないため、あくまで一般論と前置きしたうえで「サーバー台数などインフラだけでなく、データベースの設計に問題を抱えていることが多い。それ以前に十分な事前の負荷テストを行っていないことも多い。大変もったいないこと。」と解説する。ソーシャルゲームを手がけた実績のない会社では、インフラエンジニアが在籍せず、フロントエンドのエンジニアが急遽、対応することが多いため、大規模トラフィックを捌くノウハウが不足していることが多いそうだ。
今回提供を開始した「TriFort Cloud」は、トライフォートがこれまでに受託開発・運用を手掛けてきた全12タイトルのノウハウをもとに構築したクラウドサーバーサービス。スマートフォンアプリやソーシャルゲームの開発会社に、ゲームユーザーにサービス提供を行う際に必要なサーバー構築から運用までに関する作業を一括で提供するサービスで、ソーシャルゲームに特化している点に特徴がある。
それでは、「ソーシャルゲームへの特化」とはどういう意味か。トライフォートの緒方氏は、
(1)ソーシャルゲームでは、サービス開始後や、リアルタイムバトルなどの時にトラフィックが急増することがある。トラフィックの増減に対して柔軟に設計・対応できること。
(2)月商1億円規模のタイトルを手がけた実績から、想定されるユーザー規模に最適なサーバー台数や設計が行えること。このため、サーバーコストは有力なクラウドサービスの半額程度に抑えることができる。
(3)サービス開始前の十分な負荷テストなど、サーバーを貸し出すだけでなく、顧客とともにサービスを作り上げていくこと。
といった点にあると説明した。もちろん、ECサイトやWEBメディアなどの開発・運用にも対応可能なのだが、より得意とするのがソーシャルゲームという意味だ。
小俣氏は、「当社は、受託サービスとしてリアルタイム・ギルドバトルゲームや月商1億円超タイトルの運用実績があり、トラフィックの急増などを考慮した、最適な規模でのインフラが設計・構築できる。大手クラウドサービスのように貸しっぱなしではなく、設計・開発・運用も行うため、サービスの安定運用にも責任を持つ。インフラ構築・運用に不安のある会社にこそサービスを利用してもらいたい。顧客は得意とするアプリ開発に集中し、当社がサーバーの構築・運用を担当することで、安定したサービスを提供し、機会損失をなくすことができる。」と語った。つまり、ソーシャルゲームで一定の実績を持つ会社というよりも、これからスマートフォンアプリ事業への参入を目論む家庭用ゲームソフトの開発会社などを念頭に置いたサービスとなっているそうだ。
その一方で、一定の規模のタイトルを運用するソーシャルゲーム企業にもサービスを売り込みたいとも考えているとのこと。というのは「上位のスマートフォン・ソーシャルゲーム会社は、自前でインフラをもった方がコスト的にも有利だが、中堅以下の企業の場合、大手クラウドサービスを使うとインフラコストが非常に高くなる傾向にある。当社のサービスを使うことで、大手クラウドサービスのサーバーコストに比べて、半額程度に抑えることができる」(小俣氏)ためだ。海外の大手クラウドサーヒスの高コストを考えると、大きなビジネスチャンスがある。
小俣氏は、「ソーシャルゲームのクラウドサービスは、割高な海外系サービスが圧倒的に強いのが現状だ。『TriFort Cloud』を通じて、国産サービスの地位を高めていきたい」と意気込む。同社では、「TriFort Cloud」の導入会社は、初年度で20~30社を目指しており、今後、現在開発中の自社タイトルと、ソーシャルゲームの受託開発、そして本サービスにより業績を伸ばし、できるだけ早期のIPO(新規上場)に向けて準備を進めているという。
さて、ここ最近のソーシャルゲーム・スマートフォンゲーム業界では、インフラに関して、有力なソーシャルゲームやスマートフォンゲームなどでも問題になるケースが目立っている。例えば、『うたプリアイランド』や『Angel Beats! -Operation Wars-』、『アイドルマスター SideM』など、期待を集めたタイトルがサービス開始後、トラフィックの急増に対応できず、すぐにサービスを停止し、数ヶ月の長期メンテナンスに入ってしまう。なぜこういった事例が目立つのか。
小俣氏は個々の事例の詳細はわからないため、あくまで一般論と前置きしたうえで「サーバー台数などインフラだけでなく、データベースの設計に問題を抱えていることが多い。それ以前に十分な事前の負荷テストを行っていないことも多い。大変もったいないこと。」と解説する。ソーシャルゲームを手がけた実績のない会社では、インフラエンジニアが在籍せず、フロントエンドのエンジニアが急遽、対応することが多いため、大規模トラフィックを捌くノウハウが不足していることが多いそうだ。
【緒方氏(左)と小俣氏(右)】
今回提供を開始した「TriFort Cloud」は、トライフォートがこれまでに受託開発・運用を手掛けてきた全12タイトルのノウハウをもとに構築したクラウドサーバーサービス。スマートフォンアプリやソーシャルゲームの開発会社に、ゲームユーザーにサービス提供を行う際に必要なサーバー構築から運用までに関する作業を一括で提供するサービスで、ソーシャルゲームに特化している点に特徴がある。
それでは、「ソーシャルゲームへの特化」とはどういう意味か。トライフォートの緒方氏は、
(1)ソーシャルゲームでは、サービス開始後や、リアルタイムバトルなどの時にトラフィックが急増することがある。トラフィックの増減に対して柔軟に設計・対応できること。
(2)月商1億円規模のタイトルを手がけた実績から、想定されるユーザー規模に最適なサーバー台数や設計が行えること。このため、サーバーコストは有力なクラウドサービスの半額程度に抑えることができる。
(3)サービス開始前の十分な負荷テストなど、サーバーを貸し出すだけでなく、顧客とともにサービスを作り上げていくこと。
といった点にあると説明した。もちろん、ECサイトやWEBメディアなどの開発・運用にも対応可能なのだが、より得意とするのがソーシャルゲームという意味だ。
小俣氏は、「当社は、受託サービスとしてリアルタイム・ギルドバトルゲームや月商1億円超タイトルの運用実績があり、トラフィックの急増などを考慮した、最適な規模でのインフラが設計・構築できる。大手クラウドサービスのように貸しっぱなしではなく、設計・開発・運用も行うため、サービスの安定運用にも責任を持つ。インフラ構築・運用に不安のある会社にこそサービスを利用してもらいたい。顧客は得意とするアプリ開発に集中し、当社がサーバーの構築・運用を担当することで、安定したサービスを提供し、機会損失をなくすことができる。」と語った。つまり、ソーシャルゲームで一定の実績を持つ会社というよりも、これからスマートフォンアプリ事業への参入を目論む家庭用ゲームソフトの開発会社などを念頭に置いたサービスとなっているそうだ。
【サービス比較】
その一方で、一定の規模のタイトルを運用するソーシャルゲーム企業にもサービスを売り込みたいとも考えているとのこと。というのは「上位のスマートフォン・ソーシャルゲーム会社は、自前でインフラをもった方がコスト的にも有利だが、中堅以下の企業の場合、大手クラウドサービスを使うとインフラコストが非常に高くなる傾向にある。当社のサービスを使うことで、大手クラウドサービスのサーバーコストに比べて、半額程度に抑えることができる」(小俣氏)ためだ。海外の大手クラウドサーヒスの高コストを考えると、大きなビジネスチャンスがある。
小俣氏は、「ソーシャルゲームのクラウドサービスは、割高な海外系サービスが圧倒的に強いのが現状だ。『TriFort Cloud』を通じて、国産サービスの地位を高めていきたい」と意気込む。同社では、「TriFort Cloud」の導入会社は、初年度で20~30社を目指しており、今後、現在開発中の自社タイトルと、ソーシャルゲームの受託開発、そして本サービスにより業績を伸ばし、できるだけ早期のIPO(新規上場)に向けて準備を進めているという。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社Trys
- 設立
- 2008年2月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 小林 泰平