スクウェア・エニックスが海外先行で配信していた新作タクティカルRPG『HEAVENSTRIKE RIVALS (ヘブンストライク ライバルズ)』。日本版の配信が決定し、4月9日より事前登録がスタートした。事前登録キャンペーンでは、ゲームのスタートに役立つ、強力なユニット「黒魔術師」と「白魔術師」が手に入る。
本作は、世界中のプレイヤーとリアルタイムで対戦可能なタクティカルRPG。バトルに配置できるユニットの数は200種類を超え、対戦バトルをより戦略的に遊べるのはもちろん、ストーリーバトルやイベントバトルもより深く楽しめるという。
今回「Social Game Info」では、海外版を一足先に体験することができたので、その模様をご紹介していこう。なお、本稿の画面写真は断りの無い物以外は海外版のものとなる。
本作の開発は、スクウェア・エニックスとイギリスのMediatonicが行い、作品のシナリオをベニー松山氏(代表作:『隣り合わせの灰と青春~小説ウィザードリィ~』など)が監修、キャラクターデザインを伊藤龍馬氏(代表作:『ファイナルファンタジー タクティクスアドバンス』など)、音楽を山﨑良氏(代表作:『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル/クリアタルベアラー』など)が担当している。
■かわいらしい/かっこいいグラフィックになめらかアニメーション、耳触りのいいBGM
本作は、TCGの要素はあるが、各ユニットはフィギュアのようなビジュアルで、絵柄に素材感や存在感がある(丸影なのがフィギュアっぽさになっているのかもしれないが)。ルネインの人間たちは柔らか目のタッチで描かれており、フォーレンの怪物たちは硬質でエッジのたったデザインになっており、見事に差別化されている。また、キャラクターだけでなく、フィールドやメニュー画面なども細かく描きこまれており、最初見たときは思わずじっと見まわしてしまったほどだ。アニメーションも細かくなめらかで、見栄えよくポイントを抑えてある。同時多発的に処理が起きないゲームシステムなので、プログラム的に重すぎず、かといってエフェクトもあっさりしすぎない、絶妙なバランスになっているのではないだろうか?
BGMはオーケストレイションされた厚みのある豪華なもので、音質もよく、耳触りが良かった。データ量を気にしてか、圧縮率の高い尖った音のゲームアプリもちらほらあるが、本作においては戦闘時などBGMを長く聞くことになるため、耳になじむ聴きやすい楽曲と音質は好印象だ。
※日本版
■ターン制バトルながら戦闘のテンポはスピーディー。ストーリーモードでユニット集め・強化してPvPへ…!
自分と敵キャプテンそれぞれマナとライフが設定されており、相手のキャプテンのライフを0にすれば勝利となる。戦闘はターン制で、配置したユニットたちはオートで移動、戦闘する。まずマナを使ってユニットを配置、スキルが発動(ターゲット指定などの設定はマニュアル)し、「Play」(剣のマーク)を押すと自チームのユニットがオートで動いてターン終了となる。列の移動などはプレイヤーが指定できる。
フィールドは7×3列で構成されている。ユニットが立つと体力を回復できたり、攻撃力をアップするブロックが設置されているなど、仕掛けのあるフィールドも用意されている。また、フィールド左右両端の1ブロック分(青と赤で色分けされている)は敵ユニットは配置できない(味方ユニットを置くことができなくなるため)。1ブロックしか攻撃できないユニットでも、ラスト1ブロックを飛び越えてキャプテンを攻撃できるところは注意したい。移動はユニットから見て前方と左右に行えるが、後退はできないようだ。ゲーム性としては、キャプテンをどこで攻撃するのか、そのために敵ユニットをどう崩していくのか、その駆け引きになってくる。
※日本版
ユニットは初期状態では14体を1チームに入れることができる。スタート時は6スロットに4つのユニットがドローされてくる。マナを消費してユニットを召喚し、倒されればマナは戻ってくるが、セットしておいたユニットを使い切っても戻ってくることはない。
200種類を超えるというユニットは大きく分けると6タイプ。正式名称がわからないのでざっくりいうと、攻撃力に優れてそこそこ移動力があるファイタータイプ、防御力に長け、耐久力もあるディフェンダータイプ、攻撃魔法に長け、複数の敵に同時に攻撃可能なメイジタイプ、回復/強化魔法に優れるプリーストタイプ、足は遅いが射撃でユニットを貫通して攻撃できるガンナータイプといった感じだ。
それぞれのユニットにはスキルが用意されており、1ターンで2回攻撃行動できたり、敵の攻撃を数ターン防御できたり、味方の特定のユニットの攻撃力を上げたり…とさまざまな能力を持っている。また、キャプテンにもスキルがあり、1度使うと数ターンは使用不能になってしまうが、攻撃、回復など8つほどのスキルを付け替えて使うことができる。
ユニット配置時点ですぐにスキルが発動し、さらに「Play」で攻撃や移動できるため、1ターンでできることは多いほうだろう。フィールドがわりとコンパクトで、コストが重い遠距離系攻撃キャラやガンナータイプは、フィールドを半分移動するかしないかでもう敵キャプテンに直接攻撃することが可能になるので、攻防のテンポは早めだ。敵チームのユニット構成はフィールドに出てくるまで全く分からないので、毎ターンのドキドキ感はけっこう大きい。
また、ブロックには回復ブロックや攻撃力アップのブロックがあり、地の利を活かした戦いも必要になってくる。このゲームにおいてのスキルは、初期値を超えて体力値や攻撃値を増やせるので、敵味方ともにユニットの能力を把握していないと、戦略によっては長期戦になったり、あっという間に展開がひっくり返るということが起こる。また、戦闘を完全に自動でも行える(自動とマニュアルは途中で切り替えられる)ので、お手本として自分のチームをどう活かして戦うかを研究する材料にしてもいいだろう。ただし、万能ではないので、オートにして負けたからといって文句は言わないでほしい。
ユニットは、戦闘につれていくことで経験値を稼げるほか、トレーニング(という名の強化合成)でレベルを上げて強化することができるほか、PROMOTE(進化)させることでも強化できる。
また、戦闘後に入手できたり、スカウトする(いわゆるガチャのようなもの)で新たなユニットを入手できる。自分のレベルおよびマナ数と戦略に応じてチーム編成を決めていかないと、重いコストユニットばかりを入れると序盤なにもできなく相手に速攻を決められたりもするので、ユニット集めと育成、そして戦略とチーム構成を考えていくのが本作の遊びこみポイントとなる。
ストーリーモードとPVPにはそれぞれ参加すると別にエネルギーを消費する。どちらも時間で回復するが、時短するなら戦闘などで手に入る「コア」を使う。「コア」はガチャでもユニットを召喚するのに使う。
ストーリーモードでユニット集めと強化をしながら、折を見てPvPに参加するといった遊び方の流れになると思われるが、個人的には日本語版では「隣り合わせの灰と青春」などの名著を残しているベニー松山氏の監修による日本版のシナリオにも期待している。今回はPvPにあまり時間をさけなかったが、ユニット資産が充実してから挑戦してみたい。ちなみに週ごとにランキングが行われており、成績に応じてコアなどの賞品がもらえる。
…とまあ、ちょっとこまごま説明したが、実際に遊んでみると、システムやインターフェイスはなじみやすく、スピーディな戦闘もあいまって遊びやすい。ちょっと空いた時間に、でも考えながらしっかりと戦略を立てて遊びたい、という人にお勧めしたい。ただ、ストーリーモードでも通信頻度が高いので、電波の状況が良いところでのプレイをおすすめする。チーム編成UIなどがちょっとわかりにくい(スライドさせるとユニットが外れてしまうなど)ところがあったが、正式サービスからの改良やイベントなどの施策にも期待してみたい。
▲ストーリーモードはコツコツ何度も遊びやすい作りでユニット集め/強化には最適といえる
▲本作のメインといえるPvPモード
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)