DeNA、第3四半期は営業益27%減の146億円 コイン消費が緩やかに減少、アプリ開発費や決済関連費用も負担に 横浜DeNAベイスターズは黒字に【追記】

ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、この日(2月5日)、第3四半期累計(15年4~12月期)の連結決算(IFRS)を発表し、売上収益1087億円(前年同期比2.3%増)、営業利益146億円(同27.1%減)、最終利益83億円(同33.2%減)だった。
 

売上収益は、前年同期比で増加した。利益率の高い国内ゲーム事業は前年同期比で減収となった一方、2015年3月期下期以降に新規タイトルの投入が進んだ中国のゲーム事業や横浜DeNAベイスターズが主体のスポーツ事業等が増収となった。また、売上原価と販売費及び一般管理費は、前年同期比で増加した。アプリ市場向けタイトルの開発・提供の拡充や利用拡大に伴い、ゲーム内課金の決済関連費用等の支払手数料やソフトウェアの償却費等が増加した。

なお、その他の収益には、第2四半期連結会計期間においてBtoB向けマーケットプレイス事業を譲渡したことに伴う売却益を計上。その他の費用には、第1四半期に欧米における体制と、ゲームポートフォリオの見直しを行っており、これに伴う無形資産の除却等の一時費用が計上されたという。


①ゲーム事業
ゲーム事業の売上収益は830億円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は192億円(同18.1%減)だった。主力の国内市場でのゲーム内仮想通貨(コイン)消費高は1106億円(前年同期比1%減)だった。ブラウザ市場向けのコイン消費は緩やかに減少したが、国内及び海外アプリ市場向けでは、主力タイトルのコイン消費が引き続き堅調に推移したほか、新規タイトルの開発・提供も進んだ。アプリ市場向けタイトルにおけるコイン消費高は、国内では340億円(同156%増)、海外では144億円(同17%増)と伸びた。

②EC事業
EC事業の売上収益は146億円(同2.2%減)、セグメント利益19億円(同11.2%増)だった。注力分野の一つである旅行に関しては、株式会社DeNAトラベルにおける取扱高が順調に成長した。ショッピング、決済代行の各サービスも概ね安定して推移したが、有料会員数の減少によりオークションサービスは減収だった。

③スポーツ事業
スポーツ事業の売上収益は84億円(同19.5%増)、セグメント利益0.77億円(前年同期5億円の赤字)だった。株式会社横浜DeNAベイスターズは、2015年シーズンの主催試合の入場者数が増加し、好調に推移した。

④新規事業・その他
新規事業・その他の売上収益は37億円(同71.5%増)、セグメント損益36億円の赤字(前年同期は31億円の赤字)だった。キュレーションプラットフォーム事業では各サービスの利用者数が増加基調で、2015年12月には女性向けファッションの「MERY(メリー)」のテレビコマーシャルを実施し、アプリダウンロード数が大きく増加するなどの成果が見られた。事業としては先行投資段階だったようだ。


【追記】
第3四半期(10~12月期)の業績を見ると、売上収益が前四半期比9%減の338億円、営業利益が同55%減の33億円となり、QonQでも減収減益だった。セグメント別には、ゲーム事業の落ち込みと新規事業の先行投資が影響したのはもちろんだが、最も大きな減益要因はスポーツ事業がシーズンオフになったことに伴い、前四半期の10億円の黒字から18億円の赤字に転じたことだったようだ。横浜DeNAベイスターズがDeNAの収益にも大きな影響を与える存在になっている。

 
DeNAの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)



■2016年3月期の見通し

同時に、2016年3月期の業績予想も発表となった。売上収益1437億円(前期比0.9%増)、営業利益199億円(同19.6%減)、最終利益149億円(同21.1%減)を見込む。
 
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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