Cygamesは、11月29日(日)、2016年初頭にリリース予定の本格対戦型TCG『SHADOWVERSE(シャドウバース)』の先行体験会を、e-sports SQUARE AKIHABARAにて開催した。
抽選に選ばれたユーザーを招いた本体験会では、『SHADOWVERSE』のディレクターであるCygamesの齊藤優太氏をはじめ、司会としてモデルの佐藤かよさん、ゲームキャスターのstansmithさん、ゲストには本作のキャラクターボイスを務めた声優の優木かなさん、佐倉薫さん、石上静香さんが登場。
本稿では、体験会の模様をはもちろん、遂に判明した『SHADOWVERSE』のゲーム概要についてもお伝えしていく。
▲左から佐藤かよさん、stansmithさん、齊藤優太氏
▲左から石上静香さん、佐倉薫さん、優木かなさん
■Cygamesが放つスマホ向け本格対戦型TCGの全貌が明らかに
『SHADOWVERSE』は、ユニット、スペル、フィールドという3種類のカードでデッキを編成し、相手キャラクターの体力を0にしたら勝利のスマートフォンで遊べる本格対戦型TCG(トレーディングカードゲーム)。
全世界登録者数2,000万人突破のCygames代表作『神撃のバハムート』の世界観がカードとして登場し、初期登場カードとして400種類以上ものカードが登場する。すべてのユニットカードが進化可能になっており、バトル中にユニットカードを“進化”させることが、戦局を大きく左右するのが特徴。
また、7人の魅力的なキャラクターが登場するストーリーモードには豪華声優陣が参加し、アリサ役の優木かなさん、エリカ役の石上静香さん、イザベル役の佐倉薫さんの3名をパーソナリティにむかえたWEBラジオの放送も実施予定。さらに、コミカライズやe-sportsとしての賞金制大会開催など、さまざまな展開が今後予定されている。
2015年10月16日に六本木ニコファーレで初公開(関連記事)された同作。すでにボイス収録を終えて、ゲームも事前にプレイしたことのある声優陣のみなさんは、「ようやくユーザーの方々に遊んでいただけるのが嬉しい」と感慨深く語っていた。
ここで、ディレクターの齊藤優太氏とゲームキャスターのstansmithさんより、本作のゲーム概要について紹介してくれた。
前述しているように、本作は相手のキャラクターの体力(MAXが20)を0にしたら勝利する、スマートフォン向け本格対戦型TCG。基本的なルールは、PP(プレイポイント)を消費してカードを繰り出していく。PPは1ターンにつき1ずつ増加していき、最大10まで貯めることができる。そのため、10ターン目にはある程度コストの高い強力なカードが使用できるようになっている。
▲カードに表示されている数字は、左上がPPを消費するコスト。左下が攻撃力、右下が防御力。ホーム画面では、デッキのカードが円状となっており、コレクション要素をくすぐられる。
カードには、ユニット、スペル、フィールドという3種類が存在。ユニットは、場に出すことで相手のキャラクターやユニットに対して攻撃できるが、場に出したターンでは攻撃はできず、次のターンから可能となる。ただ、ユニットのなかには、すぐに攻撃できたり、別のユニットが場に出ると攻撃力が増えたりと、多彩な特殊能力を備えているのがいる。
そして、『SHADOWVERSE』最大の特徴とも言える「進化」システム。ユニットを進化させることで、特殊な能力を発動させたり、ステータスを上昇させたりと、戦況をガラリと変えることができる。進化にはEPをひとつ消費するのだが、それぞれ先手はEPが2つ、後手は3つ、さらに進化ができるタイミングは先手は5ターン目から、後手は4ターン目からと先行後攻のバランス調整がされている。なお、EPは基本回復されないので、進化のタイミングが勝敗の鍵を握るといっても過言ではない。
続いてゲームの進め方について。はじめは、お互いに初期3枚の手札が並び、気に入らなければ1枚からでも引き直すことが可能。最初はPPも1から始まるため、コストが低いカードを狙うのも良し、ただ初期手札にコスト8~10の強力なカードが出てきて、あえて後半にキープするのも手だろう。
プレイ中は、指でタップしてドラッグ&ドロップでカードを場に出せるほか、カードをタップすることで能力を閲覧できる。相手のカードも場に出ていればタップで確認可能。ユニットによる攻撃も同様に、ドラッグ&ドロップで攻撃ができる。攻撃は基本的に1ユニット1ターンに一度のみ。
▲プレイ画面。攻撃可能なユニットは、赤い剣のマークが表示されている。このターンでは「大狼」のカードを場に出したため、「大狼」は次ターンから攻撃可能。目の前にいるユニットを攻撃してもいいが、キャラクターに直接攻撃して体力を減らすのもいいだろう。
▲バトルメニューでは、相手の情報やログを確認できる。ここでは、各種設定やリタイアも可能。
ここからは、先行体験会で遊べる5人のクラスキャラクターの特徴について解説してくれた。
▲万能系クラスのアリサは、エルフやフェアリーなど森をモチーフにしたカードが中心。豊富に使用できるフェアリーをどのように扱うのかが重要となる。手札の枚数や場にあるカードの枚数で、ステータスが上昇するユニットなどが多く存在。コストの低い複数のフェアリーを場に出して、特定のユニットのステータスを上げて強力な一撃を喰らわせるなど、コンボデッキ特有の戦い方が可能。
▲速攻系クラスのエリカは、プリンセスやメイドなど、ロイヤルな雰囲気のカードが中心。トークンを召喚し、それを強化していくようなカードが含まれている。カードを場に出したらもう一枚引けるなどの能力も持つ。斎藤氏いわく「今回の5クラスのなかでは、比較的に扱いやすいオーソドックスなデッキになっている」とコメント。
▲魔法使いや錬金術師、ゴーレムなど、魔法に関係の深いカードが多く存在するイザベルは、かなりテクニカルなクラス。体験会では、ユニットはもとより、スペルカードが中心のデッキ構成となっている。というのも、スペルチャージという特殊能力を兼ね備えており、スペルカードを発動すると、手札にあるコストが減少したり、ダメージが+1になったりと、ほかのスペルカードにも影響を及ぼすメリットがあるのだ。「カードゲーム好きには面白いクラス」と斎藤氏。
▲ローウェンは、最大PPを増やすカードと覚醒という能力を駆使するパワフルなクラス。コストが高いカードを手札に持っておけば、後半に強さを発揮する。今回のデッキには、コスト10の「ジェネシスドラゴン」というカードが存在。進化させると攻撃力が11まで上昇し、なおかつクイックという場に出したときに攻撃可能な能力を持っている。そのため、10ターン目以降は、相手の体力が11以下であれば、容易に相手を倒すことも可能。
▲ヴァンパイアのユリアスは、自分のキャラクターの体力が10以下のときに発動するバーサクを用いて、巧みに立ち回ることが可能。体力が減っていることで特殊能力が発動するカードのほか、今回のデッキには攻撃すると自分の体力を回復するドレイン効果を持っているカードもいるなど、長期戦にも備えたミッドレンジ式のバトル展開ができる。
■美麗カードに爽快なエフェクト、細部まで確認してほしいゲーム画面
当日の体験会では、訪れた参加者同士によるランダムマッチング戦が行われた。
筆者は、アリサ、イザベル、ローウェンの3キャラクターを使用。なかでも後半に活きてくるローウェンのカードデッキは、パワフルでなかなか痛快。初期カードでは、幸いにも「ジェネシスドラゴン」が手札として出てきて、それの召喚に向けてPPを増やしたり、相手の体力をちまちま減らしたりというアクションを行っていた。こうした後半に向けて戦略を積み上げていくのは、TCGの醍醐味でもあり、きちんと本作にもその魅力が備わっている。
▲無事に進化も終えて、強力な攻撃で相手に大ダメージを与えることができた。
『神撃のバハムート』の世界観がカードとして登場していることもあり、イラストの美麗さには、追加されていく手札のカードに「次はどういうカードが出てくるのだろう」とイラスト・ステータスのふたつの意味で期待してしまうことも。
また、イラストの美麗さも然ることながら、個人的にド派手なエフェクト演出にも注目したい。これらはレアリティによって異なってくるとは思うが、場に置いたカードのエフェクトはもちろん、攻撃したときのエフェクトなど、見ていてじつに爽快。相手にダメージを与えた打撃感は、なかなかTCGでは味わえない。このほか、フィールドの草むらをタップすると草が揺れたり、水が跳ねたりと、細部までこだわったゲーム内演出は目を見張るものがある。
ゲーム内では、相手との交流をエモーションで表現できる。なお、自分のターンは100秒の制限時間が設けられているが、これはまだ正式に決まっていないようで、今後変わる可能性があるとのこと。非常にシンプルなルールかつ、カードをタップすると能力の詳細が見れるので、初心者でも自然と戦略を積み上げることができるのは魅力。
【出演者による体験会の模様】
参加者の体験会と並行して、出演者側でもバトルが繰り広げられていた。なかでも優木かなさんは、自分が演じたアリサを選択し、巧みに多数のフェアリーを召喚して、「大狼」の攻撃力を上げるなど、カードが持つ特殊能力を理解したテクニカルなバトルを展開し勝利を収めた。その姿に斎藤氏とstansmithさんは、「今のは真面目に凄いテクニック」と驚きを隠せない様子だった。
体験会の最後には、出演者からコメントがあった。それぞれ「同じデッキでも何度やっても楽しめた。戦略の幅が広がる」「TCGは初心者ですが、シンプルかつ戦略が深く楽しかった」とコメントし、stansmithさんは「今回こちらでデッキを用意しましたが、リリース後には様々なカードが出てくるため、色々な構成ができると思います」と言葉を添えた。
そして、最後にディレクターの斎藤氏が「体験会では75種類のカードを用意しましたが、本編リリース時は400枚以上ものカードが登場します。さらに、クラスキャラクターにはあと2キャラいるため、そちらも楽しみにしてください。クローズドβテストは、全キャラクター+全カードを開放するので、ぜひ、本格的に遊んでみてください」とコメントし、体験会を締めた。
『SHADOWVERSE』のリリースは2016年初頭を予定。公式サイトでは事前登録の受付も開始しており、登録するとお得なカードパックチケットのほか、クローズドβテストの参加権も得られる。市場では『Hearthstone』を筆頭に、すでに複数のデジタルTCGがリリースされているが、それに負けず劣らぬクオリティの高さを感じた。Cygamesが放つ純国産のデジタルTCGを、ぜひいち早く遊んでみよう。
(取材・文:編集部 原孝則)
■『SHADOWVERSE』
©Cygames,Inc.