新規上場企業の紹介…GMO TECH（東証マザーズ・6026）

スマートフォンリワード広告事業やスマートフォンアドネットワーク事業、O2O（スマートフォン向けアプリ CMS ASP）事業を手掛けるGMO TECH<6026>が12月11日、東証マザーズに上場する。

同社は、社名からも分かるとおり、GMOグループの一員。もともとは、2006年12月に株式会社イノベックスとして設立し、ポイントサイト「ブログポイント」などを手掛けていたが、SEO対策に進出、09年4月にGMOインターネットと資本提携してその傘下に入った。その後、アフィリエイト広告配信システムやスマートフォンリワード広告など、広告分野で事業領域を広げ、現在に至っている。

事業内容は、スマートフォンアフィリエイトASP事業、SEO対策及びリスティング広告の運用代行を軸にしたインターネット集客事業であるPC・モバイル集客支援事業、iPhone、Androidアプリを簡単に作成できるCMSを提供するスマートフォンアプリCMS ASP事業の3つ。スマートフォンアフィリエイトASP事業では、AppStore及びGoogleが提供するGoogle Playのランキング上位表示対策に有効なリワード広告「GMO SmaADリワード」、アクティブ率の高いスマホユーザーを獲得可能な「GMO SmaADアドネットワーク」、AppStore・Google Play内でのキーワード検索の上位表示を行なう「GMO SmaAD ASO」の3サービスを展開している。

また、PC・モバイル集客支援事業では、SEO対策サービスやリスティング広告サービスを展開。スマートフォンアプリCMS ASP事業では、アプリの仕様の違いや実機による動作確認を手間をシステムにより解決し、非インターネット中小企業の自社アプリの導入や保有をサポートする「GMO AppCapsule」の提供を行っている。
 
続いて業績面を見てみると、2012年12月期くらいから急速に収益が拡大している。スマートフォン広告市場の拡大とともにスマートフォンアフィリエイトASP事業が大きく成長しており、2013年12月期は売上高が14億7236万円（前年同期比299.3％増）、営業損益は8163万円の黒字（前年同期は7410万円の赤字）と収益化を果たし、主力事業に育った。続く2014年12月期は第3四半期累計（1～9月）時点で売上高15億9466万円、営業利益1億3349万円と前年通期実績をクリアしてきており、その傾向がさらに強まっている。
 

上場に伴う手取り概算金は、5億6900万円となる見通し。調達資金の使途は、①スマートフォンアフィリエイトASP事業（GMO SmaAD）における広告取引の増加に備え現状設備であるGMO SmaADシステムの更新投資やアドテクノロジーの進歩に伴う機能追加等の増強投資、及び自社アプリ媒体の開発による広告配信力の強化を目的とした設備投資として4億6000万円（15年12月期：2億4000万円、16年12月期2億2000万円）、②スマートフォンアフィリエイトASP事業（GMO SmaAD）の国内外へのイベント出展等により、GMO SmaADの認知度の向上及び収益の増加を見込み、広告宣伝費として1億円（15年12月期：1億円）、③残額については、スマートフォンアフィリエイトASP事業（GMO SmaAD）及びスマートフォンアプリCMS ASP事業（GMO AppCapsule）において優秀な人材の採用と継続的な育成を目的とした採用費及び人件費に充当する予定としている。

なお、上場時発行済み株式110万株と有価証券届出書提出時における想定発行価格5760円から計算した想定時価総額は、約63億3600万円となる。


〈単独業績予想〉