収益の柱であるコンテンツ事業において、フィーチャーフォンを中心としたユーザーの減少が続き、売上高が減少、利益率の高いコンテンツ事業の売上高の減少により営業利益も減少した。
一方で、グループで保有する外貨建資産を期末為替レートで評価替えしたことで、為替差益2億1600万円を営業外収益に計上。連結子会社ビーバイイーの株式譲渡契約締結に伴い、関係会社株式評価損6億3800万円に係る繰延税金資産を計上し、法人税等調整額が△1億3300万円となったことで当期純利益が増加し、従来の業績予想を上回って着地した。
各セグメント別の状況は以下の通り。
①コンテンツ事業…売上高44億777万円(前々期比21.9%減)、セグメント利益16億3687万円(同16.0%減)
フィーチャーフォンユーザーが緩やかに減少したことにより売上高が減少したものの、コスト管理の徹底によりセグメント利益率は改善した。若年齢層向けカジュアル占いアプリ「Chapli(チャプリ)」をオープンし、従来とは異なる形式の占いサービスの提供を開始したほか、占い以外の新たなジャンルへ挑戦すべくゲームコンテンツの開発や、大人の独身女性向けに素敵な体験を提供するサービス「solomono(ソロモーノ)」をオープンするなど、新たなサービスの企画開発に積極的にも取り組んだ。
②コマース関連事業…売上高16億8565万円(同4.0%増)、セグメント損益1億9449万円の赤字(前々期実績1億6440万円の赤字)
Eコマース事業は、「藤巻百貨店」や「cuna select」が着実に成長し、「藤巻百貨店」は継続的に利益を生み出せる規模へと拡大した。一方、女性向けアパレルの定期購入型オンラインショップ「STYLEST」は、売上高は増加しているものの継続的に計画を下回って推移しており、当初想定していた事業規模へと拡大させるには時間を要すると判断し、第4四半期期間で他社に譲渡した。また、ユーザーの減少が続いている既存モバイルコマースサイトについても他社へ譲渡した。
ビーバイイーが展開する自然派化粧品の卸売・小売事業については、主力商品のリニューアルを行ったことから売上高は増加したが、相次ぐ競合の参入による競争激化のため、商品原価や販売管理費等コストが増加する結果となった。また、同社を取り巻く事業環境の変化やグループ戦略を検討した結果、中核事業に優先的に経営資源を集中すべきとの結論から、2015年5月1日付で保有するビーバイイーの株式全てを譲渡した。
③海外事業…売上高は5億1681万円(同4.4%増)、セグメント損益8284万円の赤字(同7809万円の赤字)
米国に拠点を置く子会社Zappallas,Inc.(U.S.)が占いコンテンツビジネスを展開。売上高は為替の影響もあり前年同期比で増加した。利益面は効率的なコンテンツ運営ノウハウの投入や、コスト構造の見直しを実施した結果、セグメント損失が減少した。
④その他の事業
旅行事業の売上増加に加え、開発受託の増加及び電話占いの着実な成長により、前期比で売上高は増加した。また、売上高の増加に加え広告宣伝費等コストの減少により、セグメント損失が減少した。
■コマース事業拡大で、QonQで2ケタ増収を達成するも営業利益率が低下
業績の四半期推移(QonQ)を見ると、第4四半期期間(2~4月)は、売上高は前四半期比で11.8%増の20億1200万円となった。一方、営業利益は同6.3%減の1億3500万円となっている。コマース関連事業の売り上げが大きく伸びたのものの、利益率の高いコンテンツ事業の売上高の減少トレンドが続いたことが大きく、営業利益率は前四半期の8.0%から6.7%に低下した。
なお、2016年4月期通期の連結業績予想については、売上高74億5000万円(前期比1.7%減)、営業利益0円としている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ザッパラス
- 設立
- 2000年3月
- 代表者
- 代表取締役 玉置 真理
- 決算期
- 4月
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3770