【エイチーム1Q決算説明会】林社長「順調に推移」 『ユニゾン』『ダービー』好調維持 成長著しい『三国大戦スマッシュ!』に注力



エイチーム<3662>は、12月11日、東京都内で機関投資家・証券アナリスト向けの第1四半期決算説明会を開催した。同日発表した第1四半期(8~10月期)の連結は、売上高46億1000万円(前四半期比QonQ1.0%増)、営業利益5億2000万円(同17.0%増)、最終利益2億9100万円(同4.5%増)だった。四半期売上高は過去最高となった。

 


説明会に臨んだ林高生社長は、「順調に推移している」と総括した(以下、断りがない限り「」内は林社長の発言)。生活情報を提供するライフスタイル事業が安定した収益源として着実に伸びる一方、ゲームを提供するエンタメ事業も好調をキープしている。ゲームについては、『ユニゾンリーグ』と『ダービーインパクト』といった既存タイトルに加え、『三国大戦スマッシュ!』が8ヵ月にわたる大改修の効果で伸長していること、そして、『罪娘(つみっこ)プロジェクト』に注力するなど、興味深い説明会となった。

続いてセグメント別の状況を見ていこう。


 
■『ユニゾンリーグ』と『ダービーインパクト』が好調

エンタメ事業は、売上高23億3100万円(QonQ5.6%減)、セグメント利益5億4900万円(同34.7%増)だった。『ユニゾンリーグ』と『ダービーインパクト』が好調に推移した。『ユニゾンリーグ』は、テレビCMの放映が終わり利益貢献が始まったほか、『まどか☆マギカ』とのコラボも売上増に貢献したという。海外版も伸びた。

 


『まどか☆マギカ』とのコラボについては、2つの影響があったと分析しているという。作品のファンがゲーム内でも課金したのでARPPUが高く推移したこと、そして、コラボをきっかけとして既存ユーザーで復帰する人が増えたとのことだった。アニメ作品などのコラボは今後も積極的に検討していく考え。

なお、前四半期比で減収となったが、Appleカレンダーの影響で8月の売上が一部、前期の第4四半期の売上に入ったため、と説明した。ネイティブアプリの売上は月次ベースでは横バイにあるという。また女性の生理日予測・排卵日予測サービス『ラルーン』をライフスタイルに移管したことも影響した。

 


また直近では下落傾向にあった海外売上比率も拡大した。主力の『ユニゾンリーグ』の英語版と繁体字版が収益に寄与し、海外売上に占める比率は前四半期の20.2%から25.3%に伸びた。地域別の売上高の開示はなかったが、特に繁体字圏が重要なマーケットになりつつあるとのこと。

 


 
■「すぐ婚navi」は順調に回復 「Cyma」も伸びる

ライフスタイル事業については、売上高22億7900万円(同8.6%増)、セグメント利益3億1900万円(同3.4%増)だった。セグメント利益が第1四半期で3億円を超えるのは今回が初めてだった。ラルーンが当該セグメントに追加されたことや、全てのサービスが順調に推移した。

 


なお、前回の決算説明会で少し苦戦しているとのコメントのあった「すぐ婚navi」は順調に回復し、利益貢献しているという。リスティング費用が高騰し、利益が出づらい状況だったが、落ち着いている。また、「Cyma」もテレビCMや販売体制の強化が奏功し、売上、利用者ともに順調に増加している。

 


 
■広告宣伝費は『ユニゾンリーグ』のCM終了で落ち着く

続いて広告宣伝費の推移を見ていこう。広告宣伝費は、QonQで7.1%減の18億1700万円だった。「cyma」のテレビCMを実施したことにより、ライフスタイルの費用が増加したものの、『ユニゾンリーグ』のテレビCMの放映が終了したことに伴い、全体としては減少した。

 
 
▲従業員数の推移。570名となった。セグメントとしてライフスタイルが増えているという。東京スタジオは10数名で新規タイトルを開発している。採用が少し苦戦しているとのこと。


 
■『三国大戦スマッシュ!』に注力 数ヶ月で月商数億円を目指す

決算発表と同時に、第2四半期累計(8~1月期)の連結業績予想を上方修正し、売上高は従来予想の95億円を据え置いたものの、営業利益を従来予想の3億円から5億5000万円に、経常利益を3億円から5億5000万円に、最終利益を同2億円から3億6000万円にそれぞれ引き上げた。

 


第2四半期は、売上高48億9000万円(前四半期比6.1%増)、営業利益3000万円(同94.2%減)、経常利益5700万円(同88.4%減)、四半期純利益6900万円(同76.3%減)と大幅な減益となる見通し。本社オフィスの移転に関連する一時費用の計上や『三国大戦スマッシュ!』のプロモーション強化などに取り組むためだ。

第2四半期以降の注力タイトルとなる『三国大戦スマッシュ!』は、既報のように、当初はNHN Entertainmentと共同で提供する予定だったが、資本提携の解消に伴い、独自でリリースすることにしたという。当初は苦戦していたが、8ヵ月かけて大改修を行ったことが奏功し、「いい手ごたえのKPIが出ている」という。

 


第2四半期以降、大規模プロモーションを行い、『ユニゾンリーグ』や『ダービーインパクト』に続く柱に育てる考え。香港、台湾、マカオでのリリースも決定したが、「三国志という題材は、アジア圏で非常に受けがいい」ことから、繁体字圏での活躍も狙う。

取締役エンターテインメント事業本部長である中内之公氏は、「目標は決めていないが、数カ月後には月商数億円規模、最低で1億円を狙いたい。広告投資は、常に回収率をチェックしながら変動させている。今の回収率は非常にいい状況」と今後の拡大への意気込みを示した。様子を見ながらとなるが、毎月、億単位で広告費をかけていく考えもあるそうだ。プロモーションに伴う売上増は計画には見込んでおらず、これが上ブレの要因になるという。

 
▲『三国大戦スマッシュ!』のApp Storeの売上ランキングの推移。一時400位台になるなど低迷していたが、着実に順位を上げており、直近ではTOP50に顔を出すようになった(出所:AppAnnie)。


また、もう一つの注力タイトルとして、『罪娘プロジェクト」をあげた。多くの声優を起用したほか、声優のオーディションなども行ったという。多くの女の子たちが登場して戦いを繰り広げるRPGとなっており、12月17日には発表会も開催する予定だ。こちらは今期中のリリースを計画している。

 


なお、ゲーム開発方針について変更があったことも明かした。開発を進めている新作は、現在、2タイトル。今後はタイトル数を絞り込む一方で、1プロジェクトあたりの人員を増やして、品質とボリュームを上げていくという。昨今のアプリ市場では、品質とコンテンツボリュームが重視されているが、同社においてもリリース時の質量を高めて、市場での競争力強化を図っていく考えだ。

このほか、12月にオフィス移転を行ったが、その一時費用として2億5000万円が発生し、第2四半期に計上する。その後の家賃光熱費については、第3四半期、第4四半期では固定費として2億円弱、通常よりは増える見通し。また東京オフィスの開設費用は第1四半期に計上した。
 
(編集部 木村英彦)
株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高312億5200万円、営業利益7億100万円、経常利益8億9500万円、最終利益8億7700万円(2021年7月期)
上場区分
東証一部
証券コード
3662
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