【速報】ドリコム、15年3月期は売上高4%増、各利益は黒転…他社IP2タイトルの利益貢献でコンテンツサービス黒転 QonQでは第4四半期赤字計上に【追記】
ドリコム<3793>は、5月11日、2015年3月期の連結決算を発表、売上高72億9800万円、営業利益3億100万円、経常利益2億7800万円、当期純利益1700万円と4月30日に発表した上方修正予想通りでの着地となった。なお、前々期は非連結決算となるが、単純計算で売上高が4.4%増、各利益項目は前々期がすべて赤字だったため、黒字転換を達成したことになる。
セグメント別の状況は以下の通り。
①コンテンツサービス…売上高64億2000万円(前々期比0.6%増)、セグメント利益7億6700万円(前々期実績2億7200万円の赤字)
主力のソーシャルゲーム事業において、2014年3月および5月にリリースされた他社配信アニメ版権(IP)ゲーム2本(『ONE PIECE トレジャークルーズ』と『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ』)が、ユーザーから評価を獲得し、業績へ安定的に寄与した。このアニメ版権ゲーム2本の売上は、配信会社から一定比率の売上分配を得るかたちとなっているため、売上への影響は相対的に小さいものの、支払手数料が無く、利益に与える影響が大きくなる。
既存ゲームはリリースからの経年により軟調な推移となったが、中核ユーザーに焦点をあてた運用・サポートに注力した『ちょこっとファーム』は売上水準を維持した。第4四半期中のリリースを予定していた新規ゲーム2本については、ユーザーからの高評価を目指した開発延長、リリース延期を行ったが、そのうち子会社グリモアの新規ゲーム『ブレイブソード×ブレイズソウル』については、3月に事前登録が開始された。
ソーシャルラーニング事業は、前事業年度にリリースした英語学習アプリ「えいぽんたん」の運用に傾注し、定額制の導入など事業拡張への試行を進めた。また、9月12日に発表の通り、楽天と業務提携を進め、合弁事業がスタートした
②広告メディアサービス…売上高9億100万円(前々期比49.2%増)、セグメント損益4億5300万円の赤字(前々期実績2億3100万円の赤字)
広告事業は、引き続きスマートフォン向けコンテンツ事業者を対象とした広告サービス「HeatAppReward」「フライングガチャ」の拡販に注力した。前事業年度のサービス開始以来、急増する需要を取り込みながら事業拡大を続けている。加えて、動画を利用したリワード広告「poncan」も、大口の提携がスタートするなど伸長した。
メディア事業では、主力事業であるミュージックプレイヤーアプリ「DropMusic」のバージョンアップ版をリリースしたほか、無料音楽プレイヤーアプリ以外の領域でも市場開拓を試行した。
なお、同社は、同社は第2四半期累計及び通期の合理的な業績予想の算定が困難であるとし、第1四半期の業績予想のみを開示。第1四半期(4~6月)は、売上高18億円(前年同期比9.2%減)、営業損益3億円の赤字、経常損益3億円の赤字、当期純損益2億円の赤字としている。
【追記】
業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第4四半期期間(1~3月)は、売上高16億6600万円(前四半期比5.1%減)、営業損益2300万円の赤字、経常損益2900万円の赤字、四半期純損益1億1000万円の赤字での着地した。さらに、2016年3月期の第1四半期(4~6月)は、売上高が伸びるものの、赤字幅が大きく拡大することになる。新作タイトルの先行投資負担が大きな影響として数字に表れていると言えそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793